内視鏡検査の専門医インタビュー (シモキタクリニック)

内視鏡検査

外科の専門医がめざした医療のカタチ。「全人的医療」をテーマにしたクリニックを開院し地域の健康を支える

渡邉 友美先生

2017/04/19

MEDICALIST
INTERVIEW
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シモキタクリニック
渡邉 友美 院長
Tomomi Watanabe

  • 社団法人日本外科学会 外科専門医
  • 一般社団法人日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
  • 日本医師会認定健康スポーツ医
  • 日本医師会認定産業医
経歴
2000年、金沢医科大学医学部卒業。杏林大学第一外科入局後、東京都老人医療センター(現:健康長寿医療センター)外科、国家公務員共済組合連合虎の門病院 上部消化器外科、医杏林大学医学部付属病院 消化器・一般外科で外科医としての研鑽を積む。その後、医療法人社団あんしん会四谷メディカルキューブきずの小さな手術センター 外科では内視鏡手術に携わり、消化器内視鏡専門医となった。外科専門医として研鑽を積むなかで、「患者を長期サポートできる医療環境」、「健康の重要さの啓蒙」の重要性を実感し、2016年3月「シモキタクリニック」開院。

外科医キャリアを通して実感したクリニックのあり方とその重要性

院長先生インタビュー

これまで、外科医として複数の病院で研鑽を積んできました。杏林大学第一外科への入局後は、東京都老人医療センターや虎の門病院、杏林大学医学部付属病院で勤務。その後の四谷メディカルキューブ きずの小さな手術センター外科では、内視鏡外科医としてさまざまな外科治療に携わりました。

勤務外科医を経て、当クリニックを開院した理由はふたつあります。ひとつは、がん患者さんの治療を通して実感したこと。大学病院時代のお話ですが、がんで入院する患者さんは比較的若い方が多いんです。そして、若い方であるほど、家族と一緒に過ごしたいと自宅療養を望まれる傾向に。そこで、できれば私もご要望通りにと考えたのですが・・・、当時、在宅に切り替えるのは難しいことでした。しかし一方で、入院が長引けばご家族の心労や経済的負担も増してしまう。そこをなんとかできないかという思いがありました。

もうひとつは、「健康の維持の大切さ」ということ。四谷メディカルキューブ時代でした。肥満症の内視鏡外科治療に携わり、手術を通して日増しに健康である重要性を意識するようになっていったんです。肥満は、糖尿病や高脂血症、骨粗鬆症、高尿酸血症など数多くの病気の引き金になりますが、当然ながら誰しも最初から肥満だったわけではありません。聞けば、学生時代や社会でのストレス、または職業柄など、なんらかの理由で至っている。であれば、肥満症になる以前から介入し、啓蒙やサポートを行っていくことも医師の役目ではないかと。

そうして、身近な開業医として、患者さん、ひいては健康に心配事がある人、一人ひとりの相談に乗りながら健康に寄与していきたい。また、病気の早期発見・早期治療に尽力したいという思いが強くなり、2016年3月に開院したのが総合内科的な診療を基礎とする当クリニックでした。

めざしたのは“誰もがなんでも相談できる”クリニック

クリニックについて

当クリニックは、「健康や病気のことなら、誰もがなんでも相談できる場所」とイメージしていただければわかりやすいかと思います。

診療対象は、風邪やインフルエンザ、花粉症などの内科全般、きず・けが、またはそれらを起因とする細菌感染症などの小外科領域、生活習慣病の診断や治療・検査、そして消化器疾患の検査とさまざま。加えて、医療機関への通院が難しい方や家庭で療養されている方などを対象に訪問診療も実施しています。

来院患者さんは20代〜30代の若い方が多く、一方の訪問診療では80代後半からなかには96歳の方も。ありがたいことですが、幅広い年代の患者さんを担当させていただいています。

