耳鼻咽喉科専門医
患者さんに負担の少ない手術治療を提供する。短期滞在での「耳」の手術専門医
2017/07/31
- 経歴
- 昭和61年 3月 宮崎医科大学医学部医学科卒業
- 昭和61年 6月 宮崎医科大学附属病院入局
- 昭和63年 8月 宮崎医科大学医学部附属病院助手
- 平成 3年 4月 宮崎県立宮崎病院副医長
- 平成 8年 1月~平成10年6月 米国ミネソタ大学留学
- 平成15年 6月 宮崎医科大学医学部附属病院講師
- 平成17年 4月 宮崎医科大学医学部准教授
- 平成22年 4月 宮崎大学医学部病院教授の称号授与
- 平成23年12月 河野耳鼻咽喉科 Ear Surgi Clinic院長
- 平成25年 4月 宮崎大学医学部医学臨床教授
- 平成27年 4月 福岡大学病院臨床教授
日帰り・短期入院の手術治療
当院では、「一泊のみ」での手術治療を基本としています。このため手術から数日での社会(学業)復帰が可能となります。 このような短期入院で行う手術施設は日本ではまだ馴染みのないことと思いますが、医療レベルの高い欧米では広く普及しており、現代のライフスタイルに適した医療と考えられています。
当院では、確かな技術と大学病院にも引けを取らない高度な医療設備を導入し、さらなる安全な医療を突き詰めていくことによって、短期入院での対応を可能としました。当院で行っている耳の手術は短期滞在に適した術式を取り入れています。
たとえば、慢性中耳炎に対して行う鼓室形成術では、鼓膜を2層に剥離し、その間に筋膜を移植する「sandwich法」を行っています。 この術式は、鼓膜の剥離操作に技術を要しますが、他の術式と比較して鼓膜穿孔閉鎖率が高く、また治癒期間も短い傾向にあります。 一般的に手術による鼓膜穿孔閉鎖率は90%前後とされていますが、当院では、さらに独自の工夫を加えることにより、98%以上の良好な結果が得られています。 真珠腫性中耳炎に対する手術では、術式の中でも最も難しいとされている外耳道後壁保存型鼓室形成術(canal wall up tympanoplasty)を採用しています。 この術式も高度な技術が要求されますが、治癒に至るまでの期間が短いため、短期入院手術に向いており通院期間も短くてすみます。 また、本来の外耳道の形態が保たれるため、良好な聴力成績が得られやすいと考えています。
このように当院では、短期滞在手術に適した治療法を選択あるいは開発し、より良い医療を提供できるように努力しています。
昔、耳の手術をご経験された方、もう聞こえはダメだとあきらめていませんか?
昔の手術は、耳漏の停止を目的とし、むしろ聞こえは犠牲にされることが多く、手術後に聞こえは悪化してしまう例がほとんどでした。 また当時の多くの手術が局所麻酔で行われ傷も大きかったため、手術中あるいは手術後の処置で痛い思いをされた方は多いことと思います。
今では、手術も格段に進歩しており耳の手術は顕微鏡下で行われるため、傷も小さく痛みもさほどありません。 手術によっては全身麻酔が必要になりますが、昨今の全身麻酔はとても安全なものとなっています。全ての方が手術で良くなる可能性があるわけではありませんが、私の経験では再手術で聴力改善が望める方もいらっしゃいます。 もし、お悩みでしたら一度ご相談下さい。手術によって聴力改善ができないか診察させていただきます。
「 鼓膜の孔 」放置していませんか?
