あなたは大丈夫?!危険な「睡眠時無呼吸症候群」

あなたは大丈夫?!危険な「睡眠時無呼吸症候群」

夜にきちんと寝ているのに、朝起きたときに体がだるい、なぜか昼間に物凄い睡魔に襲われる、といった経験はありませんか?もしそうなら、それは「睡眠時無呼吸症候群」の疑いがあります。

睡眠時無呼吸症候群の特徴

うなされる男性

その特徴としては、眠っている時にある一定の時間、呼吸が停止してしまうのが特徴です。ただ、自分が寝ている間の事なので、呼吸が停止している事に自分で気付くことが出来ません。そのため、自覚することがたいへん難しい病気といわれています。

睡眠時無呼吸症候群の怖さ

ベッドとまくら

本来、睡眠は脳と身体を休息させるためのものです。しかし、睡眠中に呼吸停止が何度も繰り返されると、脳や体内の酸素量がどんどん減少していきます。そうなると、身体は心拍数を上げて酸素不足を補おうとします。結果、寝ているのにも関わらず、脳も身体も覚醒状態になってしまうのです。

このような質の悪い睡眠は、日中の強い眠気や倦怠感、集中力低下、慢性的な睡眠不足などを引き起こし、同時に高血圧や糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、といった病気の発症リスクを高める原因にもなるのです。

チェックしてみましょう

イビキ以外にも、睡眠時無呼吸症候群には以下の症状もあります。是非、家族やパートナーに聞いて、チェックしてみてください。

  • いつも、大きなイビキをかく
  • 睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことがある
  • 夜中に息苦しくて目が覚めてしまう
  • 夜中に何度も目が覚めることがある
  • 朝起きると口の中がカラカラに乾いている
  • 朝目覚めた時、倦怠感や疲労感を感じる
  • 昼間に強い眠気に襲われる
  • ここ数年で体重が増加した

以上の8項目で、一つでも該当する人は睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。その場合は、直ぐに専門の医療機関で検査を受けることをお勧めします。

睡眠時無呼吸症候群の検査と治療

睡眠時無呼吸症候群は、終夜睡眠ポリグラフ検査で筋肉や眼球運動、脳波に異常があるかを調べ、そこでもし異常が見つかれば、症状に合った治療を施していきます。

眠っている女性

軽症:マウスピース療法

症状が軽度な場合は、マウスピースを使った治療を行います。スリープスプリント呼ばれるマウスピースを装着し、下顎が上顎よりも前にくるようにきっちりと固定させます。そうすることで上気道が拡張され、無呼吸状態やいびきを防止するのです。

マウスピース療法は、2004年から健康保険が適用されるようになりました。しかし、症状の比較的軽い人に対しては、ある一定の効果が得られているのですが、症状が重篤な人には十分な効果が得られていないのが現状です。従ってその場合は、次に挙げるCPAP(シーパップ)療法が適用されます。

重症:CPAP(シーパップ)療法

CPAP(シーパップ)療法とは、症状が比較的重い人の治療における治療方法の一つです。就寝時に、鼻から口を覆うマスクを取り付け、気道に空気を送り込みます。そうすることで気道が拡張し、楽に呼吸ができるようになる治療方法です。この方法は安全性も高いので、日本だけでなく、グローバル的にも認められています。

最大のメリットは、通院する必要が無く、医療機関から機械をレンタルし、自宅で治療が行える点です。更に、精密検査でAHI20以上(無呼吸低呼吸の状態が1時間に20回以上見られる場合)の人は健康保険の対象となります。治療開始から割と早い時期で症状の軽減・改善が見られ、結果に十分な満足を得ている人がかなり多く、支持を得ています。

手術

無呼吸の原因が、アデノイドや扁桃肥大等にある場合には、摘出手術がある程度有効なのかもしれません。しかしそれは副作用を伴うだけでなく、症状が改善する確率が50%程度で、残念ながら再発してしまうケースも多いのです。それゆえ現在は、健康保険が適用されるCPAP療法やマウスピース療法が主流となっています。

睡眠時無呼吸症候群は自覚しにくい病気ですが、まずはセルフチェックで自分の状態を知り、必要に応じて自分に合った対処方法をとることがとても大切です。