50代を過ぎたら要注意!前立腺がん

50代を過ぎたら要注意!前立腺がん

前立腺がんとは、「腺がん」に分類される、男性の前立腺にできる悪性腫瘍のことを言い、男性特有のがんです。どんな症状や特徴があり、どんな治療が行われるのでしょうか。

前立腺がんは、以前は欧米人男性に多く、日本人男性には少ないがんでしたが、食生活の欧米化や高齢化社会にともない、年々増加傾向にあります。近い将来、部位別がんの罹患率で胃がんを抜いて、第1位の肺、第2位の大腸に次ぐ、第3位になると予想されています。

前立腺がんとは

血液検査

前立腺がんは、前立腺の中でも「外線」という部位に多く発生する可能性が高く、他のがんと同様に、初期症状が出にくいため、早期発見するためには定期的な検診を受ける必要があります。

前立腺がんが進行していくと、腫瘍によって尿道が圧迫されていまい、その結果、排尿障害が見られるようになります。

ただし、まだこの時点では、前立腺肥大症の疑いもあり区別が困難なため、針生検やPSAという血液検査などで診断していくことになります。

しかしながら、早期発見ができれば、進行スピードは比較的遅いがんなので、治癒する可能性は多分にあります。

前立腺がんの治療

オペの様子

前立腺がんの治療法としては、基本的に前立腺の全摘出手術がメインとなりますが、男性ホルモンの働きによって増幅するため、場合によっては、ホルモンの分泌を抑制する内分泌療法を行うこともあります。また、高齢者の場合、手術は控え、放射線療法を行うケースもあります。そして、2012年からは国内で初めてロボット(ダヴィンチ)による手術が保険適用されるようになりました。

現在、前立腺がんはかなり早い段階で発見できるようになりました。これは、PSA検査の普及によるものと考えられます。そのため、ステージⅢでも5年生存率が80パーセント以上と、治療法もかなり確立されてきました。他のがんと比べると予後は良好ながんだと言えるでしょう。とは言っても、早期発見が大事になってきますので、年に1度はしっかりと定期検査を受けることをお勧めします。

前立腺がんの原因

前立腺がんは、60歳以上の男性に多いことから、加齢が大きく関わっていると考えられていますが、まだはっきりとした原因は解っていません。しかし、食の欧米化により、脂肪過多の食生活がリスクを高めていることは分かっています。今では、比較的若い40代でも前立腺がんを発症することも珍しくありません。

前立腺がんになりやすい人

診察券

前立腺がんは「高齢者のがん」というイメージがありますが、遺伝的なものが原因の場合には、若い年代でも発症する可能性があります。

40代で前立腺がんを発症した場合には、遺伝的要素が関係している可能性が高いといわれています。

特に、ハイリスク群と呼ばれる、男兄弟や父親が前立腺がんを患っている男性は、早期に検診することをお勧めします。ただし、男兄弟や父親がそうだからと言って、必ずしも遺伝から発症するとは限りません。なぜなら、食生活が似通っている事が原因で発症した、という理由も考えられるからです。いずれせよ、遺伝性の可能性がある人は、早期発見、早期治療に努めることが大切です。

早期発見が大切!早めの検査を

万が一、発見したとしても、早い段階で適切な治療を受ければ、がんの進行を抑制することができ、健康な人とさほど変わらず、余命を過ごせる可能性が十分にあります。つまり、人によっては、余命に影響しない前立腺がんもあるということです。それは、前立腺がんは高齢者に多いためです。生存率に大きな差が出にくいのも、このことが原因となっています。

た、前立腺がんは男性ホルモンの影響で増えていくため、内分泌療法で男性ホルモンを抑え、進行を限りなく遅くすることが可能です。これも他のがんと異なる特徴です。定期検診さえ欠かさず受ければ、必要以上に恐れることはありません。50歳を過ぎたら早めに受けましょう。