皮膚科専門医

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人の体重の16%を占める皮膚、その皮膚を専門に診る皮膚科専門医

皮膚科専門医は、皮膚症状を専門とする医師ですが、皮膚疾患にとどまらず、皮膚症状を現す内科的疾患、外科的疾患など、全身性疾患も多く診療します。そのため、非常に幅広く深い専門知識と、全身を総合的に見る視野と、あらゆる選択肢を網羅した洞察力が必要とされる専門医なのです。

皮膚科専門医になるには

皮膚科専門医になるには、医師資格取得後、5年間の研修が必須で、この研修期間は各基礎領域の専門医資格取得の中では最長のものになっています。この研修期間の間に、専門知識や技能の習得、経験症例15例と手術症例10例のレポート提出とその評価を受け、所定の単位を取得する必要があります。その上で皮膚科学会が行う皮膚科専門医試験を受験し、合格して初めて、皮膚科専門医となることができるのです。

皮膚科専門医が診療するのは「人体最大の臓器」

皮膚は人の体重のおよそ16%を占める、人体最大の臓器です。皮膚には、体外の刺激に接する臓器として、菌やウイルス、刺激に対する防御機能として、殺菌作用や免疫機能が備わっています。また、体内に必要な水分を留めておくという大切な役割もあります。他にも、細胞の生まれ変わりである代謝、ホルモンを産生する内分泌機能も備えています。

さらに、「皮膚は内臓の鏡」とも呼ばれ、全身の様子、内臓の状態がよくわかる臓器でもあります。内臓の疾患で皮膚症状を現すものも多くあり、皮膚の異常は、皮膚疾患以外の可能性を常に想定しながら診療を行います。

皮膚科専門医が扱う疾患とは

①皮膚疾患の主なもの

・アレルギー疾患

免疫機能の異常で、外からの刺激に過敏になる疾患です。食物アレルギーに代表されるじんましん、薬による薬疹、急激で強いアレルギー反応であるアナフィラキシーショックなどがあります。

・アトピー性皮膚炎

皮膚に炎症が起きる疾患です。原因はアレルギーとは限らず、肌の防御機能がもともと弱い人に起こりやすく、かゆみや炎症が長く慢性的に続きます。

・乾癬

くっきりとした紅斑が皮膚の粉を伴って、頭や肘、膝や大腿部などに現れ、かゆみを伴うことも多い疾患です。爪が変形したり、関節の炎症を伴うこともありますが、感染症ではありません。

②内科的疾患の主なもの

・自己免疫疾患(膠原病)

免疫機能の異常で、自分の体の組織を攻撃してしまい、体のあちこちに炎症が起こる疾患です。関節リウマチなどが知られていますが、皮膚筋炎や全身性強皮症など、いくつもの疾患があります。発熱や疲れやすさ、だるさや関節痛などを伴うことが多い疾患です。

・感染症

代表的なものが、水ぼうそうや帯状疱疹、麻疹や風疹、手足口病やマダニによる感染症などです。かゆみを伴う発疹や発熱、だるさなどが現れます。疾患によっては重症化することもあります。

・色素異常症などの遺伝性疾患

人の皮膚の色は、皮膚にある色素細胞が作り出すメラニンという色素によって決まるのですが、メラニンの産生に異常があると、全身、あるいは一部の色素異常が起こります。皮膚症状のみでなく、内臓の症状を伴うこともあります。

・糖尿病などの内分泌疾患

糖尿病は、血中のブドウ糖濃度を調節するインスリンというホルモンが、分泌異常を起こして全身症状が現れる内分泌疾患です。血中糖度が上がってしまい、排出するために排尿が増えて脱水症状を起こすとともに、皮膚の水分が不足して乾燥すると、かゆみが起こります。強いかゆみで糖尿病性潰瘍などが起こることもあります。

③外科的疾患

・熱傷

高温の物や薬品に触れて皮膚が損傷することを熱傷と言います。熱傷は生活の中で起こりやすいものですが、皮膚の損傷が深い、あるいは広いと、命にもかかわる重要な疾患です。また、痕が残りやすい疾患ですので、早めに皮膚科専門医の治療を受けると良いでしょう。

・悪性腫瘍

ほくろががん化するメラノーマの他、色素細胞ががん化する悪性黒色腫、毛穴の細胞ががん化する基底細胞がん、汗腺ががん化するパジェット病などが、主な皮膚がんです。

皮膚科専門医はこんな治療を行います

・検査

アレルギー物質を特定するために行うスクラッチテストや、発疹や薬疹の原因物質を特定するためのパッチテスト、光過敏性の有無を調べる光過敏性検査、全身性の疾患状態を調べるための生理学検査、皮膚疾患の診断確定や、腫瘍の良性か悪性かの判断のために病理検査も行います。

・外科的処置

熱傷の治療や、腫瘍の切除や縫合、必要に応じて植皮術なども行います。

・治療薬の処方

患者さんの症状に応じた外用薬や内服薬を処方します。症状の変化を見越した処方と、使い方の指導も大切な診療の1つです。

皮膚は臓器です。異常は早めに皮膚科専門医へ

皮膚は人の体全体を覆い、外界と体を隔てる境界を形作っている、人体最大の臓器です。皮膚は体の一番外側で、外部からの刺激、菌やウイルスの侵入などに対応し、そのために、数多くの組織や機能を備えています。

皮膚症状は目で見ることができ、異常に気が付きやすいものですが、異常を軽視されやすい面もあるかもしれません。皮膚症状はさまざまな原因で起こり、ときに重要な内臓や全身性の疾患が潜んでいることもあります。

皮膚科専門医は、皮膚のみの診療にとどまらず、患者さんの体の内側の変化や異常も見通すことのできる頼りがいのある専門医です。皮膚の異常は早めに皮膚科専門医を受診しましょう。