日帰りでできる白内障手術ってどんな手術?

日帰りでできる白内障手術ってどんな手術?

この記事の監修ドクター|桜田 伊知郎先生(さくらだ眼科)

白内障の根本治療である手術を、日帰りで受けられるクリニックが増えています。手術の内容や適用条件、費用などを見ていきましょう。

白内障とは

目の部位の説明

瞳孔(ひとみ、茶目)の裏側でレンズの役割をしている水晶体が濁ってしまい、光を通しにくくなる病気です。
原因は加齢(老化)や生活習慣病などの病気の合併症、遺伝やアトピー、ケガなどの外傷とさまざまですが、これらによって水晶体のたんぱく質が酸化ストレスにさらされて、異常に変性している状態です。

初期は自覚症状がない場合が多いですが、視力低下が起こります。症状が進行すると視界がかすんだり、暗く感じたり、光を異常にまぶしく感じたりします。

白内障手術とは

白内障と診断されたら、点眼薬の治療から始めることが多くあります。しかし、点眼薬では白内障の進行を遅らせる効果にとどまり、視力の回復はできません。根本的な治療は手術となります。生活に支障を感じるようになったら、手術が行われます。

白内障手術は水晶体の入っている袋である水晶体嚢に小さな穴をあけ、中の水晶体を粉砕して吸い出します。レンズの役割をしている水晶体がなくなってしまうので、代わりに人工眼内レンズを置きます。局所麻酔で行い、手術自体の所要時間は症例により5~20分ですが、術後数時間は安静にお過ごしいただくことが必要です。

日帰り手術が向いている人

女性の眼

白内障手術は、病院やクリニックによって日帰りでも入院でも受けることができますが、それぞれ適用される場合とされない場合があります。日帰り手術が適用される条件を挙げてみましょう。

手術当日に家族などの付き添いで帰宅できる人

手術をした目には当て金を当てるため、全く見えない状態となります。反対側の目は見えますが、麻酔薬の影響や緊張のため、ふらふらしている場合があります。出来るだけ付き添いの方とご一緒にお帰りいただくことをお勧めしています。

手術後、確実に通院が可能な人

手術翌日には必ず、その後も週に1回ほどの通院が数か月にわたって必要になります。手術翌日に受診できない方は、入院可能な施設での手術が必要です。

手術後しばらくの間、医師の指示を守り、安静と点眼を欠かさず行える人

手術後数日は炎症と感染予防のための点眼薬を1日に約3回行う必要があります。また、手術の傷が治るまでの1ヶ月間は眼をこすったり、衝撃を与えたりしてはいけません。認知症などで、医師の指示を理解できない方や術後の安静が困難な方は、入院での手術が安心です。

白内障日帰り手術の費用

保険診療の場合、当院(さくらだ眼科)窓口でお支払いただく費用(負担金)の場合、片目につき、手術代、眼内レンズ、処置代含めて1割負担の方で約20,000円が目安です。患者様ごとの色々な条件によって負担金には差がありますので、詳細は当院窓口でお尋ねください。

生命保険ご加入中の方は給付金が支給される場合がありますので、実質負担がゼロに近い金額で手術を受けられる場合もございます。詳細はご加入の保険会社にお尋ねください。

専門医としっかり相談をして
安心して手術を受けましょう

白内障の根本治療である手術を日帰りで受けられるのはとても便利です。日帰り手術を希望する人は専門医へ充分な相談の上、安心して臨めるようにしましょう。