矯正歯科の専門医インタビュー (ひとみ矯正歯科医院)

矯正歯科

見えない・目立たない矯正治療「舌側矯正」を得意とする矯正歯科医

田村 仁美先生

2017/06/14

MEDICALIST
INTERVIEW
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ひとみ矯正歯科医院
田村 仁美 院長
Hitomi Tamura

  • 歯学博士
  • 日本矯正歯科学会認定医
  • WFO (World Federation of Orthodontists) Fellow
経歴
  • 1973年生まれ 兵庫県出身
  • 1992年 神戸海星女子学院高等学校 卒業
  • 1998年 福岡県立九州歯科大学 卒業
  • 1998年〜1999年 福岡県立九州歯科大学附属病院歯科矯正科 研修医
  • 2004年 福岡県立九州歯科大学大学院博士課程(歯科矯正学講座)修了
  • 2004年 日本矯正歯科学会認定医取得
  • 2004年〜2015年 公立法人九州歯科大学機能育成 制御学講座顎口腔機能矯正学分野 特別研修員
  • 2002年〜2017年 矯正専門医院(福岡市中央区)に非常勤歯科医師として勤務
  • 2004年〜 一般歯科医院の非常勤矯正担当医として勤務
  • 2017年3月 ひとみ矯正歯科医院 開院

目立たない矯正治療「舌側矯正」

目立たない矯正治療「舌側矯正」について

舌側矯正治療とは、上下の歯ともに裏側に装置が付いているものです。矯正治療は受けたいけれど目立つ矯正装置は人に見られたくない、という悩みを解決するのが舌側矯正治療です。他の人からは装置をつけていることがほとんどわかりません。 正面からは目立たないので、人目を気にせず治療に専念できるのが特徴です。

舌側矯正装置も様々な種類のものがありますが、患者様が快適に過ごせるタイプのものを選んでいます。裏側の装置の方が表側の装置よりも歯磨きはしにくいのですが、意外なことに虫歯になりにくいという研究報告があります。装置をつけて2〜3ヶ月はお食事やお話するときに装置が当たって違和感を感じることがありますが、どんどん慣れていきます。

また、上記で述べた上下ともに裏側に装置がついている矯正装置だけでなく、ハーフリンガルといって、上の歯は裏側に装置をつけて、下の歯は表側に装置をつけるものもあります。下の歯があまり見えない方であればほとんど装置をつけていることがわかりません。そして良い点として、上下ともに裏側の装置と比較して料金が安くなります。目立たないものがいいけど料金がちょっと・・・という方におすすめです。また下の歯は歯の移動方向や歯冠の高さによっては裏側の装置で動かすことが少し難しく時間がかかってしまう場合があります。その場合はご説明させていただいて、ハーフリンガルをおすすめすることがあります。

矯正治療の流れについて

当院では、①カウンセリング②精密検査③治療方法についての説明④治療開始⑤保定 の流れで治療を行っています。
①カウンセリング
気になっていることをお聞きした上でお口の中を診察いたします。 現状の問題点、矯正治療の必要性、治療開始時期、予測される治療期間、装置、費用を大まかに説明いたします。
②精密検査
診断のために必要な記録をとります。 お口の中とお顔の写真、歯型、レントゲン(セファログラム、パノラマレントゲン)撮影、 CT撮影(診断に必要と思われる場合)を行います。
③治療方法についての説明
精密検査の結果のお話と詳細な治療計画、装置、治療期間、費用について説明いたします。 治療計画は何通りかできることがほとんどですので、治療計画ごとの装置、期間、費用について説明いたします。
④治療開始
複雑な装置の場合は装置作成のための型取りを行います。装置完成後、装置をセットし歯を動かしていきます。 装置のセット後は3週から6週に1回来院していただき、装置の調整、お口の中のクリーニングを行います。
⑤保定
歯並び・噛み合わせ・口元が治療計画の目的の状態となれば装置を外します。 装置を外した後でも歯は動き続けますので歯の固定をしておくための保定装置をセットします。 保定装置のセット後は3ヶ月から6ヶ月に1回来院していただきお口の中のチェックとクリーニングをおこなっていきます。

