内視鏡検査の専門医インタビュー (あべクリニック )

内視鏡検査

大腸ポリープの摘出から痔・痔瘻の日帰り手術まで患者さんの悩みにすぐに応えるクリニック

阿部 秀樹先生

2018/01/22

MEDICALIST
INTERVIEW
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あべクリニック
阿部 秀樹 院長
Hideki Abe

  • 医学博士
  • 日本外科学会 専門医・指導医
  • 日本消化器外科学会 専門医・指導医
  • 日本肝胆膵外科学会 評議員・高度技能指導医
  • 日本がん治療 認定医
  • 日本医師会認定 産業医
経歴
  • 1987年 山形大学医学部 卒業
  • 1999年 東京大学大学院博士課程 卒業
  • 東京大学医学部肝胆膵外科(旧第二外科)助手(医局長)
  • 癌研究会付属病院 外科医員
  • 富山大学(旧富山医科薬科大学)第二外科講師
  • 茨城県立中央病院・地域がんセンター外科部長
  • ときとうクリニック内視鏡センター長 を経て
  • 2017年10月 あべクリニック 開院

30年以上の経験を有する消化器外科専門医が開業したクリニック

私は消化器専門の外科医として、これまで30年にわたって地域の総合病院、基幹病院で肝臓・胆道・膵臓の手術を中心に医療をおこなってきました。これら臓器の疾患は発見が難しく、特にがんが発見された場合、とても難易度の高い手術をおこなわなければなりません。私自身、時には十数時間に及ぶ手術をおこなったりと、難しい手術に長年臨んできました。そして私は病状が進行して困難な手術になる前に、患者さんの最初の窓口となる地域の一次医療でもっと早期に病気を見つけることができないかと考えるようになったのです。

患者さんが最初に訪れるクリニックではじめから基幹病院に近い体制で検査・診断ができれば地域の皆さまの健康に必ず役立つはず。そう考えて私はこのクリニックを開業しました。消化器の検査で最も有効な内視鏡はもちろん、超音波検査(エコー)そしてCTを備えて患者さんに必要な検査をより早くおこなっていただける体制を整えています。また長年の消化器外科医としての経験を活かし、肛門の日帰り手術もおこなっています。何ごとにおいても患者さんの悩みに迅速に応えられるクリニックを目指しています。

大腸カメラと大腸CTのそれぞれのメリットとデメリット

阿部秀樹院長

大腸カメラは痛い、苦しい。そんなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。近年のカメラ、鎮静、そしてカメラの操作をおこなう医師の技術の進歩で大腸カメラの苦痛は以前より随分少なくなりました。しかし大腸カメラの感じ方は個人差がとても大きく、検査中の痛みで検査を断念される患者さんも中にはいらっしゃいます。そんな時当クリニックでは大腸CTにきり変えて検査をおこなうことが可能です。大腸CTは腸内に二酸化炭素を入れるため少し膨満感がありますが、痛みは全くありません。二酸化炭素もすぐに腸で吸収されるため大腸カメラに比べると患者さんにとってとても楽な検査です。

それなら最初からCTでということになりますが、CTは残念ながら検査精度で大腸カメラに及びません。ポリープでいうと、CTでは5mm以上の大きさにならないとなかなか発見できませんが、大腸カメラなら2〜3mmのポリープも見つけられます。また、最近若い世代に多い潰瘍性大腸炎やクローン病など、ポリープではなく腸内に炎症が起こっている場合など、大腸カメラでは色で判別できるのですが、CTでは全くわかりません。またポリープがあった際には大腸カメラはそのまま摘出もおこなえます。大腸の検査という意味ではやはり大腸カメラを使うのが最も有効な手段なのです。

内視鏡、CT、エコーとあらゆる検査機器を駆使しての迅速診断が大切

阿部秀樹院長

しかし大腸カメラも決して万能ではありません。大腸カメラは一度大腸の一番奥までカメラを入れてから、ゆっくりと引き抜いていく過程で腸内を観察しています。ご存知の通り腸の内壁にはひだがあります。カメラが後退しながら観察しているということは、ひだの奥側の面が見にくいということ。ひだに隠れて患部を見落としてしまうということもありえます。またカメラである以上腸管内腔の観察はできますが、狭窄で腸管を通過できない場合、その原因がわからない場合もあります。その点CTでは腸の外壁や周辺も見ることができますので、大腸カメラでは発見できなかった疾患がCTで見つかる場合もあります。

もそも患者さんにとって大腸カメラの苦痛で大きいのは、実は検査前に飲む1.5リットルの下剤だという方もいらっしゃいます。この下剤はCT検査の場合も必要なのですが、その場で大腸カメラからCTに切り替える場合はもう一度飲む必要はありません。この辛い下剤を飲むということを別の機会に繰り返すことなく一連の流れの中でできるのが、大腸カメラと大腸CTの両方がある体制の強みなのです。

