大腸内視鏡検査で「大腸がん」を早期発見!

大腸内視鏡検査で「大腸がん」を早期発見!

大腸がんは大腸内視鏡検査での早期発見、早期治療で治ることの多い病気です。大腸内視鏡検査とはどういう検査なのでしょうか?

食生活の欧米化とともに増加している「大腸がん」。自覚症状が少ない病気ですが、大腸内視鏡検査で早期発見が可能です。

大腸がんは自覚症状が少ない

お腹

食生活の欧米化などの影響で年々増加の傾向にある大腸がんは、がんの種類別に見た死亡率が大変高く、治らないがんと思われがちです。その一方で、早期に発見し、適切な治療にかかれば、100%に近い治癒率を持つ、治りやすいがんでもあります。

そこで、いかに早期発見するかがキーポイントになります。近年では、大腸内視鏡検査の進化により、早期発見がどんどん可能になってきています。初期のまだ小さい大腸がんは、自覚症状がほとんどないので、大腸内視鏡検査なくしては、なかなか見つけられません。

大腸内視鏡検査を受けた方が良い人

大腸がんのリスクが高いといわれているのは次のような人です。

  • 40歳以上の人
  • 家族に大腸がんの方がいる人
  • 大腸ポリープの診断をされたこと、また大腸ポリープを切除されたことがある人
  • 加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージなど)をよく食べる食生活の人
  • 運動をあまりしない人
  • 飲酒をされる人
  • 喫煙者
  • 肥満の人

当てはまる人は大腸内視鏡検査を定期的に受けることをお勧めします。

大腸がんの早期発見・治療にかかせない
大腸内視鏡検査

内視鏡検査室

大腸がんの早期発見に最も有効な検査は、大腸内視鏡検査です。他の検査ではわかりづらい数ミリの微小がんや平坦ながんも大腸内視鏡検査では発見できるので、がんのステージの低いうちに治療ができ、高い確率で治癒することが可能です。大腸内視鏡検査でのがんの見落としはほぼないといえます。

大腸内視鏡検査の流れ

内視鏡検査機器

大腸内視鏡検査とは、肛門から先端に高性能カメラがついた太さ11~13㎜程度の細くてやわらかいチューブ「内視鏡」を挿入して、直接カメラで大腸全域を観察する検査です。診察の基本は胃カメラなどと似ていますが、肛門から挿入して大腸を観察するのに適した太さや形状を取り入れられています。

消化器内科、胃腸内科、内視鏡内科、人間ドックなどのある医療機関で、大腸内視鏡検査を受けることができます。流れとしては、検査前に所定の絶食時間が定められ、さらに検査前日もしくは検査当日に2リットルの腸洗浄液を飲んで、大腸をすっきりきれいにする前処置を行います。

検査は鎮静剤を注射し、力を抜いた楽な状態で肛門から内視鏡を挿入し、医師はモニターで大腸をくまなく観察します。検査はおおよそ15~30分ほどで終了します。そして、検査当日に、撮影した画面を見ながら検査結果が説明されます。

大腸内視鏡検査の強み

ポリープ切除

大腸内視鏡検査では、大腸の粘膜を直接観察し、大腸がん・大腸ポリープ・潰瘍・びらんといった大腸の病気を発見することができます。直接観察することで、他の検査のように病気の判断に困ることが極めて少なくなります。

もし病変が見つかった場合は、病変の一部を採取し、組織検査を行うことで、より正確に病気を把握できます。ステージ0の早期がんやがん化の可能性がある小さいポリープなら、発見次第、内視鏡についている器具によって切除でき、一度の検査で治療まで終わらせることも可能です。内視鏡で切除した場合は、お腹に傷をつくることなく、また痛みを感じずに治療できます。これは大腸内視鏡検査の大きなメリットといえるでしょう。

進化する内視鏡検査

大腸イメージ

日本人の食生活の欧米化などの影響を受け、大腸がんにかかる方は近年増加しています。そこで、早期発見・治療の手段として有効な大腸内視鏡検査は、医学において大きな役割を果たしています。それに伴い、大腸内視鏡検査の技術も向上されています。

①痛み改善の進化

挿入部の硬さが自由に変更できる「硬度可変スコープ」や、磁気を利用して内視鏡の挿入状態を確認しながら検査を行える「挿入形状観測装置」の導入によって、かなり軽減されるようになりました。

②レンズの進化

そして、くまなく微細な病変をとらえるという大腸内視鏡検査を支えているのは、日々発展していく内視鏡先端部につくレンズの拡大技術です。今では、約100倍の高解像度拡大画像を得られるようになっています。医師は大腸内視鏡検査中に、病変を見つけたら直ちに画像の倍率を上げて、詳細に観察をしています。

③医師の技術の進化

装置だけでなく、医師の技術も進化し続けています。大腸内視鏡検査は、曲がりくねった大腸へのアプローチが複雑で、熟練した技術がいるものです。近年の大腸内視鏡検査では、内視鏡を押し込むのではなく、腸のひだを手前にたたみこむようにして、短く縮めた状態で、ゆっくりと挿入します。医師一人一人の挿入技術にもよりますが、消化器内視鏡専門医だと経験豊富で痛みのないことが多いようです。

大腸内視鏡検査を受けましょう

女性

大腸がんの検診効果があるといわれる大腸内視鏡検査ですが、受診が恥ずかしいと躊躇したり、不安だと避ける方もまだ多くいます。大腸がん検診の受診率は、男性で約40%、女性で約35%ですので、他のがん検診と比べても低いのです。大腸内視鏡検査は進化していますし、なにより大腸がんの早期発見・治療に一番有効な手段です。気負わず気軽に早めのがん予防を!