総合内科専門医

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内科医療のリーダー、総合内科専門医について

総合内科専門医をご存知でしょうか?普段接することの多い内科医ですが、内科医と総合内科専門医の違いとはなんなのでしょうか。今回は総合内科専門医について解説します。

総合内科専門医とは?

総合内科専門医とは、日本内科学会が認定する専門医です。国民の健康への意識の高まりや地域医療がより重要視されるなかで、日本内科学会がつくった専門医制度です。

大学病院やその他研究機関では高いレベルの診療が施されるのは想像しやすいと思います。しかし、実は内科医の半数以上は私たちが訪れることの多い一般病院や総合病院に勤めています。特に地方にお住まいの方にとって、アクセスの問題などから大学病院に行くことが難しく、よほどの大病が疑われない場合は一般病院で済ませることも多いでしょう。

良質な内科医療を地方でも受けられるようにするためには、大学病院だけでなく一般病院や総合病院に勤める内科医、さらに患者と密に接することの多いかかりつけ医に渡って内科医全体をレベルアップさせていかなくてはなりません。総合内科専門医とは、内科医全体のレベルアップを目指し、その先頭に立つリーダーとなる人材です。

総合内科専門医ってどんな医師?

先ほどもお伝えしたとおり、総合内科専門医には内科のリーダーとしての資質が求められます。したがって、幅広い臨床経験や深い知識をもっている内科医でなければ、総合内科専門医に認定されません。日本内科学会では、総合内科専門医に求める能力を大きく3つに分類し、以下のように挙げています。

1.幅広く対応できる能力

・慢性的な疾病に対応できること
地域のかかりつけ医が診療するような慢性内科疾患や生活習慣病などを診断し、生活指導や健康管理まで幅広く指導することができる。

・急性の内科疾患や救急治療ができること
急性の内科疾患や救急医療などの場面で迅速かつ適切な診断ができる。

・チーム医療のリーダシップをとれること
患者の身体的な症状だけでなく、精神面も含めた診断ができる。チーム医療の場面で、看護やリハビリ、内科以外の診療科の診断をまとめてチームリーダーとして治療方針を定められる。

2.研修医への教育・指導ができる能力

学生の卒前教育や卒後の臨床研修などで、指導・教育ができる。内科医を総合内科専門医にレベルアップさせられる指導能力をもっている。

3.内科を幅広い視野で捉えられる能力

高レベルな内科診断だけでなく、医療社会学や医療経済学といったより幅広い知識を持ち、研究や教育場面に関わることができる。

これらの能力をもった内科医だけが総合内科専門医に認定されます。総合内科専門医とは、内科医のなかでもトップレベルの医師だといえるでしょう。

総合内科専門医が診断できる疾患とは

総合内科専門医になるためには認定試験に合格しなければなりませんが、その認定試験は誰でも受けられるわけではありません。試験を受けられる条件として、「内科9分野」の診断経験が必要です。内科9分野とは、消化器、循環器、内分泌・代謝、腎臓、呼吸器、血液、神経、アレルギー・膠原病、感染症のことです。内科9分野は内科で診断する疾患の全てを含んでいます。

したがって、総合内科専門医は基本的にすべての内科疾患を診断することができる、といえるでしょう。例えば、「異常に喉が渇く」といった症状が出たとしましょう。この症状から、糖尿病や腎臓疾患、自律神経失調症など様々な疾患が疑われます。糖尿病を専門にしている医師の診断だと、糖尿病の疑いが真っ先に挙げられるかもしれません。一方で総合内科専門医は内科分野の全てを経験しているので、様々な疾患の可能性をフラットに考えられることができます。

内科疾患はとても幅広く複雑であり、一つの症状であっても二つの疾患が絡み合っているというケースも少なくありません。特に高齢者の場合では、慢性的な疾患と新たに発生した疾患が組み合わさり症状として出てくるということも多くあります。また、若い患者でも背中の痛みが実は腎臓疾患から来ていた、というケースもあり、総合的な視点や知識を持っていないと適切な診断ができない場合があります。もちろん一般的な内科医も総合的な診療知識を学んできてはいますが、より深く幅広い診療知識や治療経験を持った総合内科専門医のもとを受診することで、見つかりにくい内科疾患やその他の原因が発見される可能性は高くなるといえるでしょう。

総合内科専門医が行う治療とは

総合内科専門医が行う治療内容は診断によって多岐に渡ります。総合内科専門医は幅広い診断ができることはお伝えしましたが、治療についても様々な知識や経験をもっています。

総合内科専門医の認定試験を受けるには、内科9分野の患者の治療が完了するまで対応したという実績が必要です。各分野につき2症例の治療経験が求められるので、少なくとも18症例は治療経験があるということになります。さらに認定試験を受けるには、内科治療だけでなく、手術などの外科的な治療に引き継いだ経験も2症例以上は必要です。したがって、内科分野全てを治療できるだけでなく、必要であれば他の診療科にすぐに診断の依頼をするなど、患者にとって最適な治療を提供できます。

また、総合内科専門医の認定試験を受験するためには、日本内科学会が指定した教育病院にて3年以上の研修を修了している必要があります。研修期間は高いレベルの内科治療を学ぶため、最新医療の技術や治療経験も積むことになります。総合内科専門医は、糖尿病や慢性内科疾患だけでなく、最新の内科治療まで対応できる内科医なのです。

困ったときは総合内科専門医へ

総合内科専門医は、あらゆる症状から適切な診療を行うために教育された、いわばトップレベルの内科医です。その診断範囲は内科のみならず、外科や耳鼻科、婦人化など多岐に渡ります。

背中の痛みや頭痛など身体の表面に出てくる症状があっても、その原因となる疾患は思わぬところにあるケースも少なくありません。困ったときにはまず総合内科専門医のもとに受診するのがベストといえるでしょう。