白内障手術の専門医インタビュー (西大井駅前眼科)

白内障手術

あたたかな眼差しと愛を持ち、確かな治療を行う。各世代の目を守り白内障手術に注力する「眼科」の専門医

姜 哲浩先生

2017/03/23

MEDICALIST
INTERVIEW
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西大井駅前眼科
姜 哲浩 院長
Tetsuhiro Kyo

  • 日本眼科学会認定眼科専門医
  • 医学博士(日本大学大学院医学研究科外科系眼科学卒業)
  • PDT認定医
経歴

2000年、日本大学医学部卒業。駿河台日本大学病院(現日本大学病院)を経て、医療法人社団誠和会白鬚橋病院に勤務し医長となる。その後、医療法人社団明優会宮原眼科医院で研鑽を積み開業医の道へ。2016年7月「西大井駅前眼科」を開院した。患者との信頼関係の構築をモットーとし、目の症状であらゆる患者がまず通えるよう、一般眼科診療から白内障手術まで対応する幅広い診療体制を築き診療にあたっている。一人ひとりと真摯に向き合い治療計画を練るその診療姿勢は、年代を問わず多くの患者から信頼を集めている。

幼いころの思いを胸に秘め、開院したクリニック

開業は、眼科医をめざした当時のきっかけでもありました。というのも、私の故郷には1件も眼科医院がなかったんですよ。地域の人はたいへん不便に感じていて・・・、私も受診するときは隣の市まで車で通っていました。それで、子どもながらにいつか眼科医になって医院を構え、皆の役に立ちたいと感じていました。ところが、大学を卒業して医師になったころ、故郷に建ったのは立派な眼科医院(笑)。そこから早や16年が経ちましたが、やはり幼いころからの思いが強いのでしょうか、こうして西大井に開業地を決めたのも、何となく故郷の街並みに似ていたという理由が大きかったんです。

開院してもうすぐ半年を迎えるクリニックではありますが、近隣にお住いの方々の生活と地域の健康に貢献できるクリニックを全力でめざしていきたいと思っています。

地域の人々の目を守り健康・生活に寄与していく

姜院長

当クリニックは、お子さんから働き盛りの方、お年寄りまで、地域の皆さんが目の心配事で気軽に通える医院をコンセプトにしています。眼精疲労やアレルギー結膜炎などをはじめ、乳幼児の先天性鼻涙管閉塞や屈折異常、小児の斜視や弱視。中高年では一般に老眼とよばれる老視、緑内障、加齢黄斑変性や白内障など、幅広い眼疾患を診療対象とし、それに伴い検査・治療機器も充実させています。また、機器のみではなく、ORT(視能訓練士)という目の検査を行うプロフェッショナルも院内に常住していて、疾患を見逃さない専門的な検査体制を整えています。

加えて、私が注力しているのが「日帰り白内障手術」です。患者さんには高齢の方も多いので、お困りの方に安心いただけるよう開院後スタートさせました。また、勤務医時代にも研鑽を積んでいましたので白内障手術は得意とする分野でもあります。近年で白内障手術を実施するクリニックは増えてはいますが、まだ十分な数ではありませんので、この西大井で普及をしていければと思っています。

白内障はなぜ発症するのか?

症状の個人差が大きい白内障ですが、発症の背景はみな同じ。目のなかにある「水晶体」とよばれる部分の濁りによるものです。水晶体は、外からの光を目のいちばん内側にある明暗や色を感じる網膜に伝える役割をしているので、濁ってしまうと目は曇りガラスを隔てたようにうまくものを見ることができなくなります。なぜ濁るのか? については、水晶体をつくっているタンパク質の変化が密接に関係していますが、明確になっていないこともあることも多くあります。

進行度と手術治療の関係

姜院長

一方で、白内障を唯一完治できる手術については、近年の医療機器の進化でより安全に、かつ正確に行えるようになっていて、当クリニックでも先端機器を導入し手術を実施しています。

手術の基本から説明すると、点眼で局所麻酔を行い、黒目と白目の境にメスで切り込みを入れます。そこから、濁った水晶体を取り除いていくのですが、水晶体は嚢(のう)とよぶ袋のようなものに包まれているので、嚢の表面を丸く切り取ります。そして、患部に水の流し入れと吸入を繰り返し行いながら、超音波で濁った中身を吸い出し、眼内レンズを挿入すれば完了です。以前は、レンズの大きさが6㎜だったので挿入するためには同じサイズの切り込みを入れなければなりませんでした。しかし今では折りたたむことができ切り込みは約2㎜で済むようになっています。傷口が小さくて済むので乱視が出づらく、術後の回復も早まりました。また、水晶体の吸引時に必要な水を出す装置は自動制御となり施術効率が向上しました。1回の手術にかかる時間はおよそ10分〜20分と患者さんの負担のない手術になっています。

しかし、やはり目の手術ですから、すべての患者さんに強くおすすめしたいとは考えていません。手術適応の判断は、極めて重症ではければ、患者さんの自覚症状と生活や仕事などの社会的背景を鑑み行うことが重要です。白内障で生活に不便を感じているものの、漠然と手術を迷っているという方がいるのであれば、ぜひ気軽にご相談いただければと思いますね。

受付

白内障手術と「見える」というかけがえのなさ

あたり前と感じられるかもしれせんが・・・、手術を通して感じるのは「見える」ことの尊さです。私はそれを、これまで治療にあたってきた患者さんのよろこびから実感してきました。

勤務医時代のお話ですが、こんなことがありました。病院で入院されていた患者さんとのことです。終末期の方で、病気とは別に白内障も進んでいて、ご家族の強い希望で手術を行いました。手術は成功し、ご家族から「とてもよろこんでいました。ありがとうございます」とお礼の言葉をいただきました。病状を鑑みれば、白内障はそのままで〜という選択肢も特別なことではないでしょう。しかし、患者さんが「見えるように」なったことが、ご家族のかけがえのない思い出になったのだと感じ、そこに寄与できた眼科医であることに誇りを覚えました。

今でも当時のことを思い返すことがあります。

あたたかな眼差しと愛ある診療をこれかも

姜院長

白内障然り、症状がなければ目の病気に極度の不安を抱く必要はありません。ただ、なかには緑内障という自覚症状なく視野異常が進行していく疾患もあり、眼底検査をしなければしっかりとした診断はできません。例えば会社での検診など、通常のメニューには眼底検査がないこともままあると聞きますので、働き盛りの年代の方は一度クリニックなどで受診をおすすめします。

また、目にまつわる心配事があればぜひ来院いただければと思います。開院当時、スタッフに伝えて笑われてしまいましたが(笑)、当クリニックは「愛」を持って患者さんと接することを診療方針としています。今後も症状の改善はもとより、一人ひとりのよりよい生活に貢献できるクリニックをスタッフとともにめざしていきます。