循環器専門医
20年近くの不整脈診療・治療経験と最新の知見を基に、分かり易く丁寧な説明と、患者さんそれぞれにあったベストな治療法を提示する不整脈の専門医
2017/10/23
- 経歴
- 1994年3月 福岡大学医学部卒業
- 1994年5月 福岡大学第二内科入局
- 1999年4月 福岡大学病院 循環器科 医員
- 2005年4月 福岡大学病院 循環器科 助教
- 2007年7月〜2009年3月 Case Western Reserve University Hospital Cardiology Research Fellow
- 2013年4月 福岡大学 循環器科 講師
- 2015年6月 安田クリニック院長
身近に起こる不整脈。状態に合わせた適切な治療が必要です。
人間、年を重ねるごとに、誰にも多少の不整脈はみられます。ひとえに不整脈といっても、上室期外収縮など基本的に経過観察可能なものから、心室細動など緊急の電気的除細動が必要なものまで、幅広くみられます。最近、高齢社会と共に心房細動という不整脈が増えています。心房細動は、年齢や合併疾患により治療の必要性、内容が変わってきます。
心房細動自体は命に関わるような重症な不整脈ではありませんが、動悸、息切れ、疲労感などの症状の他、重大な合併症として、脳梗塞などの血栓塞栓症を生じます。心房細動では、心臓の上部である心房がきちんと収縮できなくなり、そのため心房からの出っ張りとなっている左心耳などで血栓を生じそれが心臓から流れ、脳梗塞などの原因となります。心房細動による脳梗塞は、他の脳梗塞に比べてその血栓の大きさから重症例が多く、梗塞巣も大きいので死亡率が高く、そうでなくても一度の発作で重大な後遺症を残して要介護となるケースが多いことからノックアウト型脳梗塞と呼ばれてます。その為、予防のために抗凝固療法が不可欠となっています。現在、抗凝固療法の評価法として、主にCHADs 2スコア(うっ血性心不全、高血圧、75歳以上、糖尿病を各1点、脳卒中/一過性脳虚血発作(TIA)の既往を2点とし、合計0~6点でリスクを評価)が用いられており、脳梗塞の年間発症率はこの合計スコアに比例して高くなります。最近のガイドラインでは、CHADS2スコア1点以上で抗凝固薬を推奨する流れにあります。
不整脈は、大きく分けると頻脈性不整脈と徐脈性不整脈に分けられます。心臓は心臓上部の上室である心房と、下部の心室に分けられ、それぞれから不整脈は生じます。上室期外収縮、心房細動、心房粗動、発作性上室性頻拍などは、心臓上部が原因となる上室性不整脈で、心室期外収縮、心室頻拍、心室細動などは心臓の下部が原因となる心室性不整脈となります。心室起源の不整脈は重症となることが多いですが、上室起源でも強い症状をを伴う事があります。
このような、頻脈性不整脈に対する治療には、薬物療法とカテーテルアブレーション治療法、植え込み型除細動器などのデバイス治療法があります。また、徐脈性不整脈には、洞機能不全症候群、房室ブロック、徐脈性心房細動などがあり、治療としては、薬物治療は困難な事が多く、ペースメーカー治療が主体となります。
薬物治療は、不整脈にあった投薬を行い、調整を行います。しかし、薬物抵抗性であったり、投薬困難な場合は、カテーテル治療も選択肢となります。
カテーテルアブレーション治療とは、不整脈を引き起こす異常な部位をカテーテルを用い焼灼し、正常なリズムを取り戻す治療法です。首、足の付け根などの太い血管(主に静脈)からカテーテルを入れて、心臓内部の不整脈基質(原因)を判明させ、その部分を高周波電流で焼灼し、不整脈の根本的な治療を行う治療法です。正式には経皮的カテーテル心筋焼灼術と呼ばれ、カテーテル手術の一つに分類されます。
