この記事の監修ドクター|矢部彰久先生(沼南ハートクリニック)
発作がつらい狭心症。病気や症状に対する理解を深め、気になる症状が思い当たる場合は早めに受診しましょう。
どんなときに発作が起こる?
- 運動中
- 階段や坂道をのぼる
- 重い荷物を持つ
- 急いで歩く
- 入浴中
- テレビや映画などで感情的になったとき
- 急に寒いところに入ったとき
- 午後よりも午前中に起こりやすい
- 夏よりも冬に起こりやすい
血流が増えるときや血圧が上がるときに起こりやすく、決まった場面で起こることが多いのですが、症状が進行すると安静時や睡眠中にも起こるようになり、発作が起こる場面が増えていきます。また、発作の持続時間も長くなります。
狭心症の種類で症状の現れ方が変わる?
- 労作性狭心症
- 動脈硬化性の狭心症です。運動中や心臓に負荷がかかったときのみ発作が起きますが、安静にすると収まります。悪化すると運動負荷の軽いものでも発作が起きるようになります。
- 安定狭心症
- 労作性狭心症のうち、決まったきっかけで発作が起きるものを言います。決まったきっかけで起こるので、それを避けることで発作を予防することができます。
- 安静時狭心症
- けいれん性の狭心症で、冠動脈の攣縮(れんしゅく=けいれんと収縮)によって起こります。睡眠中や安静にしているときにも発作が起こります。発作時間が長くなる場合もあります。
- 不安定狭心症
- 発作の頻度が高くなり、持続時間も長くなります。また、安静時にも発作が起きるようになり、心筋梗塞に移行する危険性が高くなります。
発作が起こったときの対処法
すでに発作を起こした経験があり、専門医から薬の処方を受けている場合はその薬を服用します。ニトログリセリンは狭心症の発作を止める薬で、スプレータイプや舌下錠タイプがあります。
発作が起こってしまったら、安静にして様子を見ます。数分で収まることが多いのですが、ニトログリセリンを使用しても改善しない場合や、30分以上持続する場合は重症化していることが考えられますので、救急車を要請して救急で処置を受けてください。
5分以内で発作が収まった場合も、できるだけ早く専門医を受診し、検査を受けるようにしましょう。
狭心症は内科、循環器内科、循環器科
専門医を受診しましょう
狭心症の症状は胸が痛むだけでなく、痛む部分も広範囲で、痛み方も違和感程度から激痛までさまざまです。発作のきっかけとなる運動や動作も一緒に考えるとよいでしょう。
狭心症は心筋梗塞に移行することもある病気です。思い当たる症状がある人は、悪化する前に内科、循環器内科、循環器科専門医を受診して、検査を受けましょう。