歯周病の専門医インタビュー (山田雄一歯科医院)

歯周病

その症状は本当に歯周病か?確実な診断と治療がおこなえる歯周病専門医に相談を!

山田雄一先生

2017/07/04

MEDICALIST
INTERVIEW
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山田雄一歯科医院
山田雄一 院長
Yuichi Yamada

  • 2011年 日本歯周病学会 認定医取得
  • 2015年 日本歯周病学会 専門医取得
経歴
  • 2005年 国立 大阪大学歯学部卒業
  • 2006年 医療法人社団歯周会西堀歯科(日本歯周病学会認定研修施設) にて勤務
  • 2011年 日本歯周病学会 認定医取得
  • 2015年 日本歯周病学会 専門医取得
  • 2017年 山田雄一歯科医院を開設

2017年6月開院!八王子で最初の歯周病専門医がいる歯科医院

山田雄一院長

山田雄一歯科医院は、私が地元八王子で開業したまだ真新しい歯科医院です。虫歯治療、インプラント、予防歯科・メインテナンス、審美歯科、義歯、入れ歯のご相談など、幅広い歯の治療に対応できる当院ですが、中でも歯周病は、私が専門医として研鑽を積んだ分野です。
歯周病の専門医の資格は認定医の資格を取得した上で、重度の歯周病を多数治療したことや、特殊な歯周病治療をおこなったことを証明する厳格な症例報告試験に合格した歯科医師にのみ認められる資格です。八王子という大きな街にあって、まだ専門医はわずか2名(取材時)しかいません。歯周病は人がかかる病気の中で最も罹患者の多い病気としてギネスに登録されています。しかし歯周病が一体どんな病気なのか、どんな危険があるのかなどは思いのほか知られておらず、専門医以外には正確な診断や治療が難しい病気でもあるのです。
当院はそんな歯周病を取り巻く状況を踏まえ、歯周病の正確な診断と治療で地域に貢献すべく開業した歯科医院です。「もしかしたら歯周病かも」という方や、歯科医から歯周病の可能性を指摘された方まで、どうかお気軽に受診いただければと考えております。

歯医者さんなら歯周病は簡単に見つかって治療できると考えていませんか?

診療風景

ギネスにも登録され、日本人の成人の実に8割の人が感染しているといわれている歯周病。歯ブラシや歯磨き粉など、デンタルケア製品のCMでも紹介され、皆さんもその名前は既にご存知の方が多いはずです。それなのになぜ専門医がこんなにも少ないのでしょうか。歯周病の正確な診断と治療には、歯科の中でも専門的な知識が必要で、専門医となるためには何年も掛けての実践と知識の修得が必要なのです。
専門医以外の歯科医で「これは歯周病かも知れませんね」と指摘を受けられればまだ患者さんは改めて歯周病専門医の診察を受けることができます。しかし、歯科医によっては専門医と比べて歯周病への注意が少なく、発見が遅れる場合もありえます。「もしかしたら歯周病?」と思ったらぜひ歯周病専門医に相談してください。早期の専門医による正確な診断が、あなた自身の歯を守ることにもなるのです。

自覚症状による黄色信号!でもそれだけでは歯周病とは限りません

歯周病の自覚症状としては、

  • 1.歯茎が下がって見える
  • 2.歯が動く、揺れる
  • 3.気になる口臭がする
  • 4.出血や膿が出る
  • 5.歯が抜ける

などの症状が現れます。歯周病かどうかの判断は、簡単に言うと、症状の原因が歯周病菌による感染によるものかどうかで決まります。「歯が揺れる、動く」などの症状は患者さんも気がつきやすく、歯周病の不安を感じて当院に来られる方もいらっしゃいます。ただ、歯が揺れたり、動いたりするのは人それぞれの歯根の長さなどにもより、揺れていても歯周病ではなかったり、少しも揺れていなくても、歯周病だという場合もあります。また、歯茎の炎症や出血は傷がついたために起こる場合もありますし、歯茎が下がることは加齢によるものなど個人差もあります。これほど多いといわれている歯周病ですが、「大丈夫です。歯周病ではありません」と診断する場合も決して少なくはないのです。
歯周病の正確な診断をするためにはまずは歯周ポケットの深さを測り、必要に応じて細菌検査などで歯周病原菌の有無を調べ確定していきます。歯周病は大きく分けて炎症が歯肉に留まっている歯肉炎の状態と歯を支える骨まで波及した歯周炎の状態に分かれます。歯肉炎の状態なら歯科医院でのクリーニング、そして日常の歯磨きで十分に改善していけます。しかし歯肉だけではなく、歯周炎を起こしていると、外科処置を含む治療へと進んでいく場合もあります。

