内視鏡検査の専門医インタビュー (水野胃腸クリニック)

内視鏡検査

のどの奥から肛門まで切れ目なく消化管を診察する消化器内視鏡の専門医

水野 滋章先生

2017/11/06

MEDICALIST
INTERVIEW
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水野胃腸クリニック
水野 滋章 院長
Shigeaki Mizuno

  • 日本内科学会 認定医
  • 日本内科学会 指導医(大学退職まで)
  • 日本消化器病学会 認定専門医
  • 日本消化器病学会 指導医(大学退職まで)
  • 日本消化器内視鏡学会 専門医
  • 日本消化器内視鏡学会 指導医
  • 日本消化器がん検診学会 認定専門医
  • 日本消化管学会 胃腸科認定医
  • 日本消化管学会 専門医
  • 日本消化管学会 指導医
  • 日本がん治療認定医
  • 日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医
  • 日本カプセル内視鏡学会 専門医
  • 日本カプセル内視鏡学会 指導医
  • 日本医師会 認定産業医
  • 東京都認知症かかりつけ医研修修了
  • 日本消化器内視鏡学会 評議員、関東地方会評議員
  • 日本消化器病学会 学術評議員、関東地方会評議員
  • 日本消化管学会代議員、専門医制度審議委員会委員
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
経歴
  • 日本大学医学部卒業
  • 日本大学医学部 第三内科(現消化器肝臓内科)
  • 日本大学大学院医学研究科内科学卒業 医学博士
  • 東京都保険医療公社 東部地域病院 内科医員
  • アメリカ国立衛生研究所(NIH)/国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK) 研究員
  • 春日部市立病院 内科医長・内視鏡室室長
  • 日本大学医学部総合健診センター 内科医員
  • 日本大学医学部附属板橋病院 消化器肝臓内科科長、内視鏡室室長
  • 日本大学医学部 内科学講座消化器肝臓内科学分野 准教授
  • 日本大学医学部兼任講師

日常生活へのアドバイスも積極的におこなう消化管に強い地域の内科かかりつけクリニック

水野胃腸クリニックの受付

私は現在この東久留米の街で「水野胃腸クリニック」を開業し、地域の皆さまの健康と長寿をお手伝いすることを目指して医療に取り組んでいます。私はこれまで大学病院やその関連施設で、消化器内科を専門に外来、入院患者さんの診療、後進の指導、研究に携わってきました。そして私は、一人ひとりの患者さんとより深く関わり、「安心して受けられる医療」「安全な医療」「丁寧な診療と説明」を地域で実践できるクリニックをつくりたいと考えて現在に至っています。

私は消化器内科の専門医として、消化管(食道、胃、腸、肛門)の症状・病気について多くの診療や研究を経験しています。また上部消化管内視鏡(胃カメラ)、大腸内視鏡についても専門医として多くの検査をおこなってきました。これら専門分野の診療に関しては高度なレベルの医療を身近に受けていただけるようにしています。また大学や企業での健診センター、診療所・クリニックでの内科医としての診療も継続しておこなってきました。健診・検診での異常等、一般内科の症状・病気についても丁寧に診療させていただきます。高血圧症、脂質異常症、高脂血症、糖尿病、高尿酸血症などの生活習慣病について、アレルギー性鼻炎、花粉症、肝障害、骨粗鬆症、感冒、インフルエンザ、不眠症、その他一般内科の症状・病気について、薬を使った適切な治療と日常生活へのアドバイスで皆さまの健康に貢献していきたいと考えています。

胃がん、食道がん、大腸がんは内視鏡検査による早期発見、早期治療を

内視鏡検査の診療風景

胃がん、食道がん、大腸がんは、ご存知の通り人の命に関わる恐い病気です。しかし、早期に発見することで、内視鏡治療や手術をすることで治癒することも多いがんです。ぜひ内視鏡検査でこれら消化管の病気を早期発見に努めていきましょう。

胃がんの第一の原因はピロリ菌感染です。また、かつては国民病といわれ今も多くの患者さんがいる胃潰瘍、十二指腸潰瘍もピロリ菌が原因で起こることが知られています。ピロリ菌陽性の方では、除菌治療により、胃がんや胃潰瘍の発症を抑えることができます。

また大腸がんは、近年非常に増加しているがんで、その原因は肉食中心の西洋型の食生活に移行したことによるものだといわれています。大腸がんは大腸ポリープから発生する場合が多くを占めると考えられており、ポリープを切除することにより予防することができます。大腸がんでの死亡を防ぐにはやはり大腸内視鏡による早期発見が最も有効で、内視鏡による切除で治癒する早期がんも多く存在します。

どんな方が内視鏡検査を受けるべきでしょうか?