鼓膜に孔(あな)が開いているということは、細菌が中耳に入りやすく中耳炎を起こしやすい状態であるということが言えます。 このような状態で中耳炎が起きてしまうと耳だれが出てきます。 多くの場合、耳だれは抗生物質で止めることができますが、鼓膜に孔が開いたままだと耳だれを繰り返し生じるようになったり、抗生物質が効きにくい細菌(耐性菌)が感染すると耳だれがなかなか止まらなくなったりすることもあります。
また、鼓膜に孔が開いていると聞こえが悪くなります。孔が開いた状態が長く続くと、音を伝える耳小骨の動きが悪くなったり内耳の神経が障害されたりして、さらに聞こえが悪くなっていきます。このような状態を慢性中耳炎といいます。 鼓膜の孔は手術で閉鎖することが可能です。孔が閉鎖すると、耳だれは出ることがなくなりますし、多くの場合聞こえも良くなります。手術では、残っている鼓膜を伸長させ閉鎖します。したがって完全に閉鎖した鼓膜はご自身の鼓膜であり人工鼓膜ではありません。
鼻の手術(施術)としてアレルギー性鼻炎・花粉症の治療方法
保存的療法として症状に合わせた薬物治療を行い、症状を改善します。 個人差はありますが薬を使った治療は、眠気を伴う・集中力が低下するなどそのような方には薬をなるべく減らすレーザー治療をご案内しております。
下鼻甲介粘膜焼灼術(かびこうかいねんまくしょうしゃくじゅつ)は症状を軽減する為に粘膜の反応を減少させる手術方法です。炭酸ガスレーザーを用いて粘膜を浅く焼く手術は20年程前から実用されています。粘膜は焼かれた後に3、4週間程かけ生え変わり、より腫れにくく、抗原が進入しにくくなります。手術する事で、粘膜下に存在するアレルギー関連の細胞数が減少します。それによりアレルギー症状が軽減され、ハウスダスト・花粉症の症状が手術前の半分以下になったと実感した患者様が約8割という統計が報告されております。
※花粉症の患者様は、対象となる花粉が飛散する前にレーザー治療を実施するようにしてください。
「 みみ・はな・のど 」の検査・治療における代表的な診療設備や診療環境
コーンビームCT
耳鼻咽喉科専用に開発されたCT装置を導入しています。耳や鼻といった細かい骨の抽出に非常にすぐれ、数十ミクロンという細かい情報を得ることができます。被曝量は従来のCTより軽減され患者様に負担の少ない機器です。
聴力検査室
聴力検査では防音室を備えていますので検査ボックスに入ることなく小さなお子さんでも安心して検査者の横に座り声をかけながら検査ができます。
また車いすの方でもそのまま検査室に入っていただけます。
電子内視鏡
手術では勿論のこと様々な検査・治療等に用い身体への負担を軽減します。
「 みみ・はな・のど 」でお悩みのかたに一人でも多くの「 よろこび 」と「 ありがとう 」につながっていたい。
私は、開業に至るまでの25年間、宮崎大学耳鼻咽喉科教室に勤務しておりました。耳鼻咽喉科教室は、耳科手術においては全国でもトップレベルであることは耳鼻咽喉科医であれば誰もが知るところであります。そうしたことから宮崎県内はもちろんのこと他県からも耳の手術を希望する多くの患者さんが来院されています。その中には他施設では手術困難とされた症例も少なくありません。宮崎大学耳鼻咽喉科教室では、耳科手術の基礎的な技術から難治性疾患の手術も数多く経験いたしました。その経験をいかし、一人でも多くの方に私生活での喜びのお手伝いができればと思っています。
【体に負担の少ない手術なので高齢者でも安心】
耳の手術は、患者さんにとっては身体的にさほど負担になるものではありません。現在は、小さな切開創から顕微鏡や内視鏡を使って手術を行います。よって、ご高齢な方でも手術可能です。もう年だからと言って手術をあきらめる方も少なくありませんが、私は患者さんの聞こえが良くなりたいという熱意があれば、年齢は手術適応の妨げにはならないと考えています。当院で手術させていただいた方の最高齢は92歳です。補聴器を付けてもあまり聞こえないとのことでしたが、手術よって聴力が改善し、補聴器は必要ですが、十分な会話ができるようになったと喜んでいただきました。術後、2年経過いたしましたが、今もお元気で定期的に診察させていただいています。
【Only hearing earへのこだわり】
Only hearing earとは文字通り、一側しか耳が聞こえない状態のことをいいます。反対側の耳は実用聴力のない、いわゆる聾あるいは聾に近い状態であることを意味します。唯一聞こえていた耳が悪くなると、患者さんにとって非常につらい状況になってしまいます。その原因が慢性中耳炎などの中耳疾患による場合、手術により聴力の改善が期待できますが、万が一手術後に聞こえが悪くなってしまうと患者さんはより厳しい状況になってしまいます。よってOnly hearing earの手術に対しては、消極的である施設は少なくありません。患者さんにとっても、手術に踏み切るには勇気ある決断が必要となります。一方、手術が成功すれば、患者さんの生活スタイルが大きく変わるほどその影響は絶大であり、やりがいの大きい手術の一つです。私の方針としては、Only hearing earであっても手術の適応があれば、積極的に手術をすることとしています。これまで培った技術と経験を駆使し、細心の注意を払うことにより、万が一のリスクも排除しながら手術するように努めています。
耳の手術を短期滞在で手術するクリニックは、本邦ではまだ珍しく、多くの方にとっては馴染みのないことだと思います。それだけに短期滞在での手術に対して不安をお持ちのことと思います。少しでもその不安が解消できるように、時間をかけて、手術の内容、手術までの流れ、入院と退院、そして退院後の通院について、時間をかけてしっかりと説明するように心がけています。