歯周病が起こるメカニズムとその治療方法

山田雄一院長

まずは、歯の根っこ(歯根)をとりまく周囲の構造について説明しておきます。歯の周りは歯周組織と呼ばれ、これらは歯根セメント質、歯根膜、歯槽骨、歯肉の4つからなっており、この歯周組織によって歯は支えられています。れでは歯周病は一体どんなふうに体に影響を与えているのでしょうか。歯周病のわかりやすい症状を挙げて例えるならば、その進行によって歯を支える骨が溶けてなくなってしまい、支えを失った歯が抜け落ちてしまうという病気です。
本質的な言い方をすれば、歯周病とは歯周病原菌への感染、そしてそれに伴う炎症による自分の組織の破壊といえるでしょう。感染症であるゆえに歯周病の原因菌は虫歯菌と同様に人から人へ伝播します。ここで歯周病原菌は歯周組織において炎症などを起こすのですが、虫歯菌と違って酸を作り出して歯を溶かしたりするわけではありません。歯周病原菌が歯周組織に感染すると、免疫システムが働き、その細菌を攻撃するわけですが、その細菌の汚染から体の本体を遠ざけようと、感染した自己の部分さえも攻撃して、破壊してしまいます。この結果、歯を支える骨が無くなってしまい、歯が抜け落ちてしまうのです。ただ人によって歯周病に対して感受性の高低があるため、進行のスピードは異なります。つまり歯周病になりにくい人や、歯ブラシは比較的上手なのに進行しやすい人、という差があります。遺伝的要素も含めた体質といってよいかもしれません。
歯周病の治療法はこの原因菌を口内から徹底的に排除すること。歯周ポケットには原因菌の巣であるプラーク(歯垢)が溜まっていて、これを放置すると固まって歯石になります。ザラザラした表面を持つこの歯石は細菌の格好の住処となりますが、歯周ポケットの奥の奥まで、時には完全に歯の根の下まで存在していることもあります。これらをスケーラーという器具で取り除いたり、ひどい場合には歯茎をメスで切開して取り除く必要があるのです。

待合室

歯周組織再生治療まで歯周病治療のすべてに対応

歯周病は原因菌による炎症、化膿などによって口が臭う、血が出る、膿が出るなどの症状が現れます。そして歯が揺れる、抜けるなどの症状へと悪化していきます。歯が揺れたり動いたりするのは、歯を支える骨がなくなってしまっているからです。レントゲンやCTで確認すると、歯はあるのに、それを支える歯根膜や歯槽骨などの歯周組織はなくなってしまっていることがよくわかります。この状態で歯茎を切開すると、骨はなく、膿などの軟組織が溜まっている状態で、もちろん歯を支えられる状態ではありません。ここまで進行した場合には抜歯が適応となりますが、状況によっては歯周組織を失った歯の周囲をきれいにし、歯周組織の再生を促す材料を移植することで、歯の保存が可能な場合もあります。それが歯周組織再生法という外科的な治療法です。
この治療法によって、かなり進行した歯周病であっても歯を抜かずに治療できる可能性があります。しかし、再生療法を成功させるためには材料の性能だけでなく、患者さんの歯周組織がどこまで残っているかにもかかっています。すべての病にいえることですが、歯周病もやはり一歩でも早い治療がその後の生活を変えていくのです。
予防から、自覚症状のない初期段階、クリーニング治療、外科処置と、当院ではこの歯周組織再生治療を含め歯周病に関するすべての治療法が可能です。歯周病に関してワンストップで対応できる歯科医院として、どんな状況でも安心してご相談ください。

一人ひとりの歯の健康に向き合って治療をおこなう歯科医院です。

谷口将太郎院長

まだ開業間もない当院では、「はじめまして」の気持ちを込めて、来院される患者さんとじっくりお話しさせていただき、患者さんの状況を把握してから治療を進めています。もしスピーディーな治療をお求めの患者さんは、それも遠慮無くおっしゃってください。1回の診療時間だけでなく、どれぐらい間隔、どれくらいのペースで治療していくのか。患者さん一人ひとりの希望に添った治療をおこなっていきたいと考えています。
勤務医時代を含めると、本当にたくさんの患者さんの治療に携わらせていただきました。中にはどうしても本格的な治療に進むことに抵抗があり、いつも痛みや揺れを抑えるだけのその場しのぎの治療だけを希望される患者さんもいました。しかし時間をかけて患者さんとの信頼関係を築ければ状況は変わってきます。「仕事が忙しいので」となかなか歯周病の本格的な治療させていただけ無かった40代の女性の患者さんが、1年以上が過ぎたある日「思い切って先生にお願いするわ」といっていただけたということがありました。治療に対して恐怖心もお持ちの方だったので最初は外科治療などとんでもない、ということだったのですが、最終的には再生療法などのさまざまな治療まで含めて対応させていただきました。勤務医時代の職場を辞するときには『山田先生の治療に安心感を感じておまかせすることができました。』とありがたいお手紙までいただくことができました。
日常のブラッシングや治療に向かうモチベーションなど、歯周病の治療は歯科医師だけではできません。歯周病には動脈硬化や心筋梗塞、特に女性には早産などのリスクがあることも知られています。歯周病に関して、もし気になることがあるならば、1日も早くあなたの身近な歯周病専門医に相談してみてください。