脳卒中の専門医インタビュー (逗子脳神経外科クリニック)

脳卒中

きめ細かい問診と画像診断で見極める脳の専門医

脊山 英徳先生

2018/08/03

MEDICALIST
INTERVIEW
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逗子脳神経外科クリニック
脊山 英徳 院長
hidenori seyama

  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本脳卒中学会専門医
  • 日本脳血管内治療学会専門医
経歴
  • 平成11年 杏林大学医学部卒業
  • 平成13年 東京都立墨東病院 脳神経外科
  • 平成15年 公立阿伎留病院 脳神経外科
  • 平成16年 国立循環器病センター 脳血管外科
  • 平成18年 杏林大学医学部付属病院 脳卒中センター開設に従事
  • 平成22年 杏林大学医学部付属病院 脳卒中センター病棟医長
  • 平成26年 小山記念病院 脳神経外科
  • 平成27年 逗子脳神経外科クリニック開院

脳卒中は、様々なリスクがドミノ倒しになった結果です

脳卒中は、脳の血管に起こった病気の総称で、出血すれば脳出血、血管が詰まれば脳梗塞ということになります。脳卒中の起こる背景として、発症のリスクを1段階遡って考えると、そこには高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病があります。さらに遡っていくと、そのスタート地点は体重増加にたどり着きます。40代頃から代謝が落ちて脂肪が溜まり始め、血圧上昇や糖尿病が出現してきます。それらリスク因子がドミノの様に倒れ、その結果として脳卒中や心筋梗塞といった重篤な病気に至るということになります。最初の体重増加から脳卒中の発症までにはかなりのタイムラグがあります。若い時には一見何も異常がなくても、乱れた食生活や過度の飲酒・喫煙などを続けると、70代頃に脳卒中を発症するリスクを抱えることになります。脳出血も脳梗塞も元々のリスクは同じです。将来を見据えて、食事や運動などの生活習慣を見直したり、糖尿病をコントロールすることで、脳卒中発症の危険性を下げることが重要です。

くも膜下出血も脳卒中のひとつですが、その多くは脳動脈瘤の破裂によって生じます。脳動脈瘤が出来るメカニズムはまだはっきりわかっていませんが、家系的な要素が指摘されていますし、喫煙なども重要視されています。くも膜下出血の予防には、MRIにより脳動脈瘤の有無を確認しておくこと、また禁煙が大切です。

患者さんとの問診からリスクを拾い上げる

脳卒中の専門医として、カテーテル治療や外科的な手術、リハビリテーションなどに長く携わってきました。脳卒中診療では、血行再建の手術やカテーテル治療、発症直後の超急性期の治療などがクローズアップされてきておりますが、それら最先端の手技もクリニックでのリスク管理や投薬も同じ治療方法のひとつと考えています。患者さんの問診や、MRI検査による画像診断を元に、脳卒中に関するリスクを拾い上げ、先の先を見据えて、どんな治療が必要なのか、どこまですることが適切なのかを見極めることが大切です。不必要で過剰な検査や治療を行わないためには専門医としての十分な経験が必要です。同じ病名だからと言って、全員に同じ検査、同じ治療を行うわけではありません。患者さんの年齢、家庭の状況や暮らしぶり、仕事や職歴なども、見極める判断材料としております。

当クリニックのある逗子市周辺は、高齢者率が高く独居の方も多くいらっしゃいます。独居の方の場合、他のご家族の住まいが近隣か遠方かといった支援の環境や、薬の服用がしっかりできるかどうか、なども治療方針を判断する上で非常に重要となります。ご家族や地域の様々な機関・事業所と連携しながら、継続可能な治療を提供することが、脳神経外科クリニックの役割のひとつと考えています。

脳の画像診断「百聞は一見にしかず」

脳神経外科は、脳の状態を評価してもらうことを目的に受診される患者さんが多い診療科です。脳に何か病気があるのか無いのか、また病気があった場合に治療を急ぐ必要があるのか、などについて裏付けとなる情報を得るために画像検査を行います。脳の画像検査には、MRI検査、CT検査、超音波検査などがありますが、特にMRI検査は血管など含め詳細に脳の状態を知ることができるために重要性が高いです。

当院の3T高性能MRIは、最高レベルの解像度で鮮明な画像を映し出します。血管を3D化したり、脳萎縮の程度を客観的に数値化することもしています。大学病院など大きな医療機関の場合、予約から検査、診断まで3ヵ月くらいかかることもありますが、当院では、来院当日に画像検査が可能で、その日の内に診断することができます。脳のことでご不安のある方は、是非一度ご来院いただき専門医の診察を受けることをおすすめします。

頭痛の原因は色々あります

受診される症状で最も多いのは、頭痛です。頭痛の種類は色々とあり、どこに原因があるのか見極めることが重要です。脳に頭痛の原因がある場合には脳腫瘍やくも膜下出血など重篤な疾患のことが多いので、迅速な対応が必要となります。あまり知られていない疾患のひとつに「動脈解離」があります。首のひねりを伴うスポーツや外傷などをきっかけに、脳動脈が裂けてしまい持続する頭痛を起こします。動脈解離は頭痛だけのこともありますが、くも膜下出血や脳梗塞を起こすことがあります。動脈解離は比較的若い方に発症することがありますので注意が必要です。

肩こりや疲れが原因の場合は、恐い頭痛ではありませんが生活の質を低下させますので治療が必要です。普段の姿勢の習慣によってストレートネックになったり、変形性頚椎症を起こしていることがあります。姿勢の指導や睡眠障害の改善をあわせて行うことで、頭痛の頻度を減らすことができます。

このように頭痛の原因は色々ありますので、脳の専門医を受診することをおすすめします。