糖尿病の症状は末期になるほど恐ろしい!

糖尿病の症状は末期になるほど恐ろしい!

糖尿病と聞くと、ただ「尿に糖が出る病気」と思われるかもしれません。では治療をせずにいるとどんな症状が出るのでしょうか。

糖尿病になったからと言っても、特にこれといった自覚症状はありません。日常生活に不便も感じず、毎日運動して、食事のことをいろいろ考えて、効果が目に見えない飲み薬を服用し続けるのはかなり面倒ですよね。だからといって、糖尿病の治療を怠ると、どんどん病気は進行します。その結果、末期にはどうなるのでしょうか。

糖尿病の治療をしないと…

食事をする人

糖尿病の末期といいますが、糖尿病はガンなどの進行し続ける病気とは違い、本来は末期はありません。なぜなら、糖尿病は血糖値のコントロールをしっかりと行い、HbA1cの値を正常範囲内にキープできれば、特に問題なく普通の生活が送れるからです。仮にこの先一生、糖尿病を患っていたとしても、健康な人と同様に、いやそれ以上に健康的に生きられるかもしれません。

実は糖尿病は、糖尿病そのものよりも、合併症が恐ろしいのです。高血糖が持続すると、気づかぬうちに合併症が進行していきます。今まで何の症状も感じなかったのに、ある日突然、目が見えなくなったり、歯が抜け落ちるなどの症状が出ます。さらに、足が腐り始めることもあります。

そのため、糖尿病の治療をせずに放置して、今が楽しければいい、美味しいものを食べていたいと気ままに過ごしていたら、その先には、目が見えず、満足にものも食べられず、動くこともままならないといった、過酷な状態が待っています。

上で挙げた症状は、いずれも血糖コントロールが良好に保たれいれば、起きる可能性は低いものになります。反対に、血糖コントロールが悪ければ、高確率で発症します。

糖尿病の3大合併症

ショックを受ける男性

目が見えなくなる:糖尿病網膜症

これは突然起こります。痛みを感じるといった予兆もなく、それまでしっかり見えていたのに、突然ものがぼやけて見えたり、視界が欠けるなどといった状態が起こります。最終的には失明してしまうこともあります。

このような症状は「糖尿病網膜症」と呼ばれており、失明のリスクがあります。恐ろしいのは、自覚症状がないことで、相当進行して初めて気づくパターンが多いのです。一度失った視力を再び取り戻すのは基本的にはできません。

歯がすべて抜けてしまう:歯周病

実は、糖尿病と歯周病は密接な関係があり、それによって引き起こされます。糖尿病が原因で細い血管がダメージを受け、細部まで血液が行き届かず、免疫力も低下することにより、細菌等の感染が起きやすくなります。その状態を放っておくと、全ての歯を失ってしまいます。

足が腐り始める:神経障害と動脈硬化

最後に「足が腐り始めてしまう」合併症についてですが、高血糖が続き神経障害と動脈硬化が進行することで起こります。足の血行が悪くなり、感覚も鈍くなります。感覚が鈍ることが厄介で、これにより、怪我にも気づかなくなってしまうのです。

足の目立つ場所の怪我ならまだしも、見えにくい場所に怪我を負った場合、それに気づかず放置してしまい、その結果細菌にも感染してしまいます。さらに、血の流れが悪いために怪我が治りにくく、この悪循環のせいで、敗血症という血液への感染と壊疽(えそ)が広がってしまいます。そのために足が腐ってしまうのです。

壊疽はつまり、腐っているということになりますので、その部分は切り落とす必要があります。そうしないと、壊疽はどんどん広がってしまいます。足を失うことで日常生活にも不自由が生じます。これまで当たり前のようにできていたことができなくなり、人によっては仕事にも支障が出ることもあるでしょう。

その他の合併症

上に挙げた3つは糖尿病の3大合併症と呼ばれるものですが、これ以外にも腎臓障害が起き、人工透析が欠かせなくなるなど、重大な症状を引き起こします。人工透析は、週に数回受ける必要があるなど、大変な負担となります。1日置きに行う透析では、同じ箇所に注射針を刺すため、血管も脆くなります。また、人工透析を行うことで、重篤な疾患(心筋梗塞や脳梗塞、動脈硬化、感染症、不整脈等)も起こりやすくなります。

このように、糖尿病の合併症は非常に重篤なものが多く、このような状態になる前に改善する必要があります。認知症やうつが進行しやすいという特徴もありますので、早めの治療が大切です。