この記事の監修ドクター｜姜 哲浩先生（西大井駅前眼科）
白内障の7割が加齢性白内障ですが、それ以外の原因でも白内障は起こります。それぞれの症状や原因を見ていきましょう。
アレルギーの合併症で起きる白内障
（アトピー性白内障）
症状
アトピー性皮膚炎が顔へ広がって、痒みのために眼をこすってしまったり、かいてしまったりして起こります。自覚症状は視力の低下とかすんで見えることです。症状の進行が割と速いケースが多く、気になる症状があったら早めの受診が大切です。
糖尿病の合併症で起きる白内障
（糖尿病性白内障）
症状
屋外の光をまぶしく感じる、視野がかすむなどが初期症状です。症状が進むと視力の低下を自覚します。糖尿病になると若年層であっても糖尿病性白内障にかかりやすくなり、糖尿病性白内障は症状の進行が速いことが特徴です。
原因
糖尿病による代謝の異常が水晶体を濁らせて、糖尿病性白内障を引き起こします。
先天性白内障
症状
新生児期から学齢期に発症します。眼球内に白濁部分が見えたり、眼が揺れて止まらなかったりという症状が出ます。言葉がまだ出ない乳幼児期は、周囲の様子に反応しないことから判明することもあります。片目のみの発症も、両目一緒の発症もあり、メガネなどをかけても矯正できない弱視につながる危険があるので、早期発見と早期治療が大切です。
症状
染色体異常などの遺伝や、風疹やトキソプラズマなどの子宮内感染によって発症します。
外傷性白内障
症状
眼をぶつけた、強くこすったなどの刺激や、眼をケガした後などに起こる白内障です。眼がかすんだり、視力が低下することが自覚症状として出ます。刺激やケガの直後から症状が出ることもありますが、数ヶ月や数年後に発症することもあります。
原因
刺激やケガによって水晶体に傷ができ、そこから白濁が広がっていき、白内障になります。
併発白内障
症状
眼や他の臓器に炎症が起きて白内障が引き起こされることもあり、併発性白内障と言います。視力の低下や眼のかすみ、まぶしく感じる、などの自覚症状が、徐々に出る場合と進行が速い場合があります。片目のみに発症する場合と、両目一緒の場合、左右交互に症状が出る場合とさまざまなパターンがあります。
原因
眼の炎症ではぶどう膜炎や網膜剥離が原因として多く挙げられます。病原菌が引き起こす炎症によって眼に栄養障害が起こり、白内障が誘発されます。
症状の進行もさまざま。
異常を感じたら早めの受診を
白内障とひとくくりにしても、種類や原因もさまざまです。同じ原因でも症状の進行が速い場合とゆっくりの場合に分かれることもあります。眼の異常は特に片目の場合には気づきにくく、進行がゆっくりの場合も発見が遅れることがあります。小さな異常を見過ごさず、眼科専門医への早めの受診で早期発見と早期治療を心がけましょう。
- 眼科専門医
