腎臓の病気というと怖いイメージがありますね。詳しく知って、治せる病気という知識を増やしていきましょう。
皆さん、腎臓の病気に興味はありますか?糖尿病や腎不全など、腎臓病はたくさん日常生活で耳にすると思いますが、あまり詳しくは知らないのではないでしょうか。なんとなく、怖い病気だということだけ知っていると、不安になってしまいますよね。今回は、人工透析と、腎不全について詳しく見ていきましょう。
腎不全ってどういう病気?
腎臓は、本来、
- 老廃物を尿として排出する
- 体内の水分・電解質量を調節する
- 赤血球やホルモンを不活性化、活性化させて調節する
などの働きを担っています。
腎不全とは、簡単に言うと「腎臓の異常によって、腎臓の本来の働きが失われている状態」です。腎臓には体の中を循環している血液をろ過するための「糸球体」という構造がありますが、その網の目が腎炎などによって詰まってしまうことで十分に血液がろ過できなくなってしまいます。そのために腎臓の本来の役割が果たせなくなっている状態なのです。
腎不全には慢性と急性があります
厳密にいえば、腎臓機能の30%が失われると腎不全の状態であると規定されています。腎不全には急性と慢性、2つの腎不全があります。慢性の場合は、糖尿病などによって、尿量が少なくなっていきます。
急性の場合は、脱水や薬剤が原因となりますが、「急性」というだけあって、急激な経過で腎不全になります。回復しない場合、急性、慢性どちらも「尿毒症」に帰結します。尿毒症とは、体内の窒素量が多くなり、全身的に異常が起きてくる状態です。さらに慢性腎不全では、徐々に血液をろ過している糸球体が線維化してしまって詰まるようになります。症状だけ聞いているととても怖そうな病気だということがお分かりになったかと思います。
人工透析とは
腎の病気である腎不全ですが、腎臓が正常に働かなくなったら、一体どのようにして治療すればいいのでしょうか?その答えが人工透析です。腎臓の機能がほとんど失われた場合、人工的に血液をきれいにして、また元の体に戻すという循環を行って、腎臓が本来行っている機能を補っていかなければいけません。
人工透析には、2つの種類があります。
①血液透析
血液透析とは、血管から血液を体外に取り出して、透析装置を使い、老廃物や水分、電解質の異常を元に戻してから体内に血液を戻すという方法です。日本では、血液透析のほうが圧倒的に受けている人が多いです。
週3回程度の通院と、透析中はベットで安静にしていなければいけません。腹膜透析よりも、尿の排泄という点では効果がすぐに表れてきます。透析をしている時間は腹膜透析よりも短時間で済みますが、ベッドで拘束されている時間が生まれてしまいます。
②腹膜透析
腹膜透析とは、カテーテルから腹腔内に透析液を注入して、腹膜を介して自然に老廃物や水分、電解質の異常を元に戻し、少しずつ透析液を交換していく方法です。これは一日に4回程度患者か家族が透析液の交換を行わなければいけないため、血液透析より頻度も多く、手間がかかるかもしれません。しかし、通院については月に1回程度のため、自宅や職場など、日常生活の中で透析を行うことができます。
この2種類の方法は、はじめにどちらかを選んだからと言って、ずっとその治療法を続けなければいけないわけではありません。途中で体や、ライフスタイルに合わせて変更することもできますので、2つの透析の特徴を知っておきましょう。
腎臓の働きについて、腎不全について、人工透析についてお話してきました。腎不全は治せる病気です。きちんと知って、知らない怖い病気を減らしていけたらいいですね。