妊娠中絶の専門医インタビュー (さくらレディースクリニック)

妊娠中絶

プライバシーを重視。患者さんが安心して医療を受けられる婦人科のスペシャリスト

西平 正之先生

2017/08/03

MEDICALIST
INTERVIEW
060

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さくらレディースクリニック
西平 正之 院長
Masayuki Nishihira

  • 日本産婦人科学会専門医
  • 母体保護法指定医
経歴
  • 帝京大学医学部卒業
  • 帝京大学医学部付属市原病院産婦人科
  • 帝京大学医学部付属溝の口病院産婦人科
  • 峯田マタニティークリニック
  • 三橋クリニック
  • 綾瀬厚生病院産婦人科

完全予約制で待ち時間ゼロを目指す「産科のない」婦人科専門クリニック

西平正之院長

婦人科クリニックは待ち時間が2時間〜3時間は当たり前。また産科のあるクリニックでは、お産の方、出産後の検診の方と、病気で調子が悪くて診察を受けに来られた方が同じ待合室で長時間待たれるということも実際にはよくあります。私はそんな状況を改善できればと考えて、このさくらレディースクリニックを開院しました。

当クリニックの診療は完全予約制で、女性独特の様々な体のトラブルに対応する一般婦人科外来から、子宮がん・卵巣検診、更年期障害、避妊相談、予防接種、性病検査・治療、ブライダルチェック、育児中のお母さんの悩みに応える助産師外来などをおこなっています。また、産科はありませんので、出産の方や妊婦健診の方も当クリニックにはいらっしゃいません。体にトラブルを抱えた女性の気持ちに寄り添った医療をおこなっていきます。中でも当クリニックが力を入れているのが患者さんのプライバシーを守ることと、待ち時間を極力少なくすることです。普段はほぼご予約通りの診療時間を実現しており、これまでお待ちいただいたケースでも最大で1時間(年に1~2度程度)ほどに抑えることができています。

最寄りに小田急線「桜ヶ丘駅」からは少し距離がありますが、相鉄線「いずみ野駅」「瀬谷駅」へのバス停「下瀬谷橋」は至近で、クリニックの建物に接するかたちの広い駐車場も完備しています。来院される皆さまの利用しやすさ、そして安心感を一番大切にしているクリニックです。

人工中絶手術について知っておいていただきたいこと

西平正之院長

母胎保護法による人工中絶手術は婦人科医ならば誰でもできるというものではありません。私は神奈川県の医師会が指定する母胎保護法指定医で、このクリニックにおいて人工中絶手術をおこなうことを認められています。これは指定医であること実施する施設がともに決まっていて、例え指定医であっても他の施設でこの手術をおこなうことはできません。人工中絶手術は母体保護法のもとそれだけ厳格におこなわれる手術なのです。

また、手術をおこなうには、妊娠されている方が、成人か未成年か、配偶者の同意が得られているかなど、状況により施術ができるかどうかも法的に決まっています。そして、もう一つ大切なのが妊娠周期です。人工中絶手術が可能なのは22週未満(21週と6日)とこれも法的に決められています。これは胎児が成長することによって中絶による母体への危険が大きくなってしまうことと、倫理面を鑑みてのこと。22週以降は指定を受けた医師や医療機関であっても手術はできません。また21週までであっても、胎児が大きくなることで母体への影響は大きくなりますので、できるだけ早い段階で医師に相談することが必要です。

人工中絶の手術の方法(吸引法)と避けられないリスクについて

西平正之院長

中絶の方法には、妊娠11週目までにおこなう、初期中絶手術と以後21週と6日までにおこなう中期中絶手術があります。中期中絶手術は人工的に陣痛を起こして流産を促す方法で母体への負担が大きいです。初期中絶手術には従来の鉗子を使って胎児と胎盤を掻き出す方法と、吸引機を使用する吸引法の2種類があります。当クリニックでは術後の出血や母体への負担も少ない吸引法をおこなっています。
初期中絶手術のリスクとしては、まず手術によって子宮に穴が開いてしまう子宮穿孔が上げられます。これは胎児と胎盤が子宮の粘膜にどのように着床しているかによって変わりますので、状況によっては医師や医療施設によらず起こるリスクです。また、出産の経験が無い方は子宮口が開きにくいためそれだけリスクが高まります。そしてもう一つは、一度の手術で子宮の内容物を取り切ることができず、もう一度手術が必要になる場合があるということ。現在の初期中絶手術においては、エコー(超音波検査機)で状況を確認しながらおこなうことがほとんどですが、エコーに移らない組織が子宮内に残ってしまうことがまれにあります。

