リハビリテーション科専門医

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広い視野に基づいた、専門性の高い知識が求められる「リハビリテーション科専門医」

リハビリテーション科は、外傷や疾患などで障害されている、運動器の回復を目指す診療科です。原因となる外傷や疾患はさまざまな運動器障害を扱うため、チーム医療で診療を行います。

医療チームは、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士やリハビリ病棟看護師、医療ソーシャルワーカーや義肢装具士、患者さんの障害の原因に関わる他の診療科医師などで構成され、リハビリテーション科専門医は、リーダーを務めます。

リハビリテーション科専門医は、医療チームの構成員がそれぞれの専門性を活かし、患者さんの能力の最大値を、できる限り早期に、効率よく引き出すための計画を作成してチームの指揮を執ります。そのため、広い視野に基づいた、専門性の高い知識が求められる専門医です。

リハビリテーション科専門医になるためには

リハビリテーション科専門医になるには、①医師免許を取得してから5年以上経過していること、②リハビリテーション医学会に会員として3年以上在籍していること、③リハビリテーション医学会の認定した研修施設で3年以上の研修を行っていること、④リハビリテーション医学会における学会抄録を所持していること、⑤担当した症例を30例報告すること、⑥担当した症例を100例リストにして提出すること。

上記条件を満たした上で、リハビリテーション医学会の行う試験に合格して初めて、リハビリテーション科専門医の認定を受けることができます。また、認定を受けた後も、5年ごとに必要単位の取得や、専門医としての活動報告を提出して、専門医資格が更新することができるのです。

リハビリテーション科専門医は運動器を診療します

リハビリテーション科専門医では、動きや動作を行う運動器の疾患や障害を扱います。骨折や関節リウマチなどの疾患、スポーツ障害や肩こり、腰痛などの痛みによる、運動器の機能低下に対して診療を行います。運動器の機能低下は、脳卒中や脊髄の損傷、小児疾患や神経筋疾患などでも起こります。

他にも、外傷や血行障害、腫瘍や先天障害などによる運動器の切断に対する診療や、高齢者に多い摂食嚥下障害もリハビリテーション科専門医が扱います。

リハビリテーション科専門医が行う治療

リハビリテーション科専門医は、機能が低下した運動器の機能回復や、動かせる範囲の拡大を目標に診療を行います。骨折後の手術なら、骨折前の状態に早く戻るように診療を行いながら、再び転倒するなどの危険の予防にも、同時にアプローチします。

リハビリテーション科では、患者さんの状態を、大きく「急性期」「回復期」「慢性期あるいは維持期」に分けて、それぞれの時期の患者さんの状態に最も必要で適した診療計画を作成し、最大限の目標を達成できるよう、医療チームで患者さんを支えます。

患者さんの時期や状態によって、以下のような治療法の中から、最も効果的なものを用いて診療を行います。

①運動療法

患者さんが急性期にある時は、もちろん安静が必要です。そして、回復期の適切な時期を判断して、運動療法を開始します。運動療法を簡単に言うと「痛みがある方向へ動かす」というものです。

痛みがある方向へは、つい患部をかばって動かしにくいものですが、痛くない方向へばかり動かしていると、動かせる範囲が限られたままになってしまいます。さらに悪いことに、痛みがある方向ヘは、動かせなくなってしまうこともあるのです。

痛みのある方向へ、毎日少しずつ動かしていくと、1週間や1か月後には、かなり大きな範囲を動かせるようになるのです。痛くて退屈な治療法ですが、動作の回復のためには欠かせない治療法です。

②物理療法

痛みや症状の緩和のために行います。牽引や電気刺激、温熱やマッサージなどで患部の状態を和らげます。

③作業療法

日常生活の中で行う動作や運動を回復させるために行う治療法です。家庭内の用具や設備を模して造られた器具で、例えば洗面台で顔を洗う練習などを行います。また、ゲーム形式で遊びながら、身体運動だけでなく、計算能力などの回復や向上も行います。

④言語聴覚療法

脳卒中や認知症などの成人言語障害や、子どもの言語機能の遅れなどによる、言葉やきこえ、コミュニケーションの問題を改善します。また、摂食嚥下障害も、この治療法で改善を目指します。補聴器の装着も行います。

⑤義肢装着

さまざまな原因で切断となった運動器の代替として有用なものに義肢があります。義肢の材質や形状、装着目的なども多様化しています。患者さんの状態や生活、年齢に応じてオーダーメイドで対応します。

また、義肢装着の準備として、断端(切断面)の筋力強化や形の維持などの訓練や、装着後の微調整なども行っています。

⑥生活指導

急性期から回復期を経て退院し、患者さんが自宅で生活をするようになれば、リハビリテーション科専門医の役割は終わりではありません。患者さんの生活の質が落ちないように、維持期のリハビリテーションに生活指導は欠かせません。生活の中で行える訓練の継続や、再発防止のための工夫などを提案します。

患者さんの生活の質の回復と向上のためのリハビリテーション科専門医

リハビリテーション科における治療は、痛くてつらく、地味で退屈なものかもしれません。しかし、患者さんの動作や運動の回復や改善のためには大切な治療です。さらに、これらは患者さんの生活の質に大きく関わってきます。

治療を中断することは、症状の再発や動作を失うケースもあり、とてもリスクがあります。患者さんの判断で治療を中断することは避け、リハビリテーション科専門医に相談し、治療目的や計画など、納得の上で治療を継続できるようにしましょう。