患者の健康をサポートする3つの特色 その1「検査体制」

検査体制について

診療対象の広さに加えて、当クリニックには3つの特色があります。「検査体制」、「専門医との連携」、そして「訪問診療」です。

「検査体制」は、私の専門のお話でいえば、内視鏡検査でわかる病気はさまざまにあります。がんでいえば、「喉頭がん」、「咽頭がん」、「食道がん」、「胃がん」。消化器疾患では、「逆流性食道炎」や「胃食道逆流症」、「胃炎・胃潰瘍」、「十二指腸潰瘍」など。昨今、胃がんでは、その原因となる“ピロリ菌”に注目が集まっていますが、内視鏡と病理検査、または内視鏡とABC検診というヘリコバクター・ピロリ感染検査の人間ドックも実施していて、通いやすいクリニックでの専門的な検査は、皆さんにご安心いただいています。

ただ、内視鏡をはじめ各種検査にしても、やはり受診していただけなければ意味を成しません。そこで、まず検査そのものを身近に感じていただけるよう、当クリニックでは「コイン検診」という簡易検査も実施。例えば“貧血が気なる”だったり、“コレステロールが気になる”だったり。また、“糖尿病が心配”などといった方のための血液検査です。

貧血であれば赤血球やヘモグロビンなど、コレステロールでは総コレステロールやHDLなど、糖尿病では血糖値やHbA1cというように、気になる部分の結果のみを知ることができます。対象を絞ることで、極めて負担の少ない料金設定にしているので、患者さんは気軽に健康状態を把握することができます。ママさんや個人事業主の方は、なかなか健康診断や人間ドックを受ける機会がないと思われますので、そういった方々の健康の一助となるようにメニューを設けました。

その2「専門医との連携で築く包括的な医療提供基盤」

専門医との連携で築く包括的な医療提供基盤について

「専門医との連携」では、その言葉通り、地域のさまざまな専門医の先生と連携体制を築いています。病気という自覚がなければ、患者さんがまず通うのは当クリニックのように間口が広いクリニック。それを考えれば、複数のクリニックが協力し、包括的な地域医療環境を整えていくことが、病気の早期発見・早期治療もとより、患者さんの生涯の健康と安心にもつながると考えています。

近隣には循環器科や整形外科など、各分野で確かな実績を持つ先生方がいらっしゃり、また、それぞれの先生が病診連携を整えられていますので、よい環境が築けていると実感しています。

その3「訪問診療で地域の健康をサポート」

最後の「訪問診療」は、「担当した患者さんは、最後まで責任を持ってサポートしたい」と勤務医時代から感じていた私のこだわりの部分。そして、地域に根ざすクリニックとしてとても重要な分野だと感じています。

意外に思われるかもしれませんが、下北沢は高齢者の方も多く住んでいます。住み慣れた家で治療に専念したいという方々もいらっしゃり、サポートに取り組んでいます。

訪問診療は、主にふたつのパターンに分かれます。通院は困難だけど比較的元気な患者さんに対しては、月に1度ほど具合を聞いたり、血圧を測定してお薬を調整したりなどの検査・治療を行い、普段のクリニックと変わらない診療を行っています。診療の大半が患者さんとのおしゃべりになることもありますが、そういった時間もとても大切にしています。もう一方の、がんで終末期や老衰の患者さんの場合では、カテーテル管理や皮膚管理、ストーマケアをはじめ、訪問看護師やヘルパーさんなどと連携体制をとり、週に1〜数回ほど、在宅緩和ケアを実施。病院での入院と変わらない医療環境を在宅で整えています。

待合室

元気なときの健康意識が生涯の健康を支える

クリニックの外来では、若い方が多いのもあり、他愛もない会話になることも。でも、私としてはよい傾向に感じていて、患者さんにも「症状がないときでも何か心配事があれば相談してね」と、伝えているんですよ。一人ひとりの元気な状態や病歴を知っておくことは、本当に状態が悪いときの的確な診断につながりますし、またそれ以前に、一人でも多くの方に健康の大切さを知ってほしい。そう思っています。

時々、若い患者さんから“お母さん”と思われているんじゃないかと感じることもありますが(笑)、誰に対しても気兼ねないクリニックであるように、これからも環境づくりや診療に取り組んでいきたいですね。

働き盛りの方から高齢者の方、またはお子さんの症状でお悩みのママさんなど、あらゆる年代やステータス、そしてどんな症状でもまず来院できるクリニックをこだわりにしています。お近くにお住いの方で何か心配事があれば、ぜひご相談ください。