以前から、胃がん検診としてバリウムを使った胃X線検査が広く行われています。最近では、胃がんになるリスクを判定するABC検診もおこなわれています。しかし胃がん、食道がんを早期発見するためには、専門医による上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)が最も精度の高い診断方法です。ABC検診や胃X線検査で異常が見つかった際には、胃カメラを受けていただくことが重要です。

早期発見を考えるなら検診ですべての方が胃カメラを受けられることが理想です。しかし、胃X線検査が1日に20-30名検査できるとすると、胃カメラは10名程度と、医師や看護師のマンパワーや料金の問題などがネックとなり、なかなか広がっていきません。人間ドック、胃カメラでの胃がん検診実施する自治体も徐々に増えてきましたので、ご自身でも積極的に胃カメラを受けていただければと思います。

大腸がん検診の便潜血陽性や血便を自覚している方では、大腸内視鏡検査が必要です。健診の結果に不安を感じながら、大腸内視鏡となると「苦痛が恐い」または「恥ずかしい」などの理由で、なかなか検査に踏み切れないという方もいらっしゃるかと思います。しかし、便潜血や血便は体の不調を知らせる重要な信号です。大腸がんのリスクを考えると、健診での異常を放置しておくほど危険なことはありません。できるだけ早く内視鏡検査を受けていただきたいと思います。

経口型、経鼻型それぞれのメリットを活かした胃カメラ検査

鼻・口からの内視鏡検査

私は大学本院で内視鏡室長を務め、内視鏡検査に関して長い間研鑽を積んできました。安心で苦痛が少なく確実な内視鏡検査を実践しています。当クリニックでは胃カメラ検査において、最新のシステムでNBI観察可能な、経鼻型、経口型のそれぞれのカメラを用意し、患者さんのニーズに応えています。 患者さん用のモニターも用意しておりますので、検査を受けながら一緒にリアルタイムでご自身の食道や胃の画像がみられます。

経鼻型は鼻から通す極細の内視鏡で、おえっとなるのどの反射の苦しみが少なく、胃カメラが初めての方でも比較的楽に検査がおこなえます。一方経口型の内視鏡は、経鼻に比べて少し太いタイプの内視鏡ですが、画質に勝り、拡大観察も可能で、より小さながんなどの病変の発見と確実な診断を可能にします。既に経口型の内視鏡での検査を経験済みで抵抗の少ない方、一度でより精度の高い検査を求められる方におすすめしています。

のどへの局所麻酔とともに、ご希望の方には静脈注射による鎮静もおこなっています。効き方は患者さんによって違いますので、眠ってしまう方もいれば、ボーッとした状態で意識を保っていらっしゃる方もいます。鎮静によって苦痛は小さくなりますので、安心して検査を受けていただけます。

大腸内視鏡では日帰りポリープ切除も可能。スピードよりも確実な診断を目指しています

大腸の内視鏡検査

大腸内視鏡は腹部の張りや痛みが出やすいので、鎮痛剤と少量の鎮静剤の組み合わせで苦痛を軽減します。患者さんは意識を保ったまま検査を受けながら一緒にリアルタイムでご自身の大腸の画像がみられます。ポリープを発見した場合、約100倍のNBI拡大画像で精細な診断を行い、日帰りで可能と判断した場合はその場で内視鏡によるポリープ切除を行っています。

胃カメラも、大腸内視鏡も苦痛を伴うことから、短い時間で検査をおこなうことが注目されがちです。しかし内視鏡検査の目的は、病変を発見し、正確な診断をおこない、的確な判断で患者さんの治療に結びつけることであり、スピードではありません。当クリニックでは、細かいノウハウや鎮静などによって苦痛を抑え、必要十分な時間をかけて検査を行い、安全で確実な診療をおこなうことを目標としています。

また当クリニックでは、少しでも患者さんの苦痛を減らすために、胃カメラ、大腸内視鏡ともに、送気に二酸化炭素を用いています。送気とはカメラで内部を見るために胃や腸に空気を入れて膨らますことです。内視鏡検査後に胃や腸にガス残ることで、お腹の張りを訴える方が多くいらっしゃいますが、二酸化炭素による送気では、検査後に胃やおなかが張るのを和らげる効果があります。

NBI、拡大観察機能を備えた最新の内視鏡機器によって、より早期のがんの発見も可能となってきています。私が目指しているのは当クリニックを訪れた患者さんが、胃がん、大腸がん、食道がんで亡くならないようにすることです。どうか皆さんもご自身の健康と長寿のために、早めの検査を心がけて下さい。

水野胃腸クリニックの内視鏡検査室

上部消化管、大腸、肛門までを一度に内視鏡検査!

心窩部痛があり、便潜血も見られるなど、胃カメラと大腸内視鏡の両方の検査をおこなった方がいい患者さんもいらっしゃいます。胃カメラは一晩食事を取らないあとで検査可能です。一方、大腸内視鏡は、腸洗浄をおこなうのに時間がかかり、禁食の時間も長くなります。両方の検査が必要な場合、同じ日に一緒にできれば患者さん自身の手間と時間の短縮にもなります。当クリニックではそんな患者さんのために1日で両方の検査をおこなえる体制を整えています。

また当クリニックは肛門内科を標榜しています。大腸内視鏡検査の際には、もちろん肛門部の病変も詳細に観察できますので、消化管の出口までをしっかりと診断することができます。当クリニックでは、多くの肛門疾患の診断と治療が即座に対応できますので安心です。おしりの痛み、出血、イボなどでお悩みの場合、心配しているよりは一度受診をお勧めします。おしりのことが気になりながらもなかなか受診へ踏み出せなかった患者さんも多くいらっしゃいますが、診てもらって良かったと言ってもらえることが多いです。患者さん自身が納得、安心して治療が受けられるように、肛門の診察時にも病変の撮影を行って画像を一緒にみて説明しています。もしも重度で外科手術が必要な場合は、専門の肛門外科へ紹介します。