治療できる不整脈は、心房細動、心房粗動、発作性上室性頻拍、心房頻拍、心室頻拍、心室期外収縮など、ほとんどの頻脈性不整脈が対象で、成功率は不整脈の種類により異なります。発作性上室性頻拍・通常型心房粗動では90~98%、心不全や心筋梗塞など心臓に不整脈以外の異常のない患者さんに発生する心室頻拍、心室期外収縮、心房頻拍では80~95%で成功します。心房細動では、心房の大きさ、持続期間などによって60~95%と幅があり、成功するまでに2回以上の手術が必要な場合があります。
不整脈は症状によっては早急な治療が必要な場合も。
不整脈には、健康診断で偶然みつかるものや、突然の動悸、結滞など強い症状で気づくものなど、人それぞれでいろいろな場合で気づかれます。この不整脈は、症状を感じる人にとっては、これほど不快なものはなく、日常生活に多大な影響を与えますが、症状のない人にとっては日常生活に何ら影響をあたえず、何の不便もない方もおられます。しかし、不整脈によっては、すぐに治療を必要とする場合があり、正しい診断が必要です。
当院では、一般採血、検尿、レントゲン撮影の他、心電図、24時間心電図、運動負荷心電図、動脈硬化指標測定、心臓超音波検査、肺機能検査などを用い、的確な診断を行い、また、必要であれば、近隣の筑後市立病院、公立八女総合病院や、聖マリア病院などの提携病院にて、冠動脈CT検査や、心臓カテーテル検査を行っていただいております。不整脈治療に関しては、福岡大学病院の他、近隣病院での治療も行っており、患者さんの都合に合わせて選んでいただくことも可能です。
不整脈診療は、循環器領域のなかで最も幅広い知識が必要となる領域の1つです。心臓の解剖や基礎的な知識、種々の検査からはじまり、各疾患に対する薬物・非薬物療法,デバイス療法など基礎的な知識から最新の知識まで、幅広い知識が必要とさる不整脈診療を、スペシャリストである不整脈専門医として、分かり易く、懇切、丁寧、適切をモットーに診療にあたりたいと考えています。
不整脈専門医・内科専門医として皆様の”かかりつけ医(家庭医)”を目指します。
私が研修医の頃に最初に担当した患者さんが、不整脈の患者さんでした。若い方でしたが、不整脈が日ごろか多発し日常生活もままならない状態でした。その頃の主な治療法は薬物治療でしたが、あまり効果なく、何とか他に治療法がないかと色々調べ、カテーテルアブレーション治療にたどり着きました。カテーテルアブレーション治療は、まだ普及し始めた頃で、九州でもあまり多くは行われていない時代でしたが、自分のいた福岡大学病院は早くからカテーテルアブレーション治療が行われており、上司に相談したところ治療を行う事となり、その結果、あれほどみられていた不整脈はすっかり減少し、無事退院することができました。
日常生活に多大な影響を与える不整脈に対し、治療法として、薬物療法の他に、今回のようなカテーテルアブレーション治療、また他の疾患に対しては、ペースメーカーや植え込み型除細動器、心臓再同期療法など多岐にわたる選択肢がある不整脈治療に感銘を覚え、知識の研鑽をして参りました。
当院では、不整脈診療はもとより、高血圧、狭心症、不整脈、心臓弁膜症といった他の循環器疾患のみならず、"かかりつけ医(家庭医)"として、内科疾患全般にわたる幅広い疾患に内科専門医として対応し、懇切丁寧な診療を心がけております。
皆様に心から信頼され、安心できるクリニックになるべく、職員一同努力を重ねてまいります。健康や病気のことでわからない点や、お悩みの点があればいつでもお気軽にご相談ください。スタッフ一同、心よりお待ちしています。
- 患者さんが満足し安心できるよう、お一人、お一人に合った医療を丁寧にわかりやすい説明をもとに行ってまいります。
- 地域に密着した"かかりつけ医"として、最新の知見、科学的根拠に基づいた医療を提供します。
- 特に、循環器の分野においては、大病院と同レベルの外来診療を提供することを目標としています。