パニック障害になりやすい性格とは?

パニック障害になりやすい性格とは?

パニック障害に苦しむ人は、何か性格的な傾向があるのでしょうか。パニック障害が起こるメカニズムや原因を含めて考えてみましょう。

パニック障害の傾向

家族

実は、パニック障害と性格の傾向との関連性は特に見つかっていません。そのため、例えば心配性であるとか、内向的であるなど、性格がパニック障害を引き起こすとは言えないのです。ただし、パニック障害などの不安障害に悩む患者さんに言えるのが、不安になりやすい傾向があるということです。また、遺伝的要素の影響もあるのではないかと考えられています。

パニック障害が性格と関係していると、はっきりとは言えません。さらに、パニック障害にかかる原因もよく分かっていません。しかし、パニック障害の傾向として、比較的若い20代で発症する傾向があります。また、男性よりも女性の方が発症する確率が高いのも特徴です。

パニック障害になりやすい性質

障害について悩みを抱いている女性

パニック障害にはなりやすい性質というのがあります。

例えば、もともと不安感の強いタイプ、恐怖心を感じやすいタイプ、極端な高所恐怖症や閉所恐怖症、極度の人見知りで親や兄弟と離れることが怖い…といった性質を持つ人は、強いストレスが加わると、この病気を発症することがあります。

このように、パニック障害を発症しやすい性質にはある程度傾向があります。現在考えられているのは、パニック障害は性格的なものではなく、脳の構造や働きに異常が生じて起こるのではないかというものです。

パニック障害が起こるメカニズム

脳の分析資料

パニック障害の患者さんは、自律神経系で交感神経系の緊張がみられ、繰り返す刺激に対する順応が遅くなってしまい、中程度の刺激へには過剰な反応を見せることが分かっています。

その原因は、脳内の神経伝達物質であるノルアドレナリン、セロトニンであると考えられています。

ノルアドレナリンは不安、恐怖、怒りや意欲を司る物質です。また、セロトニンは、精神の安定と意欲をわき起こす司る物質です。これらが上手にバランスよく活動することで、人間の精神は保たれます。しかし、パニック障害の場合、このバランスが崩れて起こると考えられています。

パニック障害が起こる原因

パニック障害で悩んでいる男性

考えられる原因は、ノルアドレナリンの過剰分泌とセロトニンの分泌不足、あるいは、ノルアドレナリンの受容体の過剰反応とセロトニンの受容体の反応鈍化といったものです。そのために、特に危険ではないものに対し過剰に反応してしまい、めまいや吐き気、動悸や寒気などといったパニック症状を引き起こします。

パニック障害とストレスの関係は?

パニック障害の発症に、強いストレスが関係することがあります。よくある話ですが、例えば職場や学校でのストレスもそうです。仕事や受験などでストレスを強く受けることで、この病気を発症することがあります。

また、大きく心が傷ついた過去の経験やトラウマがこの病気の引き金になることがあります。また、何の気もなしに観ているテレビやインターネットなども強いストレスとなることがあります。ちょっと観る分には良いのですが、長時間に渡り集中していると、入ってくる情報を処理しようと脳には大きなストレスがかかるのです。

お医者さんが禁止としている事

パニック障害になりやすい飲み物、嗜好品

意外なようですが、飲み物もパニック障害に関係します。コーヒーやアルコール、そして食べ物ではありませんが、タバコもパニック障害の発作を引き起こす原因になります。コーヒーの場合はカフェインが脳内のアデノシンという神経伝達物質の働きをストップさせてしまい、ノルアドレナリンの働きをコントロールできなくなり、発作を引き起します。

また、タバコはニコチン摂取をすることで正常なセロトニンが分泌されなくなるため、ニコチン切れを起こすとストレスが蓄積し、不安感が増して発作が起こることがあります。なお、アルコールですが、適度な量であればリラックス効果がありますが、それを目的に毎日のように飲酒を続けると、やがてアルコール依存症になりやすくなってしまいます。

このように、パニック障害になりやすい性質や状況というものは確かにあります。また、パニック発作を引き起こす食べ物などもあります。もしなってしまったら、治療はもちろん、医師の指示に従い、日常生活の中で気を付けるべきことを守りましょう。

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