肝臓専門医

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肝臓専門医とは?治療が難しい肝臓病を診療する専門家

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれているように、気付いたときには症状が進行していることの多い臓器です。そのため、早期に病気を発見し、適切な治療を行うことが特に重要となる器官と言えるでしょう。

日本では、年を追うごとに肝臓病を患う方が増えてきています。国民全体の健康状態を向上させるためには、高度な肝臓病への知識・経験を持つ医師が求められます。肝臓専門医は、そのようなニーズに応えるべく誕生した肝臓病診療の専門家です。

肝臓専門医とは?

肝臓専門医について初めて耳にする方もいるのではないでしょうか。肝臓専門医とは、日本肝臓学会に認定された医師のことです。

肝臓という臓器は、「化学工場」に例えられるほど多様な働きをしています。

  • ・栄養の代謝や貯蔵
  • ・有毒性物質の分解、解毒
  • ・消化液である胆汁の分泌
  • ・血液の貯蔵

肝臓は、健康を保つ上で欠かすことのできない上記のような化学反応を司っています。人間の生命維持にとって、最も大切な臓器のなかの一つと言えるでしょう。

しかし、肝臓病によって上記のうちのどれか、および複数が阻害されてしまうと、全身状態は急速に悪化してしまうのです。肝臓は丈夫な臓器であり、多少の病気には耐えられるため、慢性化して経過することが少なくありません。

一方で、症状が自覚できるような状態となったときには、病気がかなり進行している可能性が高くなっているケースが多いです。そのため、早期発見・治療が特に大切となります。

肝臓病には、複数の病気が組み合わさることで診断が難しかったり、緩やかに慢性化しやすいことで発見するのが困難であったりといった特徴があります。早期発見や的確な治療を行うためには、深い知識や経験が必要です。肝臓専門医は、高度な知識や専門的な診療の経験によって肝臓病に対応することができる医師なのです。

肝臓専門医が診断・治療できる疾患とは

肝臓専門医は、肝臓にかかわる疾患の全てを診断・治療できる能力を備えています。日本肝臓学会または日本消化器病学会が認定した施設で、5年以上の臨床研修を修了しているため、肝臓病診療について幅広い実績を保有しています。

ここでは、肝臓専門医が診断・治療する代表的な肝臓病を3つ挙げて解説します。

・B型肝炎・C型肝炎

B型肝炎、C型肝炎は慢性肝炎のなかでも代表的な肝臓病です。B型肝炎はB型肝炎ウイルス、C型肝炎はC型肝炎ウイルスに感染し、発症するとされています。

症状は緩やかな進行をたどることが多い肝炎ですが、的確な治療を施さなければ肝硬変に移行したり、肝細胞がんの発症リスクが高くなったりします。基本的に急変することはないものの、長期的にジワジワと進行する怖い肝臓病だと言えるでしょう。

近年では抗ウイルス薬が進歩してきており、新薬を治療に組み込むことができます。また、処方薬にもさまざまな種類があり、適切な薬の服用で良好な経過をたどるケースは多いです。一方で、先ほどお伝えしたように、不適切な治療内容での経過は慢性化や肝硬変につながってしまう可能性が高いです。

B型肝炎・C型肝炎治療では、的確な治療内容の決定や実施、その後の経過観察など、高度な肝臓病への知識や経験が必要です。肝臓専門医は、一般的な医師よりも水準の高い経験を持っているため、最適なアプローチを行うことができます。

・脂肪性肝炎

脂肪性肝炎は、近年社会問題となっている糖尿病や脂質異常症とあわせて発症することの多い肝臓病です。高カロリーや過剰な栄養の摂取、運動不足、不規則な生活など、発症する原因が生活習慣病と共通している部分が多いのが特徴です。

脂肪性肝炎は、治療の切迫性こそ低いものの、慢性化をたどる可能性が高いものです。なぜなら、糖尿病や脂質異常症などの症状と組み合わさって進行するため、診断がとても難しいからです。病態の把握が正確に行えなかったり、診断が遅れたりすることで、治療の難易度も上がります。

生活指導や元となる生活習慣病へのアプローチなど、幅広い対応が求められる脂肪性肝炎では、専門的かつ高度な治療技術を持つ肝臓専門医が介入するケースがあります。

・自己免疫性肝炎

自己免疫性肝炎は、自分の身体を守るための免疫機能の異常によって、肝臓を攻撃してしまう肝臓病です。治療がとても難しく、難病指定されています。

自己免疫性肝炎は、そもそも患者数が希少なことから、過去の治療ケースもあまり多くありません。また、自己免疫と肝炎の両方に対処するため、非常にデリケートな治療を施す必要があります。

そのため、自己免疫性肝炎の治療は肝臓専門医によって行うことが推奨されています。

肝臓専門医は、肝臓病以外にも対応可能

肝臓専門医は、日本肝臓学会の認定試験を合格していることから、肝臓病に対しての専門的な知識や経験があることが分かります。しかし、肝臓専門医の知識は肝臓病だけに留まりません。

肝臓専門医の認定試験を受験するためには、日本内科学会が認定する認定内科医か総合内科専門医、日本外科学会が認定する外科専門医か外科認定登録医、日本医学放射線学会が認定する放射線科専門医か放射線診断専門医ならびに、放射線治療専門医のいずれか一つ以上を保有している必要があります。

これらの認定医および専門医資格についても、各学会が「高度な医療知識や技術、経験を持っていること」を認定するものです。つまり肝臓専門医は、肝臓への専門的な知識と、他診療科の認定医・専門医レベルのスキルも兼ね備えているのです。

肝臓病については肝臓専門医を受診するのが安心

肝臓病の診断や治療は、複雑で難易度が高いものです。肝臓専門医の診療を受けることが、最適な治療法の選択のために最も安心できる方法です。

例えば、肝臓病が疑われるような症状が出た場合は、肝臓専門医を受診することが最善だと言えるでしょう。また、現在肝臓病治療を行っているものの、「なかなか良くならない...」と悩んでいる方は、肝臓専門医へのセカンドオピニオンで隠れた原因を見つけることができるかもしれません。

もし肝臓病によって悩みを抱えていたり、不安が強かったりするのであれば、ぜひ肝臓専門医を頼ることも検討してみてください。