生活習慣病と睡眠時無呼吸症候群の関係は深い!?

生活習慣病と睡眠時無呼吸症候群の関係は深い!?

この記事の監修ドクター|野島 大輔先生(さがみ野内科・呼吸器クリニック)

生活習慣病と睡眠時無呼吸症候群は、原因や悪化要因、合併症と、互いに深く関わっています。

睡眠時無呼吸症候群とは

寝ている男性

呼吸器のうち、鼻から鼻腔を通って気道の入り口である喉頭までを「上気道と呼びますが、この上気道のどこかがふさがってしまって呼吸が止まる病気です。睡眠中に呼吸が止まるので、睡眠時無呼吸症候群と言います。

睡眠時無呼吸症候群の原因はさまざまで、主な原因が肥満による首回りの脂肪で上気道が圧迫され、呼吸が止まってしまうことがあり、肥満などの生活習慣病と深いかかわりのある病気です。

生活習慣病は睡眠時無呼吸症候群の原因になる?

肥満が睡眠時無呼吸症候群の原因になると述べました。肥満は多くの生活習慣病の原因となります。高血圧や高脂血症、脳卒中や心不全などの生活習慣病は、全身の血流に影響する病気です。このため、脳の血流も不足しがちになり、呼吸中枢に悪影響が及び、睡眠時無呼吸症候群が引き起こされることもあります。

また、睡眠時無呼吸症候群がさまざまな生活習慣病の原因になることもわかっています。睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病は深く関わっているのです。

睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病を悪化させる?

肥満の人は要注意!

肥満である人は生活習慣病になりやすく、また、睡眠時無呼吸症候群にもかかりやすいことがわかっています。さらに、睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、生活習慣病にかかりやすいこともわかっており、どちらの治療や予防にも、生活習慣の改善は効果的です。

食事

生活習慣の改善が効果的です

①食生活

肥満の人が食生活を改善して減量すると、睡眠時無呼吸症候群の症状も改善するケースが多く見られます。また、治療によって改善が見られても、治療を辞めると睡眠時無呼吸の症状が復活してしまう場合も多く、症状の改善のためにも、根本治療のためにも、食生活の改善はとても需要です。

体重を1割減量すると、睡眠時無呼吸症候群の患者さん3割が治るとの報告もあります。栄養指導を行う医療機関も増えていますので、焦らず着実に1ヶ月に1㎏を目標に体重を落としていきましょう。運動を合わせて行うと効果が上がります。

②アルコール

アルコールは筋力を低下させますので、上気道の筋力不足で睡眠時無呼吸症候群の症状が現れている患者さんには、就寝前のお酒は禁物です。また、就寝前にお酒を飲むと良く眠れるように感じることは多いですが、睡眠時間の後半は、逆に睡眠が浅くなることが多いです。

少量で適度なアルコールは、脳や神経の興奮を抑える効果があります。飲み過ぎず、適量を心がけましょう。

③運動

肥満の改善のためには運動は欠かせません。食生活の改善とともに運動も生活に取り入れていきましょう。運動強度の低いウォーキングや水泳、水中ウォーキングやランニングなどを、30分以上継続して行うと効果的です。好きなスポーツを見つけて、定期的に長く続けられると良いでしょう。

睡眠時無呼吸症候群が悪化すると
生活習慣病になる?

血圧を測っている様子

高血圧に2倍なりやすい

睡眠時無呼吸症候群の患者さんの半数から9割に、高血圧を合併している患者さんがいると言われています。また、睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、健康な人の2倍、高血圧になりやすい都のデータもあります。

これは、睡眠中の無呼吸状態によって脈拍が上がることで、自律神経のうち活動時に働く交感神経が睡眠中も優位になってしまいます。交感神経には血管を収縮させる役目もありますので、本来は血圧が低い睡眠中も血圧が上がってしまい、血管にかかる負担を増やしてしまいます。

脳卒中は2~3倍なりやすい

睡眠時無呼吸症候群の重症患者さんは、睡眠時無呼吸症候群でない人に比べて、脳卒中を3倍発症しやすいとの報告があります。軽症の場合でも2倍近くリスクが高まります。また、若年性脳卒中の多くは、睡眠時無呼吸症候群を基礎疾患として持っているとの報告もあります。

心筋梗塞には3倍なりやすい

睡眠時無呼吸症候群は、高血圧の原因になり、高血圧は動脈硬化の原因となります。動脈硬化で負担がかかり、もろくなった心臓の血管が破れる心筋梗塞が起こりやすくなるのです。

糖尿病になりやすい

睡眠時無呼吸症候群の患者さんの半数から9割に、高血圧を合併している患者さんがいると言われています。また、睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、健康な人の2倍、高血圧に睡眠時無呼吸症候群はホルモンバランスにも影響することがわかっています。このため、血糖値を調整するインスリンというホルモンの分泌が悪くなり、糖尿病が引き起こされやすくなります。

いずれの病気も早期治療が大切です。
早めの受診を!

生活習慣病と睡眠時無呼吸症候群は、互いに原因となり、悪化の要因や合併症となって関係しています。実際に、睡眠時無呼吸症候群の治療が進むと、生活習慣病の改善も見られる患者さんは数多くいます。いずれの病気も早期治療が大切です。気になる症状がある人は、早めの受診をお勧めします。