歯磨き粉の選び方。歯周病対策にはこの成分!

歯磨き粉の選び方。歯周病対策にはこの成分!

この記事の監修ドクター|山田雄一先生(山田雄一歯科医院)

歯磨き粉の背中の成分表示を見たことがありますか?成分それぞれの効果を知って、歯周病対策に役立てましょう。

歯磨き粉の成分表示を見よう!

歯磨き粉本体や箱の後ろには、成分表示が記載されています。いろいろな名前の成分が書かれていますが、主なものを挙げてみましょう。

湿潤剤
歯磨き粉に適度の湿り気を与えます。
ソルビット液(ソルビトール)、グリセリン、プロピレングリコール(PG)
清掃剤(研磨剤)
歯の表面の汚れを落とします。
重質炭酸カルシウム、無水ケイ酸、リン酸2カリウム、軽質炭酸カルシウム
発泡剤
口の中に歯磨き粉を拡げて洗浄しやすくします。
ラウリル硫酸ナトリウム
粘度調整剤(粘結剤)
粉成分と液体成分を結合させて、適度な粘り気を出します。
セルロースガム、無水ケイ酸、ポリアクリル酸ナトリウム、キサンタンガム
香味剤(清涼剤)
爽快感と香りを付けて使いやすくします。
メントール、キシリトール、サッカリンナトリウム、ステビアエキス
防腐剤
歯磨き粉の変質を防ぎます。 安息香酸ナトリウム、パラベン
その他薬用成分
(以下の中から1つか2つ含まれることが多いです)
フッ化ナトリウム(虫歯予防)、イソプロピルメチルフェノール(歯周病予防)、ラウロイルサイコシンナトリウム、乳酸アルミニウム(知覚過敏抑制)、トラネキサム酸(歯周病予防)、デキストラナーゼ(プラーク分解)など

歯周病対策!目的別歯磨き粉成分

歯磨き粉の薬効成分というのは、上記以外にもたくさんあります。
歯周病対策の基本はあくまでも物理的に感染源を除去することですが、その中から歯周病に補助的に効果があるものを挙げていきます。目的別に挙げていきますので、歯磨き粉の背中の成分表示を照らし合わせて、自分に合った成分を見つけてくださいね。

歯周病菌を殺菌!
イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、塩化セチルビリジニウム、塩酸クロルヘキシジン、酢酸dl-α-トコフェロール、カモミール(カミツレ)、ヒノキチオール
歯茎の炎症を抑えたい!
トラネキサム酸、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸ジカリウム、プロポリス、ヒノキチオール、イプシロンアミノカプロン酸
象牙質を守ろう!
フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、ハイドロキシアパタイト
また、研磨剤(清掃剤とも表記される)が入っていないものを選ぶのが良いでしょう。以下の成分を「避けて」ください。
リン酸水素カルシウム、水酸化アルミニウム、無水ケイ酸、炭酸カルシウム。
歯茎を引き締めたい!
ビタミンE、塩化ナトリウム
歯茎の血行を良くしたい!
コフェロール酢酸エステル、塩化リゾチーム

歯磨きをするときはこんなことに注意!

歯ブラシは濡らさないで!

歯磨きをする前に、歯ブラシを濡らさないで歯磨き粉をつけましょう。歯磨き粉は濡れると効果が弱まる可能性があります。

発泡剤無配合、泡立たないタイプを選びましょう

丁寧に歯を磨くためには、多少長い時間が必要になります。泡立ちの良い歯磨き粉は、すぐに吐き出したくなってしまいがちですので、発泡剤無配合、あるいはあまり泡立たないタイプがお勧めです。

歯磨き後のすすぎはごく少量の水で1回だけ

歯磨き粉の薬効を充分に活用したいなら、歯磨きの後の口をすすぐとき、できるだけ少量の水(片手ですくった程度、5mlほど)で1回だけすすぎましょう。歯磨き粉成分が口の中に残りますが、それが大切なのです。慣れないうちは気になるかもしれませんが、歯周病対策として取り入れてみてください。また、薬効成分を口内に止めやすいジェルタイプの歯磨き粉を選ぶのも良いでしょう。

歯周病は歯を失う病気です

ドラッグストアにはさまざまな効果を謳ってずらりと並ぶ歯磨き粉。どの成分が何に効果があるのか?を知って、効果的な歯磨きにしましょう。また、歯周病治療に歯磨きは欠かせない大切な治療法ですが、歯科専門医で行う治療も効果的です。

成人の8割がかかっているとされる歯周病は、悪化し進行すると歯が抜けてしまい、生活に大きな支障が出る病気です。日本人の歯を失う理由の1位はこの歯周病なのです。歯周病の重大さを知り、予防のためには歯科専門医での定期的な検診を受けましょう。