指のしびれが悪化するときは手根管症候群かも?症状と治療

指のしびれが悪化するときは手根管症候群かも?症状と治療

この記事の監修ドクター|前田 利雄先生(まえだ整形外科・手のクリニック)

中指がしびれているかなと思っていたら、周りの指にもしびれが広がって痛みも強くなる…手根管症候群はどんな病気で、どんな治療が行われるのでしょうか。

手根管症候群とは

手根管症候群は中指からしびれの感覚が始まり、人差し指から薬指の半分と親指へと広がっていきます。明け方や起床時に強く痛んだりしびれたりすることが多くあります。数年単位の時間をかけて悪化することもあり、徐々に手の感覚が失われて行きます。

手がこわばる感覚があり、悪化すると細かな作業が難しくなり、物をつかむ時に痛む、うまく物を掴めずに落としてしまうことが増えます。手を振ったり曲げ伸ばししたりすると痛みやしびれが多少楽になりますが、悪化すると親指の付け根の筋肉が痩せて行きます。

こんな症状が出たら手根管症候群!?

手根管症候群の発症傾向

手根管症候群は中指からしびれの感覚が始まり、人差し指から薬指の半分と親指へと広がっていきます。明け方や起床時に強く痛んだりしびれたりすることが多くあります。数年単位の時間をかけて悪化することもあり、徐々に手の感覚が失われて行きます。

手がこわばる感覚があり、悪化すると細かな作業が難しくなり、物をつかむ時に痛む、うまく物を掴めずに落としてしまうことが増えます。手を振ったり曲げ伸ばししたりすると痛みやしびれが多少楽になりますが、悪化すると親指の付け根の筋肉が痩せて行きます。

手根管症候群と腱鞘炎の違い

手や指が痛む病気に腱鞘炎がありますが、手根管症候群とどのような違いがあるのでしょうか。

症状の現れ方の違い

腱鞘炎はどの指にも起こる病気ですが、手根管症候群は親指から薬指の半分と範囲が決まっています。しびれ始めるのも中指から始まることが多いです。

原因の違い
腱鞘炎は指を動かす腱が通る腱鞘という部位で炎症が起きます。手根管症候群は手首に近い手根管という神経と腱が同じトンネルを通っている部位で神経の圧迫が起きて、痛みやしびれが起こります。

手根管症候群になりやすい人

ボルダリング

手根管の圧迫が原因の病気ですので、スポーツや仕事で手首をよく使う、酷使する人がかかりやすいと言われていますが、原因不明の場合が多い病気です。成人女性に多い病気でもあり、妊娠出産期と更年期にかかることが多く、ホルモンバランスの乱れによるむくみが原因と考えられています。むくみによって腱鞘が手根管を圧迫して、手根管の中の神経を障害して症状が起こることが多いようです。

手根管症候群の診断

問診

痛み始めた時期や部位、痛み方、何をするときに痛むかなどを調べます。

ティネル様サイン陽性

手根管の上を打腱器で軽くたたき、指先に痛みやしびれが走るようなら手根管症候群の疑いがあります。

ファーレンテスト陽性

胸の前で両手の甲を合わせてしびれや痛みがひどくなるようなら手根管症候群の疑いがあります。

他の病気の可能性

手や指がしびれる病気はほかにいくつもあり、脳や脊髄の病気など重篤なものも含まれます。これらの病気の可能性はないかどうか?を慎重に排除して診断します。

手根管症候群の治療とは

患部の固定と安静
装具などで手首を固定し、安静にする治療がまず行われます。患部を休ませながら湿布などを張って経過を見ます。この治療法だけでも回復する場合もあります。改善されない場合は注射や手術などの治療法へ進みます。
薬の服用
消炎鎮痛剤やビタミン剤などが処方されます。
ステロイド剤の注射
悪化して痛みがひどい場合などは、患部に直接ステロイド剤を注入する注射が行われることもあります。
手術
手根管を切り開いて神経の圧迫を取り除きます。腱鞘を内視鏡下で行う手術と直視下で行う手術がありますが、どちらも小さな切開で済むようになっています。

悪化するとつらい病気です。早めの受診と治療を!

始まりは小さなしびれや痛みですが、広がって悪化していく病気です。生活に支障が出る前に治療を開始できると治りも早くなります。手指に違和感を感じたり、手根管症候群かなと思ったら、早めに整形外科を受診しましょう。