食やライフスタイルの欧米化が進むにつれ、糖尿病の患者さんも増加の一途をたどっています。国民の5人に1人が糖尿病、あるいは糖尿病になりやすいという時代です。
糖尿病の患者数は全国で316万6000人、糖尿病予備軍と言われる人も全国に1,100万人いると言われています。
糖尿病の原因:生活習慣と遺伝
その要因は、食べ過ぎや飲み過ぎ、肥満・運動不足・ストレスなど様々挙げられますが、いずれにせよ、日ごろの生活習慣が要因となっているため、「生活習慣病」と言われています。また、遺伝的なものが原因で発症するケースもあります。因みに、糖尿病予備軍は正式には「境界型糖尿病」言います。
糖尿病ってどんな病気?
糖尿病は、簡単にいうと、血液中の糖分の量である血糖値が高くなる病気のことです。膵臓で作られるインスリンは、血液中のブドウ糖をエネルギーに変える働きをしますが、その働きが不十分な場合、血液中のブドウ糖濃度、つまり血糖値が上昇してしまいます。
血糖値は空腹時で80~110mg/dL位、食後であれば140mg/dL位が平均的な基準値ですので、この基準値よりも一時的に高い状態を高血糖と言い、恒常的に高い状態を糖尿病と言います。
糖尿病にはタイプがある?
次に、糖尿病のタイプについてお話します。糖尿病は大きく分類しますと、1型糖尿病と2型糖尿病の2つのタイプに分類されます。1型糖尿病は、膵臓でインスリンがほぼ、もしくは全く生成されないことが要因となって引きおこる糖尿病で、主に若年層に多く見られます。
2型糖尿病は、膵臓で生成されるインスリンの量が不足することによって引き起こる糖尿病で、日本では、こちらのタイプの糖尿病に該当する人が大半を占めます。その他、上記2つのタイプ以外にも、病気や薬、妊娠がきっかけで糖尿病になる場合もあります。
糖尿病の治療①:運動療法
最後に、糖尿病の治療方法についてお話します。糖尿病の治療方法としては、運動療法や食事療法、薬物療法の3タイプの方法が主な治療法です。運動療法は、ダイエット効果が見込めます。しかも、運動によってインスリンの働きも活性化されますので、普段からの運動不足が原因で糖尿病を患ってしまった人にはとても効果的な治療法です。
大事なことは、毎日継続して行う、という事です。従って、負担にならない程度の運動量が好ましいでしょう。お勧めは、1日30分~1時間程度のウォーキングです。慣れてきたらジョギング等の有酸素運動も行うと良いでしょう。
糖尿病の治療②:食事療法
食事療法は、カロリー制限や栄養のある、バランスのとれた食事を摂ることを心掛ける治療法です。日本糖尿病協会では、1日の摂取カロリーを1600kal 以内に抑えることを推奨しております。ただ、食生活というものは、長年培ってきた習慣であるが故に、それを改善することはかなり難しいのが現状で、挫折してしまう人も少なくありません。従って、自分で全て解決しようと考えるのではなく、周りのサポートも得ながら改善していくことが好ましいでしょう。
糖尿病の治療③:薬物療法
運動療法や食事療法での改善が難しく、自分の努力ではどうにもならない場合には、薬物療法を行います。薬物療法は、飲み薬で血糖値を下げる方法と、インスリン注射があります。薬物療法は基本的に、根本的な治療を目的としておらず、あくまで血糖値を下げる事を目的としています。ここが上記2つの治療法と大きく異なる点です。
糖尿病の自覚症状は?
糖尿病の初期段階では、残念なことに、ほとんど自覚症状がありません。そのため、気が付いた時にはかなり進行している場合が多いようです。
- のどの渇き
- 尿の量・回数が多い
- 目がかすむ(視力障害)
- 体重が急激に減る
- 立ちくらみがある
- 全身がだるく、疲れやすい
- 手足のしびれ
- 尿に糖が出る
などの症状が頻繁に見られる人は、早めに医師の診察を受けることをお勧めします。