この記事の監修ドクター|藤村 真美先生(マアク皮膚科)
ニキビのケアは順番や方法を間違えると逆効果になります。ニキビのケアについて見てきましょう。
ニキビ治療で処方される薬とは
- 外用薬の種類
- 外用薬(塗り薬)には、ニキビの原因菌であるアクネ菌を殺菌して炎症を抑える抗生物質、皮脂の過剰分泌を抑えて思春期ニキビに効くイオウ製剤、毛穴のつまりを解消する角栓除去薬、アクネ菌の活動を抑えて痛みや腫れを軽減する抗炎症剤などがあります。
- 内服薬もあります
- 内服薬(飲み薬)には、アクネ菌を殺菌する抗生物質、皮膚の状態を整える各種ビタミン剤、アクネ菌の繁殖を抑えて炎症を鎮める抗炎症剤の他、ニキビになりやすい体質を改善する漢方薬などがあります。
ニキビは基本のケアが大切です
ニキビ治療は皮膚科で行えますが、毎日のスキンケアや生活習慣も、治療効果を大きく左右します。つまり、ニキビ治療とは、皮膚科での治療と、セルフケアの二本立てで行うものなのです。
洗顔の方法と注意
ニキビは汚れなどで毛穴が詰まり、皮脂や古いタンパク質にアクネ菌が繁殖して起こる皮膚病です。洗浄する事で汚れを落として毛穴のつまりをとりたいと考えてしまいがちですが、ゴシゴシと強く洗うのは、肌荒れの元になり逆効果です。
洗顔は、「シンプルな洗顔料」を「泡にして」「優しく」「1日に2回」行うのが基本です。まずシンプルな洗顔料というのは合成界面活性剤が入っていないものを選ぶと良いでしょう。石鹸がおすすめです。
泡で洗うのは頼りなく感じるかもしれませんが、泡を顔に乗せておくだけでも不要物はちゃんと落ちます。特に皮膚の状態が気になるときは、石鹸も使わずに、ぬるま湯で洗うだけにとどめると良いでしょう。スクラブが入ってるフォームや洗顔ブラシも皮膚の表面を傷つけますのでお勧め致しません。
回数は1日に2回が基本ですが、よく汗をかく人や、運動や外仕事で顔が汚れる人はその都度洗いましょう。
洗顔後のケアは?
こすらずに、というのは洗顔後の水分を拭き取るときも同様です、タオルを顔にとんとんと押し当てるようにして、水分をしみこませて取りましょう。また、洗顔後の化粧水は、乾燥しがちなニキビ肌には大切です。
化粧水もシンプルなものを選びたいものですが、保湿力はもっとも大切です。意外に思う人が多いようですが、ニキビは乾燥が皮脂の過剰分泌の原因となって起こることが多いのです。保湿力の高い化粧水でケアしましょう。保湿力、毛穴の引き締め効果、美白効果などに優れた、ニキビ肌に最適なビタミンCローションがお勧めです。
日中のケアで注意したいこと
日中のケアで欠かしてはならないものが日焼け止めです。紫外線は皮膚への負担を増し、角化してニキビを悪化させたり、色素沈着を起こします。また、日差しが強い季節や天気に限らず、紫外線は一年中、曇りの日にも降り注いでいます。
ニキビの上に日焼け止めを塗ることに抵抗があるかもしれませんが、日焼け止めの選び方に気を付けるとニキビを悪化させずに紫外線対策ができます。そのためには、SPF値やPA値を低めのものを選んで、塗り直しを徹底する、紫外線吸収剤配合のものや油分が含まれるものは避けるなどの注意が必要です。
また、日焼け止めだけに頼らず、帽子やサングラス、手袋なども紫外線対策に取り入れましょう。
メイクはどうする?
メイクなどの化粧品でニキビが悪化するのは、皮膚に強い化学成分のものを使ったときで、皮膚に優しいとされる低刺激性の化粧品を選べばニキビは悪化しません。ポイントを置いたメイクで、ニキビから視線を外すなどの工夫で、ニキビを必要以上に気にしないで過ごす工夫もいいですね。皮膚科専門医はニキビに限らず、種々の皮膚トラブルに適したスキンケア法、化粧法を学んでいますので、詳細な現状に見合ったメイクアドバイスも致します。
外用薬はいつ塗る?
皮膚科でニキビの外用薬をもらっても、いつ塗るのかがわからないこともあるかもしれません。これは、洗顔後、基本のスキンケアを終えて、しっかり保湿した後に塗るのが正解です。しかし、薬によっては異なる場合もあるので、処方を受けるときに確認しておきましょう。
ニキビ治療には生活習慣の改善も大切です
ニキビ治療は皮膚科に任せておけば治るというものではなく、普段の生活の中に悪化したり再発したりする原因が隠れていることもあります。ニキビ治療には、生活習慣の改善を組み合わせると、より効果的です。皮膚科専門医は二人三脚的に寄り添って、皆さんの普段の生活習慣改善のお手伝いをします。食生活の事、化粧品の選び方、部活や仕事について、とにかく何でもご相談してください。