矯正歯科治療の中でも特殊な技術と経験が必要な治療法「舌側矯正治療」

近年、舌側矯正治療を受けることのできる医院が少しずつ増えてきているものの、日本ではまだまだ舌側矯正は一般的とは言えません。私が大学病院で診療をさせていただいていた頃は特に大学病院ということもあって唇側矯正が主流でしたが、その頃から目立たない矯正装置がいいという患者様のご希望にお応えすることのできる舌側矯正治療にとても興味があり、こっそり舌側矯正の文献を読んだり、文献で発表されていた舌側矯正装置を歯に装着するための装置を見よう見まねで作ってみたりしていました。そして開院する前まで勤務していた矯正専門医院では数多くの舌側矯正治療の患者様を担当させていただいておりました。 今まで治療をしてきて思うのは、唇側矯正治療ができるからといって簡単に舌側矯正治療ができるわけではないということです。舌側矯正装置が起こす歯の移動は唇側矯正装置とは異なる独特の動き方をします。その独特なパターンを理解し予測して、歯の無駄な動きを省いていくことが良い治療に繋がると思っています。また、舌側矯正装置も様々な種類があり、それぞれに特性がありますし、日進月歩で改良されておりますので、講習会やセミナーに精力的に参加して常に最新の情報を手に入れるように心がけています。

舌側矯正治療を受ける患者様だけに限った話ではないのですが、患者様はみなさん多かれ少なかれ美しくなりたいということが心の奥底にあって、大決心されて矯正治療を始められたのだと思っています。 ですので、私は「治療中も美しく」をモットーに治療を行っています。治療中の装置も美しくなければならないというのが私のこだわりです。例えばワイヤーを結んでいる線の結び目も同じ長さに揃えて同じ方向に丁寧に織り込んで目立たなくします。結び目の位置はどこでもいい場合なら左右対称に(結び目の位置にも意味があります。)してなるべくスッキリ見えるようにしています。見えない舌側の装置でもいつもそうしています。とても小さいことなのですが、その方が患者様も快適ですし、基準となる同じ長さのものが並んでいることで、歯の位置の微妙なズレや非対称に気付きやすくなるという利点もあります。そういった小さなことの積み重ねもいい治療へと繋がっていくのだと信じています。

舌側矯正だけではなく、一般的な矯正治療も

当院では唇側矯正(表側)、マウスピース矯正(インビザライン)、小児矯正も行っています。 唇側矯正(表側)とは、上下ともに表側に装置が付いています。なるべく目立たないように白い装置、白いワイヤーを主に使用しています。表側の装置の方が裏側の装置より虫歯になりやすいという報告がありますが、歯磨きのしやすさは圧倒的に表側の装置の方が優れています。また、ワイヤーを止めておくゴムをカラフルなものにすることで矯正装置を見せて楽しむ患者様もいらっしゃいます。

マウスピース矯正(インビザライン)とは、マウスピースを2週間に1回交換していくことにより歯を動かしていく装置です。透明な薄いマウスピースですのでつけていても他の人からはほとんどわかりません。薄いため、つけ心地も良いですが、発音に若干の影響が出る場合があります。また1日につき20時間の装着が必要ですので、食事以外の時間は装着しておく必要があります。装置を外して歯磨きができることもメリットの一つです。

小児矯正とは、永久歯の歯並びが完成する前のお子様の矯正治療も受け付けております。お子様の矯正治療は永久歯列がうまく完成できるよう矯正装置を使って下準備をすることが目的です。お子様の矯正治療・装置はバリエーションに富むため、ご希望の方はぜひご相談ください。

矯正治療全般や舌側矯正に関して、何でもご相談下さい。

私自身も矯正治療を受けていたこともあり、歯並びでお悩みの患者さんの気持ちも分かりますし、矯正治療の大変さも理解できますので、可能な限り患者さんの負担や不安を取り除けるように、コミュニケーションを大事に診療を行っています。
一番大切にしている事は患者さんと歯科医師・スタッフがお互い心を開いてお話ができる事です。皆様が歯並びや咬み合わせを治してどんな風になりたいのかなど何でも教えていただけると嬉しいです。
特に舌側矯正自体を知らない患者さんもまだまだたくさんいらっしゃると思いますので、「舌側矯正って何ですか?」という相談でも構いませんので、お気軽にご相談下さい。
あと、私は乗馬が趣味で当院のロゴも馬が咥えるハミと手綱をモチーフにデザインしています。 乗馬ではハミと手綱で馬とコミニュケーションをとるので、矯正治療もお口を通して患者さんとコミニュケーションが取れたらいいな、という思いも込めています。