この記事の監修ドクター|工藤 孝文先生(工藤内科)
「自分が太っている原因は何だと思いますか?」痩せられない方たちの多くは、現在の自分と正面から向き合っていないんです。
ダイエットに大切なことは太る原因と向き合こと
あなたが痩せないのは、あなたの考えが間違っているからです!
冒頭から少し厳しいことを言ってしまいましたが、皆さん、ここで少し考えてもらいたいことがあります。
「自分が太っている原因は何だと思いますか?」
ダイエット外来の初診日に、私が患者さんにする質問です。皆さんそれぞれ自分なりに思いつく原因を話してくれます。そして次に必ず「でも…」「だって…」と言い訳が始まります。
結局、痩せられない方たちの多くは、現在の自分と正面から向き合っていないんです。
欲望のままに好きな物を好きなだけ食べてきて、お腹と同様に心にも贅肉がついてしまい、自己中心的な性格になっていませんか?
厳しいようですが、要はちょっとした考え方次第でダイエットの効果は変わってくるということを、私は皆さんにお伝えしたいのです。
スポーツジムに通ったり、ダイエット器具を購入する必要はありません。
過度な努力も我慢も必要ありません。
謙虚になって自分の生活を見直してみて下さい。
あなたはどんな日常生活を過ごしていますか?
太る習慣、考え方に陥っていませんか?
その習慣、考え方を少しずつ変えていけば、3ヶ月後きっと新しい自分と出会えるはずです。
肥満症の治療
まず、一般的に肥満症の治療には
- ①食事療法
- ②運動療法
の2つがあります。
- ①食事療法
- ・肥満症の治療は食事療法が基本となる。
- ・1日の摂取カロリー
- ・25kal×標準体重(kg)以下
- ・標準体重 = 身長(m)×身長(m)×22
- ・現在の体重から3~6ヶ月で3%以上の減少を目指す。
- ・栄養バランス
- 50-60% 糖質 15-20% 蛋白質 20-25% 脂質
- ②運動療法
- ・運動療法は減量および肥満予防に有用である。
- ・運動療法は減量体重の維持に有用である。
- ・有酸素運動は、糖質、脂質代謝、血圧の改善や、糖尿病の発症予防効果をもたらす。
- ・レジスタンス運動(筋力トレーニング)は減量中の骨格筋量の減少を抑制し、代謝指標・血圧を改善する。
結局皆さん、
- ・ダイエットの知識が豊富。
- ・食事療法・運動療法のこと知ってる。
- ・年中ダイエットしている。
- ・意思が弱いからダメだと思っている。
- ・痩せたいのに食べたい。
- ・食べた後に後悔する。
こういう方が多いのです。
この①食事療法②運動療法だけで痩せれない方も多くいらっしゃいます。
なぜ、できないのか?
「分かっているのにできない、やめられない」= 依存症
そこで私は③行動療法を取り入れています。 行動療法とは「くせ」と「ずれ」を治療します!
- ③行動療法
- ・グラフ化体重日記 → 食べ方のくせ
- ・食行動質問票 → 肥満の認識のずれ
行動療法の「3つの柱」
行動療法には3つの柱があります。
工藤式ダイエット その①
まずは己を知る!体重日記をつけよう
1日4回体重の推移を記録します。200gずつ細かくつけ、体重の変化を記録します。 人によって太るタイミングが違うので、1日の中でどこで太るかがハッキリわかるようになります。 「自分が太っている原因が何ですか?」と聞かれてもわからないと思います。
例えば、ジムに行った日に限って意外と体重が増えてたりとか、毎週火曜日に増えているとかなど、体重が増える周期やクセを把握して分析できます。 自分の現状を認識して油断しない事が大切で、効果的に痩せる事ができます。
工藤式ダイエット その②
間違った知識を改善して正しいダイエット法を身に付けましょう。
ダイエット弱点克服シートを使用します。 多くの人が一般常識として持っているであろうダイエットの知識に関する質問が書かれてます。
このダイエット弱点克服シートは一見どの質問も正解のように見えますが、実はこれが間違った知識なんです。
例えば、「太るのは運動不足のせいだ」
寝たきりの老人で考えてもらうとわかりますが、食べてすぐ横になりますよね? 究極の運動不足ですよね?
もし太る原因=運動不足 が正しいなら寝たきりの老人の方は全員肥満になってますよね。
もっと分かりやすいデータで言うと、日本人の75%は運動不足ですが、実際に肥満の方の数は25%しかいないのです。もし運動不足が太る原因ならば75%全員が太ってないといけないですよね。75%の中で25%しか太ってないということは、その人たちが単に食べ過ぎていると考えてもらっていいと思います。
「水を飲んでも太る方だ」
水はノンカロリーですから絶対に太りようがないですね。もし水で太る事ができるのであれば、食糧難の国の人たちはみんな水さえあれば生きていけることになりますよね。
こう言った認識のズレを修正する事が治療の先決になります。ダイエットに関する間違った知識や固定観念を問診で修正し、痩せやすい頭に変化させます。
工藤式ダイエット その③
漢方薬で体質改善
肥満の人特有の便秘やむくみを漢方薬で改善して痩せやすい体質を作っていきます。体質は千差万別なので、個人の体質に合わせた漢方薬を処方し体質改善を図っていきます。
行動療法で意識改善
結局、ダイエットにはまずは行動療法を取り入れて意識を変えることが大事なんです。
- ⓪行動療法
- ①食事療法
- ②運動療法
何事も行動できるかが大事です。
- ・考えたり、口だけで理論をいうことは簡単。
- ・行動にうつすのが難しい。
その手助けをするのが、行動療法です。行動療法を行う中で、自然と食事・運動療法が身についていきます。
行動療法 → 食事・運動
「摂取カロリーを考えましょう」はくせ、ずれに飲み込まれることが多い。
- ・くるった時計を直すのに、秒針から直す人はいません。時間針、次に分針と直していきます。
- ・同様に肥満症の治療ではステップが大事。
- ・時間針にあたるのが食べ方のくせ、肥満に関するずれを、最初に行い、分針、秒針である食事・運動療法へと修正を行うイメージ。
太っている人は、食事療法の重要性もわかっているし、運動療法の重要性もわかっている人が多いですが、わかっているけどダイエットができないという事が問題なんです。行動療法を取り入れてダイエットへの意識を変え、太る習慣を改善し、ダイエットを成功させましょう!