アトピー性皮フ炎の専門医インタビュー (まいこホリスティックスキンクリニック)

アトピー性皮フ炎

腸内環境の改善からアトピーや様々な皮膚のトラブルの根本治療を目指すホリスティック医療のスペシャリスト

山崎 まいこ先生

2017/11/08

MEDICALIST
INTERVIEW
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まいこホリスティックスキンクリニック
山崎 まいこ 院長
Maiko Yamazaki

  • 日本皮膚科学会
  • 日本形成外科学会
  • 日本美容皮膚科学会
  • 日本レーザー医学会
  • アンチエイジング学会指導士
  • 米国NTI認定栄養コンサルタント
  • 点滴療法研究会
経歴
  • 滋賀医科大学卒業
  • 大阪市立総合医療センター(臨床研修)
  • 大阪市立大学附属病院形成外科勤務
  • 大阪市内の皮フ科勤務
  • 大阪市内美容皮膚科院長
  • 2017年8月Maiko Holistic Skin Clinicを開院
  • 米国Nutrition Therapy Institute日本校卒業

肌だけでなくカラダとココロの健康を育むホリスティック医療の実践する皮膚科クリニック

まいこホリスティックスキンクリニック 山﨑まいこ先生

当クリニックの名前にも入っている「ホリスティック」とは「全体的な」「包括的な」という意味の言葉です。私がこのクリニックでおこなう医療が、肌のトラブルに対する対症療法だけでなく、人のカラダとココロ全体から、肌を健康へと導く力を育むことを目的としていることからこの言葉を選びました。

私はこれまで、一般皮膚科、美容皮膚科の診療を通して、たくさんの患者さんの治療をおこなってきました。そしてアトピーやニキビ、湿疹といった特定の症状に対し、単に塗り薬を処方するというような外部的なアプローチでは、症状をコントロールすることはできても、なかなか「治る」という段階に達することが難しいことを痛感していました。そこで私は新たに栄養学を学び、栄養素の消化・吸収と、腸内環境にまで着目した「酵素栄養学」を修得しました。皮膚は体内の状態を映し出す最大の臓器で、食べたものはダイレクトに肌の状態にあらわれます。私はこれまでの治療に、この酵素栄養学に基づいた内面からアプローチをプラスして、内面、外面の双方から総合的に診療し、多くの方にナチュラルで美しい肌を手に入れていただきたいと考えています。

アトピー、ニキビ、湿疹などの肌トラブルは「腸内環境」が影響しています。

お肌の診察風景

私はこれまでの診療経験から、アトピー性皮膚炎やニキビ、湿疹などの肌のトラブルを抱えている人が、日常生活や食事に問題を抱えている場合が多いことに気がつきました。よくアトピーは体質的なもので、薬などで症状を抑えることができても根本的な治療は難しいと思われがちです。しかし私たちは日常生活や食生活を改善することで体質そのものを改善し、アトピーやその他の肌トラブルを起こさない体をつくることができるのです。

肌に大きな影響を与えているのは体中を流れる血液です。肌を健康にする栄養素もトラブルの元となる毒素も、すべては血液によって肌に届いています。この肌にとって血液の質を良くすることが最も効果的な治療となるのです。この血液の質を高めるのに有効なのが「腸内環境」を整えること。血液中の栄養素は腸から血管に入ります。このとき腸内環境が乱れていれば、必要のないものや、場合によっては毒素まで血液に入ってしまうのです。当然のことながら、この腸内環境の乱れは肌ばかりでなく全身の健康にも影響しています。

腸内環境を乱す原因となっている食事や生活習慣

現代人の日常生活は、実は私たちが自覚している以上に昔と変わってきています。特に食生活は数十年前と比べても大きく変わっているのです。例えば私たちが取っている野菜も、その中に含まれる栄養素や酵素が以前のものよりも随分少なくなっていることがわかっています。また電子レンジによる調理はタンパク質の立体構造を変え、消化しにくいものになってしまっています。加工食品や化学物質の影響もあり、人が本来持っている消化酵素による消化が上手くいかなくなっています。またテレビを見たり、仕事をしながら食事をするというのも現代人にありがちな状況ですが、これも消化酵素の分泌の妨げになっています。現代人の体は食事に対して消化酵素がいつも足りない状況に陥っているのです。

それでは体内の消化酵素が上手く働かず、消化不良を起こすとどうなってしまうでしょうか。食物が長時間腸内に留まると、炭水化物は異常発酵を起こし、タンパク質は腐敗し、油は酸敗してしまいます。これらの有害なものが腸内に炎症を起こし、タンパク質など本来血液に入ってはいけないものが血液中に溶け出して全身に悪影響を与えているのです。また脂分の多い肉類を食べるとおなかが張ったり、ガスが出ることがあると思います。これは食べたものがきれいに消化できていない証拠なのです。

腸内環境を整えるには酵素が大切です!

