狭心症の専門医インタビュー (ざいつ循環器・内科)

狭心症

循環器専門医による正確・適切な判断で、狭心症を早期発見・治療

戝津 龍二先生

2017/11/15

MEDICALIST
INTERVIEW
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ざいつ循環器・内科
戝津 龍二 院長
Ryuji Zaitsu

  • 医学博士
  • 日本循環器学会認定循環器専門医
  • 日本外科学会外科専門医
  • 日本外科学会認定医
  • 日本医師会認定産業医
経歴
  • 平成6年 福岡大学医学部卒業
  • 平成20年2月 ざいつ循環器・内科 開院

狭心症は日本人の三大死因の一つ

日本人の三大死因の一つ「狭心症」についてインタビュー

狭心症とは、常に休むことなく体中に血液を送るポンプの役割をしている心臓へ、酸素や栄養を運ぶ冠動脈が何らかの原因で狭くなり心臓の隅々まで十分に血液が行き渡らなくなって起こる疾患です。

狭心症には、冠動脈硬化により冠動脈が狭くなり発生する「労作性狭心症」と、冠動脈の痙攣によって血流が低下する「冠れん縮性狭心症」という症状があります。 狭心症自体は血管が狭くなるものの詰まっているわけではないため、安静にすることにより症状が軽減します。 しかし、それで安心してしまって検査や治療せず放置してしまうと、次第に病状は重症化し、皆さんがよく耳にする心筋梗塞を引き起こし死んでしまうこともあります。 この心筋梗塞は冠動脈の一部が詰まってしまい、心臓はその血管から栄養を得ているため、その栄養が届かず心臓の細胞(筋肉)が死んでしまいます。 心臓の死んだ細胞(筋肉)は元に戻らず、心臓の動きが悪くなり、体に血液を充分に送ることが出来ず死に至ることがあります。 狭心症の次の段階が心筋梗塞ということです。狭心症と心筋梗塞をまとめて虚血性心臓疾患と言います。

胸の痛みだけが狭心症の症状ではない。様々な症状を持つ狭心症の症状について。

狭心症の症状について説明

狭心症の症状として動悸・息切れ・胸の痛みの3大症状があります。 狭心症の発作で胸が痛くなるときは、心臓が一時的に虚血となることから、胸全体が締め付けられるような痛みが生じます。胸の痛みのほかに胸の圧迫感、息苦しさ等があります。 急激に激しい痛みが発生するのではなく、徐々に痛みが強くなるのが狭心症の症状の特徴です。 初めは痛みとして自覚しないこともあります。 胸痛以外の症状が現れることもあります。

心臓の病気なので狭心症は心臓が痛むものだと思いがちですが、狭心症の症状として胸以外に発生することがあります。 左肩や左腕が痛かったり、胃の辺りが重たい、喉が詰まるという症状や、あごや歯などに強い痛みを感じることもあり、虫歯と思って歯医者へ間違って行く人がいるぐらい、これらの症状を狭心症とはわからない場合もあります。 このような痛みを放散痛と言います。放散痛が起こるケースは多くはありませんが、放散痛だけ自覚されるケースもあります。

狭心症の原因と予防

狭心症の原因と予防について説明

狭心症は、不規則な生活習慣や加齢などが原因となっています。 不規則な生活習慣や加齢などによって冠動脈の血管壁にコレステロールが溜まり、血液が流れにくくなります。 血管狭窄の原因の大多数は、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、高血圧などによって引き起こされる動脈硬化(どうみゃくこうか)です。そのほかに血管けいれんも血管狭窄の原因となります。 狭心症の発作を予防するには、一番は動脈硬化を予防することが大事です。 動脈硬化を予防するには、下記が必要です。

  • ・禁煙
  • ・食生活の改善(バランスの良い食事)
  • ・適度な運動
  • ・ストレス解消

禁煙

喫煙は狭心症にとって非常に大きなリスクです。 タバコを吸うと、血管を収縮させるだけでなく、コレステロールや中性脂肪の酸化が進み、動脈硬化を促進するからです。 またタバコを吸うことにより、血圧が上がり脈拍が増え、狭心症の原因となる心筋への負荷が増えてしまいます。 なかなかタバコをやめられない方は、禁煙外来を受け、しっかりと改善させましょう。

食生活の改善(バランスの良い食事)

近年の欧米型の食事の普及により生活習慣病に罹る方が増えてきました。 肉類や揚げ物などの高カロリーな食事や塩分の濃い食べ物、コレストロールの多い食べ物などです。 狭心症を予防する為には、塩分・脂肪分・糖分の過剰摂取を抑えることが大事です。 食生活には十分に注意する必要があります。バランスの良い食生活を心がけましょう。

適度な運動

日々の生活の中に適度な運動を取り入れましょう。 激しい運動ではなく、息が上がらない程度のウォーキングなどの軽めの運動を30分程度、週3〜4回行うことにより、動脈硬化・狭心症の予防になります。 適度な運動は、すべての生活習慣病の改善につながります。 また、すでに動脈硬化などが進行している方は、運動そのものが狭心症や心筋梗塞のリスクとなることもあるので必ず医師に相談してください。

ストレス解消

心臓への負担は、激しい運動などといった身体的な負担だけでなく、ストレスや過度の緊張によって精神的なことも負担になります。 また、人間関係や職場での強いストレスが続くと、血圧が上がったり、飲み過ぎ食べ過ぎによって肥満や糖尿病などの生活習慣病にもなることもあります。 まずは自分のストレスを把握し、自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。 温泉やマッサージなど、リラックスすることもストレス解消につながります。 適度にストレスを発散できる環境を作ることも大切です。

狭心症の検査と治療

狭心症の検査には、

  • 心電図検査
  • 運動負荷心電図検査
  • 心臓エコー検査
  • 心臓カテーテル検査
  • ホルター心電図
  • 血液検査
などがあります。

狭心症の治療に関しては、基本的には薬物治療です。薬物治療は欠かせません。 血液をサラサラにし流れをよくする薬や心臓の血管を広げる薬、心臓の負担を減らす薬などあります。 検査結果によってはステント治療や風船などのカテーテル治療も必要になってきます。 当院では、狭心症の状態によっては連携先の病院へ緊急搬送する場合もあり、搬送先の状況がありますので、発作が出た場合は我慢せず、なるべく早くご来院ください。

循環器疾患を専門として内科全般の診療も

私は循環器専門医ですが循環器内科を専門に内科の診療を行っていますので、狭心症の検査・治療だけでなく、予防や治療後の生活習慣の改善指導も行っています。

高血圧や高コレステロール血症などの生活習慣病・メタボリックシンドロームから、動悸や息切れなどの症状まで幅広く対応いたします。 スタッフ全員、患者様に心より安心して頂けますよう親切で心のこもった医療サービスを心がけています。お体に関する疑問や気になることなど、何でもお気軽にご相談下さい。

日中に時間がとれない方、仕事帰りに診療を受けたい方に受診していただける診療時間を実現していきたいと考えております。 火・金曜日は夜20時まで診療しておりますのでどうぞお立ち寄りください。 よろしくお願い致します。