内視鏡検査の専門医インタビュー (西葛西消化器内科クリニック)

内視鏡検査

怖がる必要はない!?痛くない内視鏡検査でがんを未然に防ぐ

石川 寛高先生

2017/01/12

MEDICALIST
INTERVIEW
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西葛西消化器内科クリニック
石川 寛高 院長
Hirotaka Ishikawa

  • 日本内科学会 認定内科医
  • 日本内科学会 総合内科専門医
  • 日本消化器病学会 消化器病専門医
  • 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡学会専門医/指導医
  • 日本消化器内視鏡学会 関東支部評議員
  • 日本肝臓学会 肝臓専門医
経歴

2004年、長崎大学医学部医学科卒業。熊本赤十字病院で初期研修を修了したのち、慶應義塾大学病院や関連の基幹病院で内科、消化器内科を担当する。2011年にがん研有明病院消化器センター(内視鏡診療部)に入局、トップレベルの内視鏡技術と内視鏡診断学を習得する。その後、消化器がんの早期発見を目指した内視鏡専門クリニックを開設しようと強く思い、2016年5月「西葛西消化器内科クリニック」を開院した。

“西葛西消化器内科クリニック”開業のきっかけ

内視鏡専門医 石川先生

クリニックを開設する前に5年間在籍したがん研有明病院は、国内屈指の症例数と治療実績を誇るがん専門病院です。国内だけでなく、世界中から早期がん・進行がんを問わず、様々な症例が集まってきますので、密度の濃い環境で非常に多くの経験を積むことができました。

その中で検査の重要性を改めて実感するようになったのですが、若い人たちは、自分には関係ないと思っている人が多いため検査を受けない人がほとんど。この習慣を変えたい、もっと世間に検査の大切さを啓蒙したいと思い、小回りの利くクリニックで専門病院レベルの検査を提供することができる環境を作ろうと思ったのがきっかけです。

“西葛西消化器内科クリニック”のコンセプト

西葛西消化器内科クリニックの受付・待合室

内視鏡検査を若い世代の方にも受けてもらいたいので、院内に流れるBGMやアロマの香りにも気を配っています。全体のトーンも白やアースカラーを基調とした落ち着いた色調でまとめ、病院にありがちなイメージを払しょくするような「癒し」の空間にしています。

院内デザインの担当が女性だったこともあり、院内の随所に女性の目線が活かされているのも特徴です。トイレは女性専用を含め、院内の3か所に設けてあり、内視鏡検査後にお化粧直しに利用できるパウダースペースもあります。 こうした工夫により、特に女性の大腸内視鏡検査に対する抵抗感が少しでもなくなるといいなと思っています。

実際に開業をしてみると、当院で内視鏡検査を受ける約30%の人が30歳以下という数字。これにはとても驚きました。全体的に若い方の来院が多く、クリニックのコンセプトが若い層の方々にもきちんと伝わり、受け入れられているといううれしい結果が出ています。

早期発見には若いうちからの定期検査が重要

クリニックの診察室

一般的に内視鏡検査というと、「辛い」「苦しい」検査だと思っている方が多いので、積極的な定期検査につながらないというのは仕方がないのかもしれません。 特に一度でも「辛い」「苦しい」検査を経験してしまうと、トラウマになって、その後なかなか病院に足が向かなくなってしまうのは当然のことですから、その患者さんにとって初めての内視鏡検査を担当する医師の責任は重大です。

当院は、初めて内視鏡検査を受けるという若い患者さんが多いので、内視鏡検査に対してマイナスのイメージを持たれることがないように特に気を遣っています。 具体的には、鎮静剤を適切に使って、検査の苦痛を限りなくゼロにしています。患者さんに苦痛がないため、検査をする側も落ち着いて検査することができるので、結果的に検査の精度が高くなります。

検査の精度は高く、楽に検査ができたというイメージを持ってもらえれば、軽い症状が出た時に気軽に相談をしやすい環境づくりができるのではないかと思っています。だからこそ、一回目の検査は特に気を遣っています。

胃がんの原因はピロリ菌?