大切なポイントの説明

腸内環境を整えるためにそれは食物繊維や乳酸菌が重要なことはマスコミやCMでもよく取り上げられ、既にご存知な方も多いはずではないでしょうか。当クリニックではそれにさらに酵素を(エンザイム)に着目し、腸内環境をより効果的に改善していくことをおこなっています。

酵素とは、人の体で起こるすべての生化学反応に関わる物質のことで、その種類も膨大です。腸内環境に関わってくるのは酵素の中でも消化酵素のこと。唾液に含まれるアミラーゼ、胃で分泌されるペプシン、すい臓で分泌されるリパーゼ、腸で分泌されるアミノペプチダーゼといった名前を聞かれたこともあるはずです。これらの消化酵素の分泌が間に合わないことで消化が上手くなされない状況が起きてしまうのです。

ビタミンなど、今は国内でも多様なサプリが販売されていますが、酵素に関するサプリは、アメリカに比べるとまだ十分にそろっているとはいえません。一人ひとり違う現代人の生活において、正常な消化を助け、腸内環境を正常化するには、これら酵素のサプリメントをバランス良く使っていくことが大切なのです。

酵素をの働きで腸内環境を変えていくサプリ

「お酒はあまり飲まない方が良い」「睡眠は十分取って規則正しい生活を」「仕事でストレスをためすぎてはいけません」「食事はできるだけ自炊でバランスの取れたものを」。そんなことは皆さまもよくご存知のはずです。しかしそんな生活を実際に送るのは、現代を生きる私たちには本当に難しいことです。「こうでなければならない」「ああしなくてはいけない」というように生活を締め付けることは私たちにとってかえってストレスとなり、生活習慣の改善への試みそのものが破綻してしまいかねません。

当クリニックでは、患者さんの生活スタイルや食生活にあった実現可能な生活習慣の改善のために、その患者さんに必要な酵素の要素を盛り込んだサプリメントの提供・販売をおこなっています。当クリニックの栄養カウンセリングでは患者さん時間をかけて60項目に及ぶ問診をおこない、患者さんの生活スタイルや、ボディタイプ、効果的な食事やサプリメントの使用法を検討していきます。肌のトラブルを招いている因子は、食べ物ばかりでなく仕事や子育てなど、日常生活に意外なところに隠れている場合もあります。患者さんとしっかりと信頼関係を結んで、当クリニックがおこなうホリスティック医療を理解いただいた上で治療をスタートさせていただいています。

まいこホリスティックスキンクリニックの受付・待合室

1ヵ月間で劇的なアトピーの改善を目指すサプリ中心の治療法

当クリニックでは、アトピーの治療で薬を使わない方向に持っていきたいと考える患者さんにサプリメントを用いた治療法をおすすめしています。

例えば顔と肘、膝にアトピーによる湿疹が出ていた30代の女性には、継続的に利用する場合よりも多めのサプリメントを用意して、1ヵ月で大きな効果が出るように治療をおこないました。短期間で結果が出てくれば、患者さんの意識も変わり、生活習慣の改善の意欲も出てきます。気になるかゆみが止まるとかかずにすみ、湿疹の状態も急激に良くなっていきます。このケースでは3週間ごとに来院いただいて経過を診ているのですが、患者さん自身からも自らの生活を変える提案が出てきたりと、2回目からは笑顔の来院となりました。

骨折してしまったときに、骨に良いからカルシウムをとるというだけでは治療になりません。急性で激しい湿疹が起こっている場合には、塗り薬などの対症薬を使った治療もおこなっています。ステロイドを含んだ塗り薬は症状が軽くなったからといって途中で中断すると、かえって再発を繰り返してしまうことがわかっています。しっかりと再発しない状況まで薬を使うことが大切です。

また、アトピーによる湿疹には、活性酸素が影響しているといわれています。そんな活性酸素の抑制に効果が高いのが水素点滴です。ひどいかゆみで夜も眠れなかった患者さんがこの水素点滴をおこなった後は1日でかゆみが治まり、ゆっくり眠れたとの話も実際に聞いています。水素点滴に関心のある方はぜひ当クリニックまで問い合わせてみてください。