漢方の専門医インタビュー (土倉外科胃腸科医院)

漢方

西洋医学だけでなく、専門性の高い本格的な漢方治療を提供する漢方専門医

土倉 潤一郎先生

2017/08/08

MEDICALIST
INTERVIEW
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土倉外科胃腸科医院
土倉 潤一郎 医師
Junichiro Dokura

  • 総合内科専門医
  • 日本循環器学会 循環器専門医
  • 心臓リハビリテーション指導士
  • 日本東洋医学会 漢方専門医
  • プライマリケア認定医
  • 日本在宅医学会 認定専門医
経歴
  • 平成15年 福岡大学医学部医学科卒業
  • 平成15年 聖マリア病院
  • 平成17年 九州厚生年金病院 循環器内科
  • 平成22年 麻生飯塚病院 漢方診療科
  • ももち東洋クリニック
  • 松口循環器内科(訪問診療)

患者さんそれぞれの病態に合ったオーダーメイドの漢方治療

患者さんそれぞれの病態に合ったオーダーメイドの漢方治療に関して

東洋医学的な見方(診断)をすれば、ほとんどの方に何かしらの偏りが見られます。その偏りを参考に、困っている症状や疾患にアプローチしていくため、あらゆる病態に対応できます。特に漢方が得意だと思われる分野は、風邪や感染性胃腸炎などのウイルス性疾患、胃腸疾患(食欲不振、過敏性腸症候群、下痢、腹痛、膨満感)、冷えが関連する症状、月経関連疾患(月経痛、月経に伴う頭痛・にきび・イライラ)、ストレス性疾患などがあります。当院は、保険診療でエキス製剤(粉薬)だけでなく、煎じ薬(生薬)も扱っておりますので、患者さんそれぞれの病態に合ったオーダメイド治療ができます。

私はこれまで西洋医学と東洋医学をほぼ同じ期間学びました。そこで強く感じたことは、「人間にはどちらの医学も必要である」ということです。確かに日本の現代医学のなかで、東洋医学は必須ではありません。しかし、西洋医学では治療困難な分野でも、東洋医学で容易に治る場合が少なくありません。医師は漢方薬を処方できる資格がありますが、実は漢方の教育はほとんどありませんし、漢方専門医であっても漢方に精通している医師はごく少数です。もし一般的な治療でも症状が残っている場合には、ぜひ一度、ご相談をして頂ければと思います。

専門性の高い本格的な漢方治療をご提供します。

専門性の高い本格的な漢方治療について

漢方薬は植物や鉱物など自然なもので構成されており、より体に優しい治療ができます。よく世間では、「漢方は長く飲まないと効かない」というイメージがあるようですが、風邪などには30分以内、その他の疾患でも数日以内に効果が現れることも少なくありません。漢方は西洋医学とは異なった視点でのアプローチですので、西洋薬で改善が乏しい例にも著効することや、一つの漢方薬でさまざな症状が改善することもあります。もちろん西洋薬との併用も可能です。また、症状の緩和だけでなく、根本から治す体質改善の効果もあります。

私は全国でも有名な飯塚病院の漢方診療科に7年間勤務し、漢方専門外来を担当しておりました。エキス製剤(粉薬)だけでなく、煎じ薬(生薬)も扱っており、専門性の高い漢方診療を提供できます。漢方専門医は少なくありませんが、漢方診療における豊富な知識と経験を持ち合わせ、かつ西洋医学にも同等に診療経験のある医師は少ないと思います。

当院にはレントゲン、心電図、超音波などの医療機器は揃っておりますが、漢方診療に使用することは比較的少ないです。エキス製剤(粉薬)だけでなく、煎じ薬(生薬)も処方しており、本格的な漢方診療を受けられる環境は整っていると思われます。

東洋医学と西洋医学の双方でアプローチ

東洋医学と西洋医学の双方でアプローチ

西洋医学と東洋医学をほぼ同等に専門としている医師は少数と思われます。私はどちらかの分野だけで診療することも可能ですが、東西医学双方の長所、短所を活かして、患者さんにとって最善の医療を提供できることが当院の特徴と思っております。また、近隣住民のかかりつけ医として、その幅広い医療を外来から訪問診療(往診)まで提供できます。当院の基本理念は、「患者さんの健康を守り、安心・癒やし・満足を与えられるクリニックとして、地域に貢献致します」です。

「患者さんに満足して頂ける対応ができる」を基本方針として

患者さんに満足して頂けるためには、患者さんが求めていることを的確にキャッチし、それ以上の対応をする必要があります。寄り添い、細やかな配慮、礼儀、マナー、豊富な知識や経験など、さまざまな要素が優れていないと成り立ちませんので、当院ではそれを求めていきます。

私はもともと漢方には興味があり、研修医の頃から、風邪には総合感冒薬よりも葛根湯を処方していたのを覚えております。その後、循環器内科、一般内科で診療している中で、西洋薬では治りにくい症状に対して、漢方薬を頻用するようになりました。漢方薬で著効する例も経験するようになり、この分野は使いこなせばもっと診療に役に立つことを実感いたしました。しかし、参考書やセミナーで勉強するだけでは有効率も上がらないと感じたため、本格的に勉強することを決意し、飯塚病院の漢方診療科へ勤務することにいたしました。近い将来、父親のクリニックを継承し、地域医療に貢献したいという気持ちがあったことも、漢方を専門にすることに後押ししたと思います。開業後は、循環器内科でのカテーテル治療などには携わることが難しくなりますが、漢方はクリニックの場でもその専門性を十分に活かせることができ、さらに経験を重ねれば重ねるほど上達する分野ですので、生涯をかけて勉強できると思いました。

平成29年1月には私が院長となり、土倉内科クリニックへリニューアル致します。かかりつけ医として、地域の健康を守ることは当然ですが、漢方や在宅医療を通して北九州にも貢献していきます。漢方としては、北九州で最も多くの実績のあるクリニックを目指します。また、教育機関として漢方専門医の育成や、複数の医師による診療体制を行い、なるべく多くの患者さんの健康を守れるように環境を整えていきます。