加齢によってなりやすい病気の一つに白内障があります。高齢者の方で、黒目の部分が白くベールがかかったように濁っているのを見たことはありませんか?水晶体と呼ばれる目のレンズに該当する部分が濁ってしまっているために、このように見えるのです。
白内障の症状
実際に白内障になると、ものが見えづらくなったり、かすむなどといった症状があらわれます。白内障の瞳を見た際、黒目が白いベールにうっすら被われているように見えますが、実際に白内障の人がものを見た場合も、うっすら白い霧がかかっているように見えるのです。
白内障の原因は加齢がほとんど
白内障は、人間だけでなく、犬や猫、馬など動物でも見られる病気です。人間の場合は老化による原因がほとんどですが、動物の場合は遺伝性のものであったり、怪我による外傷が原因だったりします。
人間がかかる白内障は、すでに書いたとおり加齢によるものが大部分です。ただし、中にはアトピー性皮膚炎や糖尿病、ステロイド剤の服用が原因でかかる人もいます。猫などの動物同様、外傷や遺伝が原因で白内障にかかることもあります。
また、先天的な白内障の場合もあります。この場合、すでに子供のころから水晶体に異常が発生し、白内障にかかってしまっています。なお、視力障害のある子どもの1割ほどが、先天性の白内障が原因だといわれています。
加齢による白内障は、年齢とともに水晶体が濁ることで起こります。水晶体の濁りは程度の差はありますが、誰にでもある現象で加齢とともに生じる症状です。ですので、白髪やしみ、しわが増えるのと同じ老化現象で、人によって差があります。中には白内障になってもさほど症状がひどくない人もいますし、ひどい白内障に悩まされる人もいます。
加齢による白内障は、男性より女性がなる年齢が早いと言われています。これは女性ホルモンが関係していると考えられています。また、強度近視という近視の度合いのきつい人も、白内障になりやすいと言われています。
白内障は早期治療で治る!
このような白内障ですが、他の病気同様、進行してからではなく初期の段階での治療が大切です。白内障は適切な治療を行えばきちんと治るものですし、命にかかわる病ではありません。進行もゆっくりしているため、気づいた時には手遅れ…ということになりにくいのです。しかし、適切な治療をせずに放っておくと、ひどい場合は失明につながることもあります。そのため、早い段階で気づくことが大切です。
早期発見のためのチェックポイント
白内障の初期症状は以下のようなものです。
- 目の前にうすぼんやりと霧がかかったようにものが見える
- ものが見えにくくなって視力が低下する
- 弱い光なのにまぶしく感じる
- 白い光が黄色っぽく見える
- ものが何重かにだぶってみえる
- 暗いところにいた時にものが見えづらい
- (元々視力が悪い人の場合)めがねの度数が突然合わなくなる
白内障になりやすい人
老化による原因が多い白内障ですが、最初に書いたようにアトピー性皮膚炎や糖尿病の人は白内障にかかりやすく、年齢が若くてもかかることも珍しくありません。さらに、喫煙者や普段外にいることが多く、1日5時間以上紫外線を浴び続けている人も白内障になりやすい傾向にあります。
白内障の治療
症状が軽い場合
白内障かな?と思う症状が出たら、まずは眼科に行ってみましょう。早い段階の場合、通常は点眼薬や内服薬を使いますが、これは治療を目的としたものではなく、進行を抑えることを目的としています。もし仕事や生活に支障が出ていないようであれば、まずは進行を抑える方法を採るのです。
白内障が進行している場合
白内障が進行していて、日常生活に支障が出ている場合は外科的手術により治療します。現在行われているメジャーな手術は、「超音波乳化吸引術」です。この手術により濁ってしまった水晶体を砕いて除去した後、眼内レンズと呼ばれる人工水晶体を入れます。なお、白内障の進行がひどく核が固い場合、水晶体の核を丸ごと取り除くこともあります。
白内障は適切な治療を行うことで、ひどくなるのを防ぐことができます。進行した場合も手術で治すことのできる病気です。最近急にものが見えづらくなったなどといった症状があるなら、病院で診てもらいましょう。