ピロリ菌のイメージ

胃がんの原因のほとんどがピロリ菌感染です。ピロリ菌に感染している人すべてが胃がんになるわけではありませんが、感染していない人に比べると20倍以上リスクが高いといわれています。

ピロリ菌は胃酸の分泌が未熟な5歳までに感染するので、大人になってピロリ菌がいなかった人は、その後にピロリ菌に感染することはほぼありません。 ピロリ菌に感染していることがわかった場合は、お薬による除菌治療を行います。除菌をすることで、胃がんになるリスクは下がりますが、ゼロにはならないため定期的な内視鏡検査が重要なのです。

上下水道が整備され、衛生環境が改善されたことによりピロリ菌保菌者は減ってきていますが、胃がんにならないためにも若いうちに一度ピロリ菌に感染していないかどうかを調べておくことはとても大切です。

日帰りでできる大腸ポリープの手術

クリニックの内視鏡検査室

大腸がんのほとんどは、腺腫といわれる良性腫瘍が、悪性化したものです。 腺腫とは一般的にポリープと呼ばれているもので良性のものですが、遺伝子変異が起こると、癌化します。ですので、良性の腺腫の状態であらかじめ切除することでほとんどの大腸がんは未然に防ぐことができます。

当院では、2センチ以下のポリープであれば積極的に日帰り手術で切除を行っています。 ただし、拡大観察や色素散布を行い、十分に観察を行ったうえで、良性なのか悪性なのかを判断し、悪性であれば、どれほど深い状態であるかを総合的に診断し、過不足なく切除ができる病変のみを対象としています。

またこれまでの経験から日帰りでも安全に切除ができると診断したもののみを対象にすることで、偶発症が起きないように細心の注意をはらっています。 特に多忙なビジネスパーソンの方にとって、ポリープを切除するために改めて数日間入院することは難しいし、新たに入院費用も必要になります。そうした方々にご好評をいただいています。

これまでの経験が生きていること

内視鏡検査を行う石川先生

がん研有明病院に在籍していた期間に、本当に多くのことを勉強させていただきました。それまでも、内視鏡検査や治療に携わっていたのですが、がん研に入職してみたら、そのレベルの差に驚きました。がん研の教えの中で最も心を打った言葉があります。『内視鏡医の立ち居振る舞いは美しくなければならない』という言葉です。

内視鏡治療では、出血が激しい症例などもあります。そんな時こそ動揺せずに落ち着いて、治療にあたらなければ当然、仕上がりの美しい丁寧な治療をすることはできません。ですから、困難な場面に遭遇した場合も落ち着いた対応ができるように検査の段階から常に技術と精神面を磨いておくようにと教わりました。こうした教えを胸に多くの患者さんの検査や治療にたずさわった経験が、僕の財産となっています。

当院で行う内視鏡検査では、基本的には一人につき40-50枚ほどの写真を撮っています。一枚一枚患者さんに説明してからキーフィルムを付けた所見用紙をお渡しています。 この所見用紙は医療機関に紹介する際に使用する書式と同じものですが、専門的な用語もあるため、コメント欄でわかりやすい言葉で説明書きをするようにしています。 当院は地域のクリニックですが、大きな病院とそん色ないレベルの検査や治療を提供できるようなクリニックを目指して頑張っています。

西葛西消化器内科クリニックの院内

皆様へのアドバイス

がんは自覚症状が出てからでは遅い場合があります。少しでも体の不調を感じたら、早めに相談にいらしてください。体の不調がなくても、やはり定期的に検査を受けることをお勧めします。病気の早期発見のためには、やはり定期検査が大切です。早期発見ができれば身体に負担の軽い治療法も選択できますし、完治も望めますので。当院の内視鏡検査や治療は苦痛なく、行うことができますので気軽に相談に来ていただければと思います。