ヒアルロン酸は塗っても飲んでも効果は期待できない?

ヒアルロン酸は塗っても飲んでも効果は期待できない?

老化を防ぐためのために摂取すべきだとされる成分がいくつかあり、代表的なものにヒアルロン酸があります。化粧品やサプリメントのパッケージでも大きく「ヒアルロン酸配合」などと謳われているのをよく見かけますが、効果のほどはどうなのでしょうか。

ヒアルロン酸とは何か

王冠の形をした水滴

ヒアルロン酸という名前だけ先走って老化を防止することを目指す女性の間で広まっていますが、ヒアルロン酸とは何かということから触れます。ヒアルロン酸は、体の中で皮膚や筋肉、軟骨を構成する主成分となり、また体内に無数に存在する細胞と細胞を繋ぎ合わせる結合組織の主成分として、人間の体にとってなくてはならないものです。眼球の中のガラス体成分として発見され、眼球の水分を99%も保つ、その高い保湿力に注目されました。

ヒアルロン酸は、肌の中では真皮に元々備わっていて、弾力保持をしているので、老化を防ぐためにも不可欠な成分です。しかし体内のヒアルロン酸は、加齢と共に減少していき、肌老化が起こります。そこで体外からヒアルロン酸を取り入れようということになり、化粧品やサプリメントが開発されました。

ヒアルロン酸の効果の限界

化粧水を使う女性

ヒアルロン酸の含まれる化粧品は、ヒアルロン酸の高い保湿力によって、肌の一番上の角質層の水分をキープし、小じわの予防や改善、肌のバリア機能を高めることに効果的です。しかし、化粧品に含まれるヒアルロン酸は分子が大きく、塗っただけでは角質層に留まり、その下の真皮までは届きません。

そのため、体に元々備わるヒアルロン酸にとって代わる弾力保持の働きはできません。つまりヒアルロン酸の化粧品を塗っても老化を防ぐための効果がないとはいえませんが、効果の現れ方は限られます。

それでは、ヒアルロン酸のサプリメントで老化を防止する効果は一体どれ位あるのでしょうか。実はヒアルロン酸のサプリメントを飲んでも、加齢と共に減少するヒアルロン酸を補えるという保証はどこにもありません。飲めば胃酸でバラバラに分解されますので、ヒアルロン酸そのままの形で吸収されることはまずなく、またそこから再構成されてヒアルロン酸となるかも不明なのです。

体内のヒアルロン酸を保ちましょう

水面に浮かぶ花

化粧品やサプリメントでは本来の働きを取り戻せないヒアルロン酸を十分な量、体内で保つには、まず、ヒアルロン酸の体内での生成を促すこととヒアルロン酸の分解を阻害することが挙げられます。

ヒアルロン酸の分解を阻止するために

ヒアルロン酸を体内で分解するのは、ヒアルロニダーゼという酵素で、それに対抗できるのはレスベラトロールというポリフェノールの一種です。赤ワインなどに含まれ、老化を防ぐためのためにはおすすめです。また、ヒアルロン酸の生成には、プロテオグリカンという成分が作用します。こちらは成分としての形そのままで体内に吸収されるので、サプリメントを飲むことでも効果が出ます。

ヒアルロン酸を注入

美容外科のヒアルロン酸注入の活用

それから、老化を防止する施術として、美容外科で行われるヒアルロン酸注入があります。肌の奥にある真皮に直接ヒアルロン酸を注入することにより、真皮を満たし、肌表面に出てきていたシワやたるみをなくし、弾力のある肌に導きます。これによりスキンケアでの改善が難しい深いシワなどもなくせ、即効性の高い老化を防ぐための手段になります。シワの線に沿って小さな注射器で注入する簡単な施術ですし、元々体内に含まれる成分のヒアルロン酸にはアレルギーがないため、安心して受けられます。

特にヒアルロン酸注入が効果的な部位として、前額・目の下・鼻・ほうれい線・こめかみ・涙袋・唇・あごが挙げられますが、意味のない部位へ注入してしまうと逆にコブができてしまうなどのトラブルになりますので、老化を防止する施術に長けた美容外科医と相談のうえ、決めましょう。