緑内障の診断に必要な検査

緑内障の診断に必要な検査

この記事の監修ドクター|森田 哲也先生(もりた眼科クリニック)

緑内障と診断するために必要な検査があります。目的や方法など、検査の前に知っておきましょう。

緑内障は気づきにくい病気です

緑内障は気づきにくい病気です。自覚症状は、見えない部分(暗点と言います)が増えたり大きくなったり、見える範囲(視野と言います)が狭くなっていくといったものです。普段両目で物を見ているため、左右どちらかの目で不自由さを補い合っており、異常に気付くまでに時間がかかるケースが多いのです。異常に気付いた時には緑内障がかなり進行していることも多くあります。

緑内障の診断に必要な検査は5つ

緑内障は次の5つの検査によって診断されます。

レザー治療イメージ

①細隙灯検査(さいげきとうけんさ)
細い隙間(スリット)から出す細い光を目の各所に当てて、顕微鏡で拡大して行う検査です。光を使う検査ですので暗い部屋で行います。
②眼圧検査
目は通常房水という水が内部を巡り、隅角という箇所から流れ出ていることで一定の硬さ(眼圧)を保っています。眼圧を測定することは、緑内障の治療と経過をみていくために大切です。検査は点眼の麻酔をして直接チップを当てて測定する方法と、目に空気を吹き当てて測定する方法があります。
③隅角検査(ぐうかくけんさ)
房水の出口である隅角の状態を調べて、緑内障のタイプや原因を見極めます。特殊な検査用のコンタクトレンズを用い、顕微鏡で観察します。
④眼底検査
目の底の眼底部にある視神経乳頭の形状や神経線維の状態を調べる検査です。暗点は視神経の障害によって起こるものですので、障害の箇所や程度を調べるために行います。眼圧が正常範囲であっても緑内障は起こりますので、この眼底検査は重要です。
⑤視野検査
見えている範囲(視野)を調べるための検査です。緑内障の進行度合いも調べることができます。通常両目で見ているために気付くことが難しい視野異常を、片目ずつ検査することで調べることができます。

レザー治療イメージ

視野計という特殊な機械の前で、中央のマークを見つめたときに周囲に見える点をチェックします。点はあちらこちらに点滅して暗点や欠損部を探しますので、両目で20分ほどかかります。視野の明暗による見え方の違いも調べるため、検査中に見えているのかどうかが分からなくなったりしますし、疲れて注意力が途切れてしまうこともありますが、途中休憩もできますので頑張って受けましょう。

その他の検査

必要に応じて以下の検査が行われます。

視力検査

学校の健康診断などでおなじみの検査ですが、眼科ではより時間をかけた正確な検査を行います。既定の明るさの下で、Cの文字と似た記号の切れ目を5メートル離れた位置から見て答える検査です。

目の検査

画像解析検査

網膜の状態をコンピューター解析する検査です。視神経乳頭の形状や神経線維の厚みを精密に測定することが可能で、緑内障の早期発見が可能です。

異常に気付いたら早めの受診を

自覚症状が少なく気づきにくい病気である緑内障も、検査を行えば異常がはっきりとわかります。早期発見と早期治療で、日常生活に支障なく過ごせる可能性のある病気でもあるのです。小さな自覚症状も軽くみず、異常を感じたら早めに眼科専門医を受診しましょう。