手術しないで視力回復!オルソケラトロジーとは?

手術しないで視力回復!オルソケラトロジーとは?

寝ている間に、視力が回復できる…視力の低下に悩まされている人には夢のようなこんな治療法があることをご存じですか?

オルソケラトロジーという治療法

コンタクトレンズ

最近ではTVなどでも取り上げられるなど注目されている治療法で、専用のコンタクトレンズを装着したまま寝ることで、翌朝には視力が回復しています。この夢のような治療法は、オルソケラトロジー(orthokeratology)と呼ばれ、アメリカで研究・開発が始められ、1950年代後半から60年代前半には臨床実験が開始されていました。

レーシックのように、レーザーやメスで角膜を削る必要がなく、低リスクなことも魅力です。また、手術をするわけではないことから、幼児から高齢者まで、幅広い年齢層への治療ができるのも特徴です。

寝ている間に装着して視力回復

眠っている女性

「でも、コンタクトをしたまま寝ても大丈夫なの?」と不安に思う方もいるかもしれません。確かに、コンタクトには酸素を遮断するものがあります。昔のコンタクトレンズはハードレンズもソフトレンズも酸素透過率が低く、ソフトレンズは「目にラップを付けるようなもの」と言われていました。

長時間使用すると、目が赤くなったり乾燥して、異物感を感じたり、コンタクトレンズが外れにくくなったりするなどのトラブルもありました。最近では、酸素透過率の高いものが多く、このようなトラブルは昔に比べ少なくなったと思います。しかし、それでもコンタクトレンズのユーザーの中には、レンズをしたまま寝ることに抵抗がある人も多いと思います。

寝ている間、人間は当然のことながらまぶたを閉じているため、角膜がとり込める酸素は激減します。ここに酸素透過率の低いコンタクトを乗せて寝てしまうと、角膜上皮細胞が増殖・再生を正常に行えずに目のトラブルを引き起こしてしまいます。しかし、オルソケラトロジーでは、酸素透過率が高い専用のハードコンタクトレンズを使うため、付けたまま寝ても、角膜を傷つけることがないのです。

オルソケラトロジー治療のメカニズム

コンタクトレンズとケース

オルソケラトロジーは角膜へ「クセ」を付ける角膜矯正療法です。角膜はいわばレンズなのですが、この中心部分をフラットにすることで、近視が解消されます。 そのために、オルソケラトロジーレンズには独特のカーブが施されています。また、夜間装着したまま寝てもトラブルが起きないよう、ドライアイ防止用の涙液のたまる窪み等が施されています。

角膜には弾力があります。また、先述のとおり、角膜上皮細胞は増殖・再生を繰り返し、新陣代謝が活発です。このような性質から、コンタクトレンズを長時間付けると角膜は形を変え、一定時間その形を保つことができます。そのため、オルソケラトロジーは、専用のコンタクトを長くつけるほど、角膜の形が安定的に維持され、同時に視力も上がります。ただし、角膜の形状が整うまでは視力が変化しやすいことに留意しましょう。

治療の効果

レンズ装着による治療を開始し、すぐに視力回復効果を感じられることも多いのですが、裸眼での視力を維持できるようになるには、それなりの期間の装着が必須です。効果には個人差がありますが、傾向として、20歳未満の場合は効果が早く現れ、30歳を過ぎると、効果の現れ方に多少時間がかかるケースもあります。

また、短期間で1.0以上まで視力が回復するケースもあれば、視力回復までしばらくかかることもありますが、安定した視力を得られるまでに、大体3ヶ月から遅くとも6ヶ月程度かかるようです。

オルソケラトロジーが向かない人

目をこする女性

なお、オルソケラトロジーでの治療が向かない人もいます。たとえば、乱視が強かったり、角膜の形状によっては、オルソケラトロジーによる治療ができないことがあります。また、治療してみてこれ以上の治療は難しいと判断される場合もあります。

例えば、治療中、夜間に光が周囲に散ったりにじんだりする現象が強く出てしまうと、それ以上の治療を進めることができません。この他に、強いアレルギーを持っていたり、強いドライアイの場合は治療ができないことがあります。

新しいオルソケラトロジー

現在、オサートと呼ばれる新しいタイプのオルソケラトロジーレンズが登場するなど、様々な症状への対応が進んでいます。オサートでは、強い近視・乱視への対応はもちろんのこと、レーザー手術後に近視が再発した場合や、円錐角膜、遠視、老眼にも対応できるようになっています。

オルソケラトロジーについての
よく読まれている記事

オルソケラトロジーをつけようとする女性1

2016/11/28

手術しないで視力回復!オルソケラトロジーとは?