小児科専門医
地域のママを支え、子どもの健康を守る。「小児科・周産期診療」の専門医
2017/03/23
- 経歴
2006年東京女子医科大学卒。同大病院小児科に入局後、葛飾赤十字産院および東京女子医科大学母子総合医療センター(NICU)で研鑽を積む。数多くの早産児の診療に携わり、小児科専門医、周産期(新生児)専門医を取得。2016年に小児、新生児の診療を専門に行う「新大塚こどもクリニック」を開院した。自身の育児体験を生かし、健診や診療のほか、育児相談など子どもを持つ親のサポートにも注力している。
小さな赤ちゃんも安心して連れて行けるクリニックがオープン
まだ、オープンしてようやく3週間が経ったばかりなんです。以前は、小児科のなかでも小さな赤ちゃんの専門医として、葛飾赤十字産院や東京女子医科大学NICUで勤務していました。
新大塚駅前に開院したのは、私にとって馴染みある地域だったからです。生まれ育ったのが大塚で、今現在もこの街で4人の子どもを育てています。なので、近隣の環境や保育園、託児所の場所もすぐにわかりますし、私含めママさんたちがよく買い物するお店なども(笑)。こういった地域の情報は、かかりつけ医として子どもたちを診ていくうえでも欠かせない要素だと感じていたので、開院は地元でと決めていました。
当クリニックのテーマは、ママさんが赤ちゃんやお子さんを気軽に連れてこられるクリニックです。特色としては、病気の診療や予防接種、乳幼児健診ほか、早産などの赤ちゃんの発育や子育てのアドバイスも行なっています。
気になったらまず相談。専門医は子育てにも心強い味方
小児・新生児専門クリニックのメリットとは?
小児・新生児専門のクリニックというと、みなさんにとって、まだそれほど馴染みのあるものではないのかもしれません。出産した病院の小児科だったり、近隣の内科医院にお子さんを連れて行かれる場合が多いと思います。ただ、病院以外では、当クリニックのように赤ちゃんも専門に診療しているクリニックは少ないので、産院で出産されたママさんなど、必要とされている方は少なくないんです。
専門クリニックの安心いただけるところは、質の高い診療を望めるのもそうですが、ママさんが抱く疑問や心配事などへの的確なアドバイスだと考えています。子どもの発達や成長のなかで感じた疑問や心配など、病気の診療のみではなく、よりよい子育てに取り組んでいける情報をお伝えできる、それは専門クリニックならではですね。
ママが知っておきたい子どもの症状
子どもの風邪などで、夜に熱が出て、翌日の朝になるとひとまずは治る、そして、また夜が来るとぶり返すということがよく起こるんです。ここから、お子さんの体調の悪化を想定して診察を行うのが小児科医の基本になっています。ぜひ、これはママさんにも知っておいていただきたいですね。熱が一旦治ればもう大丈夫というイメージもあるかもしれませんが、より悪化させないためにも、翌朝に熱が治ってもしばらくは様子を見ることが大切です。
また、このような症状の変化は咳についても同じことがいえます。鼻水が多く夜に咳がひどくなる子どもでは、日中は鼻をかんだり咳をしたりしてノドにからむ鼻水や痰を自分で対処できます。しかし、咳の回数が減る夜になるとノドにからみやすくなる。そうなると、ときおりひどい咳をして、なかには嘔吐してしまう子どももいます。こういった場合、鼻水をこまめに取ってあげることと、お薬で鼻水を出しやすくしてあげて経過を見守っていきます。
治療まで期間が必要な子どもの病気だからこそ
診療の私のこだわりとしては、「お子さんの病気をわかってもらえるように説明していく」ことですね。どういうことかというと、風邪や胃腸炎などにしても、子どもの病気は長引きやすく、お薬を飲んでもなかなか改善しないという場合も珍しくないんですね。当然、本人はツラいし、ママもたいへん・・・。そんなときに、各症状で今後想定される経過をわかりやすいようにお伝えすることを大切にしていて、なぜ改善しにくいのか? この先症状がどうなっていくのか? など、病気が治るまでの流れで気を付けておきたいことも含めて説明しながらママさんのサポートを心がけています。子どもが病気になれば、働くママさんは仕事を早退したり休んだり。家族すべてにかかわることですから、症状は早くよくなるように、そしてママさんはしっかりとお子さんを見守れるようにしていくことが重要だと考えています。
早産や体の小さい赤ちゃんとママのために
また、最初のお話でも少し触れましたが、注力しているのが早産などで生まれた小さな赤ちゃんを持つママさんへのアドバイスです。私が専門にしている分野で、勤務医時代は、そういった赤ちゃんを診るNICUという集中治療室にいました。
早産児には、修正月齢という月齢の数え方があります。例えば予定より3ヶ月早く生まれたら、生後4ヶ月は修正月齢で生後1ヶ月。なぜそうするかというと、正期産で生まれた赤ちゃんよりも発達や成長が遅くみえる場合を考慮しています。例えば首がすわるのは通常生後3ヶ月ぐらいからですが、修正月齢を用いた早産児であれば、実月齢ではなく修正月齢の生後3ヶ月ですわっていればいいということです。
このように早く生まれたり、または体が小さかったりするお子さんの場合、子育てでも気にしておきたいことがいくつかあって、離乳食のタイミングや始め方や、保育園に入れるべきかどうかなどで、悩まれているママさんが少なくありません。でも、ご相談いただくことで解決することが多々ありますし、対策を練ることもできます。何か心配事があるママさんはぜひクリニックまでお気軽にお越しいただければと思っています。
めざすは、何でも相談できる“肝っ玉かあさん”
私が小児科医となり、新生児の専門医になったきっかけは、ずばり赤ちゃんが大好きだから。本当にそれがすべてで、思ったことや感情をまっすぐに表現する様子や、屈託のない笑顔を見ていると、今でもうれしくなってしまうんですよ(笑)。
ただ一方で、子育てはとてもたいへん。私自身医師と育児の両立で実感していますが、ときおりツラいと感じてしまうこともありました。でも、そんなとき、家族の支えやママ友との情報交換はとても心強くありました。
そんなたいへんで楽しい子育てを、地域のママさんやご家族と共有しながら、いっしょにお子さんの成長を見守れたら・・・、それが当クリニックをオープンしたきっかけです。まだあたらしいクリニックですが、あらゆるお子さんとママさんのお手伝いができる、地域の「肝っ玉かあさん(笑)」めざして、診療に取り組んでいきます。お子さんのかかりつけを探している、または育児で心配事があるママさんはぜひ、当クリニックにお越しください。