徹底的にプライバシーに配慮した当クリニックの医療体制

西平正之院長

当クリニックでは完全予約制をとっていて、1階のゆったりとお待ちいただける待合室と2階の中待合室を設け、ほぼ患者さん同士が顔を合わせることがありません。一階待合室から中待合室に進んでいただくのも、前の患者さんの診察が終わってから。扉越しでさえ、前後の患者さんの話が聞こえるという事態も起こらないように配慮しています。これは婦人科というデリケートな診察にいらっしゃる患者さんのための配慮で、特に人工中絶の方にはプライバシー保護のため、徹底しています。受付から手術の前処置とその後の待ち時間、手術と手術後クリニックを出られるまで。患者さんが待機される場所や、動線にも気を配り、安心して手術を受けていただける環境を整えています。

人工中絶の相談を受けた場合、当クリニックでは前述の母体保護法についてや手術に関するリスクの説明をおこない、同意いただければ手術のスケジュールを決定していきます。手術の前には血液による感染症の検査が必要で、初診時に受けていただきます。結果は翌日には出ますので、早い方なら初診の翌日に手術をされるという方もいらっしゃいます。
当クリニックで人工中絶を希望される方の半数は30代〜40代の既婚で既にお子さんをお持ちの方、さらに半数が未婚の方です。法的に必要な情報はいただいていますが、私から患者さんのプライバシーに配慮し、立ち入った質問をさせていただくことはありません。なにか心配事がある場合は遠慮無くおっしゃってください。

当クリニックでの手術当日の流れ

当クリニックでの人工中絶手術は12時〜13時の間におこなうのが通例です。手術を予約いただいた場合、当日の8時30分に来院いただき、手術の前処置として子宮口を開くためのラミセルという医療用具を使用します。これはスポンジのように水分を含むと膨らむもので、子宮口を時間をかけて徐々に開いてくれる用具です。子宮口は筋肉のため、無理に開くとすぐに切れてしまうのでこれを使います。

12時ごろから手術に入ります。手術に入ると静脈注射による全身麻酔をおこないます。患者さんが意識を失っているのは長い方で1時間程度ですが、初期中絶手術で当クリニックの吸引法の場合、手術自体は7分〜10分程度で終了します。鉗子による手術の場合、内容物を残さず確実に中絶するため、子宮の全面の厚くなった内膜を掻き出す必要がありました。そのため鉗子を何度も出し入れすることになり、母体に与える影響も大きく術後の痛みや出血も長く残ります。吸引法は鉗子に比べて挿入も少なくてすみ、より確実に内容物の除去が可能です。手術中は麻酔が効いていますので、患者さんの苦痛はありません。

手術後、少し体を休められて、ほとんどの患者さんが14時ごろには帰宅なさいます。手術後に若干の出血や痛みがありますが、特に異常が無ければ、1〜2週間後に経過を診させていただきます。異常が無ければこれで処置は完了です。

院内風景

替わらない医師と看護師がていねいにあなたのケアをおこないます。

西平正之院長とスタッフ

当クリニックには産婦人科専門医である私と助産師である妻と、受付スタッフ4人がいます。治療と看護を担当するのはいつも私と妻で、誰かが代わりに患者さんを担当するということはありません。患者さんが健康な生活を取り戻すためにいつも全力を尽くし、最後まで責任を持って医療をおこなっていきます。
助産師である妻は助産師外来もおこなっていて、出産後のお母さんを対象に、授乳の方法、乳腺炎、乳首の傷、その他の乳房のトラブルへの対応、育児の不安、卒乳などの相談も受けています。人工中絶の際も看護師として手術に立ち会いますので、助産師の知識を持った女性がいることで患者さんのさらなる安心感にもつながっています。
プライバシーを守り、患者さんそれぞれの立場に立って責任をもったスタッフが最善の医療をおこなうこと。それが私たちがクリニックを運営する方針です。婦人科に関わることなら、どうか安心してご相談ください。