この記事の監修ドクター|脊山 英徳先生(逗子脳神経外科クリニック)
高齢者の寝たきりの原因第1位は脳卒中。脳卒中には予備軍と呼ばれる生活習慣病があります。
脳卒中は脳の血管が破れたり詰まったりする病気です
脳卒中は、脳の血管が破ける脳出血と脳の血管が詰まる脳梗塞を合わせた総称です。
- ・脳卒中は寝たきりの原因第1位
- 脳卒中の大きな問題に後遺症があります。脳卒中は、日本の高齢者が寝たきりになる原因の第1位で、患者さんとそのご家族の生活を大きく変えてしまう可能性のある重大な病気です。
- ・脳卒中の後遺症とは
- 脳卒中の後遺症で最も知られているものは運動障害で、片麻痺といって片側の手足の動きが悪くなることがあります。感覚障害による持続的な疼痛が生じると生活の質が大きく損なわれます。言葉が出にくくなる失語や、注意力や集中力が低下する高次脳機能障害が生じることもあります。飲みこみが難しくなる嚥下障害では肺炎の危険性があります。
生活習慣病は脳卒中予備軍!
脳卒中は生活習慣病を原因として起こるものも多く、生活習慣病は脳卒中予備軍ともいわれています。それぞれどんな理由で脳卒中になるのか、見ていきましょう。
- ・高血圧
- 高血圧では血管に負担がかかり、血管が変性したりもろくなったりします。高血圧を原因として起こる脳卒中に脳内出血とラクナ梗塞があり、日本人に起こりやすいことが知られています。
- ・糖尿病
- 糖尿病によって動脈硬化や腎機能障害が促進されます。結果的に血管の病気が起こりやすくなります。
- ・脂質異常症
- 動脈硬化を進行させ、脳梗塞を引き起こします。
- ・不整脈などの心疾患
- 心房細動という不整脈では心臓の中に血栓が生じます。心臓で作られた血栓が血液中を運ばれ、脳の血管で詰まってしまうと脳梗塞が起こります。
- ・メタボリックシンドローム
- メタボリックシンドロームになると糖尿病や高血圧を引き起こします。
- ・喫煙
- タバコは高血圧をはじめ、動脈硬化の大きな原因となります。
- ・過度の飲酒
- 過度の飲酒は脳出血など引き起こす危険性が増します。
- ・過労やストレス
- 睡眠不足やストレスは動脈硬化の悪化を招きます。
脳卒中にならないために
脳卒中にならないために、生活習慣病をしっかりと評価していきましょう。