この記事の監修ドクター|矢部彰久先生(沼南ハートクリニック)
狭心症の原因は大きく分けて、動脈硬化とけいれんの2つです。狭心症が起こるメカニズムから見ていきましょう。
狭心症の原因① 動脈硬化
動脈は心臓から血液を送り出す際に使われる血管です。動脈硬化はこれらの動脈がさまざまな原因から狭くなったり硬くなったりして、血流が悪くなっている状態です。心臓の冠動脈で動脈硬化が起きると、一時的な詰まりの場合は狭心症が起こり、完全に詰まってしまった場合は心筋梗塞が起こります。
動脈硬化が原因の狭心症の場合、発作のきっかけは運動などで血流が増えたり、血圧が上がるときです。
- 高血圧
- 高血圧は血管に負荷をかけている状態です。血管内部が傷つきやすくなるなど、動脈硬化を促進します。
- 高脂血症(脂質異常症)
- 血中の悪玉コレステロールが高いまま保たれている状態です。悪玉コレステロールは血管内のプラークに付着して、血管を狭くします。。
- 喫煙
- 喫煙は血圧を高め、血管を収縮させるため、動脈硬化が起きやすくなります。
- 糖尿病・肥満
- 血糖値が高いまま保たれ続けることで、血管内部が傷つき、プラークが作られやすくなります。また、血糖値が高いと血管の動脈硬化を抑える働きが阻害され、動脈硬化が起こりやすくなります。。
■狭心症の原因②
冠動脈の攣縮(れんしゅく=けいれんと収縮)
心臓の冠動脈が強いけいれんと収縮を起こし、血流が悪くなります。冠動脈に動脈硬化がなくても狭心症が起こります。冠動脈の攣縮で起こる狭心症は、運動などの心臓負荷とは関係なく、安静時や睡眠中にも発作が起こります。
冠動脈の攣縮は、喫煙やストレス、疲労や不眠、アルコールなどが誘因となることがわかっています。これらの生活習慣の他、女性よりも男性に起こりやすいこともわかっています。
生活習慣の見直しが大切です
狭心症の原因は、動脈硬化と冠動脈の攣縮と、大きく分けて2つです。どちらも原因も生活習慣に大きく関わっていますので、なりやすい生活習慣を避けるよう、生活を見直してみると良いでしょう。
心配なことや気になる症状がある人は、内科、循環器内科、循環器科専門医へ受診しましょう。