最近よく、漢方薬という言葉をCMや新聞、街中広告などで目にしませんか?漢方薬を買う際にとても重要な、薬局の漢方薬と、医療用漢方薬の違いは何でしょうか。
「漢方なんて病院で買っても薬局で買っても実際は同じなんじゃないの?」と思われている方も多いかもしれません。そこで、今回は両者の違いを理解したうえで、最適な漢方薬の処方を受けていただきたいと思います。一緒に最適な漢方薬について考えていきましょう。
漢方薬とはどんな薬なのでしょうか
漢方薬とは、石、植物など自然由来の物の中から、実際に病気に良い効果を示すものを組み合わせた薬です。漢方に使われる自然物は残念ながら単体ではあまり効果を示しません。実際に病気にいい効果を示すものを生薬といいますが、それを複数組み合わせて使うことで初めて効果を示す薬になります。
生薬を複数組み合わせた状態の物を漢方薬といい、混ぜる分量や混ぜ方、比率などは厳密に定められています。
私たちが普段使っている西洋の薬は薬効があるものから、薬の効果を盛る成分だけを抽出、生成して作られている物ですので、複数の成分を組み合わせていく漢方薬は対極の存在になっていると言えますね。
漢方における治療とは
漢方の世界では、治療とは患者さんの心身を総合的に判断して、それを治すために行われます。ですから、病気に合わせてではなく、患者さんの症状に合わせて漢方薬は処方されており、患者個人に合わせた治療が行われることになります。
薬局の漢方薬と医療用漢方薬の違いとは
では、本題に入ります。薬局の漢方薬と医療用漢方薬の違いは一体何なのでしょうか?薬局の漢方薬は地域の薬局で通常購入することができる漢方薬、医療用漢方薬は病院で、処方箋をもらってから、処方してもらうものになります。
薬局やドラッグストアでは、実際に薬剤師さんに相談しない限りは患者さんが個人の判断で薬を買うことができます。医療用の処方箋は、実際にお医者さんに診断してもらってから、処方されます。
詳しく、両者の違いを見ていきましょう。
漢方薬の構成成分の違い
あまり違いは見られませんが、構成成分が異なります。薬局の漢方薬は医療用漢方薬よりも生薬エキス量は少なくなっています。詳しくいうと、薬局は抽出エキスの50%以上で作ることができますが、医療用はエキスの全量を薬剤として使用しなければいけません。この点で、薬の違いが出てきています。
薬局で買う漢方薬は、副作用の発現を少なくする目的もあり、エキス量を少なくしているものもあり、症状に対して試しに買ってみる分には十分な効果を発揮すると思います。ある症状に対して処方された漢方薬は、成分自体は両者に変わりはありません。
値段の違い
医療用漢方薬は、保険が適用されます。薬局の漢方薬は全く保険が適用されず、個人で全額負担することになります。保険が適用される漢方薬については、薬局よりも安価に服用できるかもしれませんが、漢方薬は保険適用される薬があまり多くはありません。値段について、あまり違いは見つけられないかもしれません。
処方に関して
漢方薬は、病院でも薬局でも処方してもらうことができます。しかし、医者は医学に精通しているプロフェッショナルですが、薬局で努めている薬剤師はもちろん、薬のプロフェッショナルになります。漢方薬も薬ですので、薬剤師さんのほうが詳しく処方してくれるかもしれませんね。
両者の使い分け
漢方薬も薬ですので、自然由来のもので作られているとはいえ完全に副作用がないというわけではありません。副作用を気にされる方や、旅先など急に漢方薬が必要になった方は薬局での購入が適切でしょう。多少の時間を待っても、診察を受けてから漢方薬をきちんと処方してもらいたいという方には医療用漢方薬がお勧めです。
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