さらに私が消化器の診断で重要視しているのが超音波検査(エコー)です。エコーは大腸カメラのように痛みもなく、CTやレントゲンのように被ばくもありません。小さなお子さんや妊婦さんにも使用可能で、とても安全な検査機器です。そして胃カメラ、大腸カメラでは見ることのできない、消化管以外の臓器も観察することができます。私は肝胆膵の外科専門医として、検査ではもちろん手術中でもこのエコーを多用してきました。エコーは安全で簡単な検査機ですが、その一方で、検者の技量により画像の再現性が乏しいとされています。私はこれまでの経験を活かし、エコーを聴診器のように活用して、皆さまの病気の早期発見に努めていきたいと思います。

大腸カメラによる診断から肛門の治療までをシームレスに

健康診断の大腸がん検診などで、便潜血(目には見えないが便に血が含まれている)や下血(目に見えて便に血が混じっている)を指摘された方はその原因をしっかりと究明しておかなければなりません。この場合、大腸カメラを用いて疾患を見つけるのが最も有効な方法です。便潜血、下血の背景にはがんやポリープがあることが多く、大腸カメラでがんが発見されれば、一刻も早く専門病院での治療を開始する必要がありますし、ポリープならばその場で内視鏡による切除も可能です。

便潜血、下血の原因ががんやポリープなどの腸の疾患ではなく、痔や痔瘻(じろう)などの肛門の疾患の場合もあります。一般的な消化器内科では、大腸の検査をおこなって異常が無ければ、痔や痔瘻が疑われ肛門外科を紹介されるという運びになります。私は外科医で、肛門外科も標榜しておりますので、肛門の診断も大腸の検査と一緒におこなっています。肛門の問題となればそのまま当クリニックで治療へ。ここでも患者さんの悩みにすぐに答えられるようにしています。

毎日忙しい人が悩む痔、痔瘻などの肛門の疾患

当クリニックは川﨑崎駅前という繁華街にあり、訪れる患者さんも周囲のオフィスにお勤めの方の割合がとても多いです。そして毎日忙しく過ごされる方々の中には肛門のトラブルを抱えた方が本当に多いというのが開業してからの私の印象です。患者さんの悩みで一番多いのは、痔イボ痔やキレ痔や痔瘻による痛みです。痔瘻は人体の内側と外側から始まる胎生が接着したギザギザの部分(肛門の少し内側で歯状線と呼ばれる)に細菌が侵入して起こります。痔瘻はイボ痔やキレ痔と同じく、毎日忙しい方が時間に追われて排便異常があると肛門に負担がかかって起こりやすい病気です。当クリニックではこれら肛門の疾患の日帰り手術をおこなっており、多忙な方々のニーズに応えられる治療をおこなっています。手術をお勧めするとすぐに決断される方が多いです。

日帰り手術は、朝に来院していただき午前中に手術をおこないます。手術では硬膜外麻酔をおこないます。これは足も動き、意識もある状態です。肛門だけに効くようにおこなうのですが、これは尿路にも効いてしまいます。手術後は3〜4時間バックベッドで十分休養していただき、トイレでお小水が出るのを確認してからの帰宅となります。また、帰宅されてから服用していただく薬や痛みがひどくなった場合の痛み止めをお渡しします。翌日来院いただき、手術後の状況を確認します。問題なければ翌々日から体に負担のかからないデスクワークならお仕事も可能です。

院内風景

開業から短期間でも多くの重大疾患を発見

開業から間もない当クリニックですが、思いのほか多くの患者さんの疾患を見つけるに至っています。医師がよく「少し様子を見ましょう」というように病気の中には時間をかけなければわからないものもあります。しかしもし疑いがあるのなら、あらゆる手を尽くして早期に病気の原因を究明して診断をおこなうのが当クリニックの考え方です。

長期に続く膨満感から総合病院では便秘と診断された若い世代の患者さんにエコー検査をおこなったところ、がんが見つかったという例が既にあります。また腸の違和感による食欲不振で、他院で心因性を疑われた患者さんが当院での検査でとても珍しい大腸と小腸の疾患である可能性が出てきました。これらの疾患の発見は視点を変えたからこそできたもの。患者さんとどこまでしっかりと向き合ってお話しすることができるかで、診断は大きく変わってきます。私自身総合病院での勤務医時代には、患者さんと向き合ってお話しする時間を十分に取ることはできませんでした。一人ひとりの患者さんとしっかり向き合えるクリニックで充実した設備によって検査・診断がおこなえること。それが私の目指すこの地域での医療のあり方なのです。