糖尿病になりにくい食生活!

糖尿病になりにくい食生活!

この記事の監修ドクター|金澤 健太 先生(かなざわクリニック)

普段の食事で糖尿病を予防できたらうれしいですね。糖尿病になりにくい食生活とはどんなものでしょうか。

糖尿病になる原因

並ぶケーキ

糖尿病は甘いものばかり食べているとなってしまう…そんな風に思っていませんか?ケーキやチョコレート、クッキーなどの甘いものを食べすぎると、糖尿病になってしまうと思っている人は結構いるのではないかと思います。

甘いものが糖尿病を引き起こすのは、半分本当です。しかし、甘いものだけが原因ではありません。どちらかというと、余計なカロリーを慢性的にとってしまうことが糖尿病の主な原因となっています。

ここで言う糖尿病は、日本人に多い2型の糖尿病のことを意味しています。なお、2型の糖尿病は、遺伝要因に加え、過食や運動不足、肥満やストレス等の要因により発症します。余談ですが、1型という糖尿病もあります。こちらは小児から思春期までの子供に多く、自己免疫等のメカニズムによりβ細胞が破壊されることでインスリンが欠乏する、というものですが、日本人の糖尿病患者の約95%が、この1型ではなく2型糖尿病です。

アジア人は糖尿病になりやすい!?

もともと日本人、そしてアジア人は、粗食に強いという研究結果があります。氷河期の間の低糖質食に対応してきたため、低栄養には強いものの、過食や肥満に対しての耐性が低く、糖尿病になってしまうのです。

欧米人はアジア人に比べ、早くから農耕を行っていました。そのため、穀物の多い食事を1万年程前から行っています。一方、アジア人の場合はそこまで早くから穀物の多い食事はしていません。日本人の場合は弥生時代に稲作が伝わったことで穀物をとり始めていますから、およそ3000~3500年前からとなります。

そのため、アジア人はインスリンの分泌量が欧米人に比べて少なく、糖質の多い欧米の食事をとり続けると、欧米人のように肥満体にならずに糖尿病にかかってしまうケースが少なくありません。

糖尿病を予防

糖尿病資料

①腹八分目に食べましょう

糖質の多い食事をたまにする分には問題ないのですが、このような食事を毎日続けると、すい臓のインスリンを分泌する能力に衰えが出ます。糖尿病にならないようにするには、まずは食生活から見直す必要があります。必要量以上のカロリーの摂取は体にとって害となりますので、カロリーを必要以上にとらないよう気を付けることが最初の一歩となります。

また、暴飲暴食がインスリンの分泌を狂わせることもあります。1日の必要量内のカロリーをとること、さらに、それはバランスの良い食事であることが大切です。そうすることで、膵臓の負担は軽くなり、十分に能力が回復されます。よく言われるように、腹八分が糖尿病予防には有効なのです。

②バランスの良い食事

食事

先に書いたように、食事のバランスも大切です。ビタミンやミネラルが不足しないように心がけましょう。肉をよく食べる人は、魚や野菜も意識的に取り入れるようにしましょう。また、野菜、海草、玄米、麦ごはん、キノコ類など、食物繊維の豊富な食事をとることも大切です。

というのも、食物繊維には血糖値の上昇をゆるやかにする働きや、血中コレステロール量を下げる働きがあるからです。さらに、食物繊維の多い食品は噛みごたえがあり、よく噛んで食べることで満腹感を感じやすくなって、食べ過ぎを防げます。

③お酒はほどほどに

また、お酒の飲みすぎも糖尿病の天敵です。酒のつまみは高カロリーなものが多いため、一日の必要量以上のカロリー摂取をすることになりかねません。また、お酒の飲み過ぎは脂肪肝や血管障害等を起こしやすく、糖尿病の深刻な合併症となります。お酒は適量を守り、おつまみなどはなるべく野菜にするように心がけましょう。普段の飲み物も、砂糖などの甘味料の入っていないものを飲むようにしましょう。

④規則正しい生活

時計

また、規則正しい食生活も大切です。朝・昼・晩の3食を決まった時間にきちんととり、血糖値を安定させましょう。間食はできるだけ控え、朝、昼、夕の食事量もなるべく均等にし、カロリーの量がかたよらないようにしましょう。

継続が大切です

これらのことに注意し、三日坊主にならないよう、継続して実行できるようにしましょう。一日二日で糖尿病になりにくい身体づくりができるわけではありません。上記内容を長く続けることが、糖尿病になりにくい身体を作ります。