どんな歯ブラシがいいの?歯周病予防と悪化を防ぐために

どんな歯ブラシがいいの?歯周病予防と悪化を防ぐために

この記事の監修ドクター|山田雄一先生(山田雄一歯科医院)

ドラッグストアに並ぶたくさんの歯ブラシ。どれを選べば良いのか迷っている、歯周病になりたくないあなた、正しい歯ブラシの選び方を見ていきましょう。

歯磨きで予防できる口の中の病気は2つ、虫歯と歯周病です。今回は歯周病と歯ブラシについてのお話です。

歯周病対策に歯ブラシが大切な理由

歯周病対策では、歯に付着したプラークを取り除くことと、歯肉の周りの歯周ポケット(歯と歯肉の隙間)に入り込んだプラークを取り除くことの2つが大切になります。歯磨きに欠かせないのが歯ブラシですが、ドラッグストアには棚一面に歯ブラシが並べられており、一体どれが歯周病予防に有効な歯ブラシなのか?迷ってしまいますね。歯ブラシを選ぶ際のポイントは大きく次の4つです。

  • 歯ブラシの植毛部分の大きさと形
  • 歯ブラシの毛の固さ
  • 歯ブラシの毛の先端の形状

こんなグッズもおすすめです

歯磨きには歯ブラシの他に歯間ブラシやデンタルフロス、ワンタフトブラシなどもあります。特にワンタフトブラシは歯周ポケットのケアに向いている、とても小さな歯ブラシです。普段使っている歯ブラシで歯磨きした後に、ワンタフトブラシで歯周ポケットをきれいにすると言う、2本使いが理想的です。

予防にはこんな歯ブラシがおすすめ!

歯周病予防には、歯のプラークをきちんと落とすこと、歯周ポケットにプラークを溜めないことが大切です。そのためには、

歯ブラシの植毛部分の大きさと形
少し小さめが口の隅々まで行き届いてブラッシングできます。また、先端が小さくなっているものも磨きやすいでしょう。
歯ブラシの毛の固さ

歯周病予防に欠かせない歯周ポケットのケアには、柔らかい毛の方が歯肉を傷つけないので適しています。しかし、柔らかい毛では歯のプラークが落とし切れません。理想は、歯を削らない程度に硬めの毛の歯ブラシで歯を磨き、歯周ポケットのケアは柔らかい毛の歯ブラシ、あるいはワンタフトブラシでする、という2本使いです。

それは難しいという人は、自分に合った適度な柔らかさの毛を選んでください。また、ついつい力を入れて磨いてしまうという人は、柔らかめを選んで、歯と歯肉への負担を減らすと良いでしょう。

歯歯ブラシの毛の先端の形状
磨きにくく磨き残しが多い歯周ポケットへ入り込みやすい、毛の先端が細くなっている歯ブラシがお勧めです。無理なく歯周ポケットのプラークをかき出してくれます。

歯周病を悪化させない!
タイプ別おすすめ歯ブラシ

歯周病が進行すると歯肉炎の悪化、さらに進行すると骨を含む歯周組織の破壊が起こります。溶けた骨の再生はできませんので、どうやって悪化を食い止めるか?が大切になって来ます。

歯肉炎対策

歯肉炎は歯周病の初期段階の名称です。歯磨きをして歯肉から出血することが多く、歯肉が腫れる、痛むなどの症状が見られます。歯周ポケットでプラークに付いた歯周病菌が繁殖しています。特に念入りな歯磨きが必要になります。

歯周ポケットに入り込みやすい、毛の先端の細い歯ブラシを選びましょう。また、歯肉に負担をかけない、柔らかい毛の歯ブラシも良いでしょう。

歯周炎対策

歯肉の炎症も進んでおり、歯磨きの刺激が辛くなっています。そのため、柔らかい毛の歯ブラシを使って、歯肉をマッサージするように歯磨きするのが良いでしょう。また、歯周ポケットが深くなっています。毛の先端が細い歯ブラシや、ワンタフトブラシを使って歯周ポケットケアに努めましょう。また、歯科医院に通院して、プラーク除去を欠かさないようにしましょう。

歯を磨くときはこんな工夫を!
(歯ブラシの使い方)

磨き方の工夫

歯に斜め45度の角度で歯ブラシを当て、1本ずつ丁寧に磨きましょう。歯1本につき、20回歯ブラシを動かすようにします。その際に力を入れ過ぎないように気をつけましょう。毛先が広がらない程度の力の入れ方が適切です。

染め出し液の活用も

いくら丁寧に磨いても、どのくらい磨けているのか、はっきりとはわからないのが、歯磨きの難しさです。時々は染め出し液で磨き残しを確認すると、磨き方が改善できます。歯磨き後に、染め出し液を口に拭くんで馴染ませてから吐き出し、染色されているところが磨き残しです。

歯周病治療は歯磨きから!

歯周病にならないために、また、なってしまった後も悪化させないために、歯磨きは大切な治療のひとつです。歯ブラシの選び方ひとつでも、歯周病には大きな影響があるのです。正しい歯ブラシの選び方を知って、自分に合った歯ブラシで正しい歯磨きを心掛けましょう。

また、歯周病の治療には歯科専門医の専門的な治療も欠かせません。まだ歯周病になっていない人は予防のための定期的な歯科検診を、なってしまった人は進行させないための治療を、歯科専門医で受けましょう。