ペインクリニック専門医

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あらゆる痛みのスペシャリスト「ペインクリニック専門医」

痛みは動作や行動を制限し、日常生活に大きく影響します。まして、長く続いて消えない痛みなら、生活の質の低下は避けられません。患者さんの気もめいりますし、負担や不安は増していきます。

こんな場合に効果的な治療を提供するのが、ペインクリニック専門医です。ペインクリニック専門医は、あらゆる痛みのスペシャリスト。さまざまなアプローチで、患者さんの痛みと向き合います。

ペインクリニック専門医になるには

痛みは、外傷や炎症などを原因とするものだけでなく、神経の伝達や心理的要因など、さまざまな原因から生じます。これら多種多様な痛みに効果的に対処するため、医療の面では、できる限り早期の専門的診断と治療が必要ですし、それを行う医師には、高い専門知識と技術が必要とされます。

さらにペインクリニックでは、薬剤師や理学療法士、作業療法士や臨床心理士などとチームを組んで行う、チーム医療が中心です。そのため、ペインクリニック専門医には、この医療チームのリーダーを務める技量も必要となります。

こんなペインクリニック専門医になるには、麻酔科などの基礎領域にて専門医資格を取得したのち、日本ペインクリニック学会が指定している研修施設にて必要とされる期間研修を受ける必要があります。ここで痛みに関する専門知識と技術を習得し、研修後の試験に合格して、ペインクリニック専門医の認定を受けることができるのです。

ペインクリニック専門医はこんな痛みを診療します

ペインクリニック専門医は、痛みに対する診療、痛みを解消する診療を行います。手術をした後の痛みなど、一時的な急性痛や、ずっと続く慢性痛に加えて、痛みが長引くと生じてくる不安や心の痛みに対する精神的なアプローチも、ペインクリニックの役割です。

痛みはそもそもどんな役割を持っているかというと、体に起こる異常事態や危険な状態を知らせる、警告信号です。外傷や炎症が起こる箇所が痛むのは、そこが危険な状態にあると知らせているのですね。

長引いても半年ほどで消えていく痛みを急性痛と呼びます。急性痛には、手術後の痛みの他、急性腰痛症と呼ばれるギックリ腰や、帯状疱疹や三叉神経痛などの神経痛、片頭痛の発作で生じる痛みなどが含まれます。

半年以上続く痛みを慢性痛と言います、慢性痛には片頭痛や四十肩、五十肩と呼ばれる肩関節周囲炎なども含まれ、日本人の実に8割が、何らかの慢性痛を持っているとの報告もあり、実は身近な種類の痛みなのです。慢性痛には、他に変形性腰椎症や椎間板ヘルニア、帯状疱疹後の神経痛や手術の後に長く続く痛みなども含まれます。

慢性痛は、痛みだけにとどまらず、痛みが続くことによって、患者さんの不安や負担、生活の質の低下が無視できない問題となって生じます。痛みがいつ起こるのかという不安や睡眠障害、集中力の低下などが起こりがちです。これらの問題に対処するのも、ペインクリニックの大切な役割になっています。

ペインクリニックで行う痛みへの治療とは

痛みには幅広いアプローチが必要なため、ペインクリニックではチーム医療を行います。医療チームには、薬剤師や理学療法士、作業療法士や臨床心理士などが加わって、痛みをやわらげ、なくしていくことで、患者さんの生活の質の向上を目指します。

ペインクリニックでは以下のような治療法を行います。

①薬物療法

痛みには鎮痛薬を用いますが、痛みが強い場合などは麻薬性鎮痛薬を用いることもあります。また、神経性の痛みの場合は、抗うつ薬や抗けいれん薬が効果を出すこともあります。

抗うつ薬は、うつ病に対して用いる場合よりも少量で早く痛みに作用します。抗けいれん薬は神経が異常に興奮して、痛みの信号を出し続けている状態を抑えてくれます。

②神経ブロック

ペインクリニックの一番重要な治療法ともいえるのが、この神経ブロックです。痛みのある末梢神経に作用する薬や高周波の熱を用いて、神経の機能を一時的、あるいは長期間に渡ってストップさせ、痛みを和らげます。

薬による神経ブロックは、局所麻酔薬や神経破壊薬、副腎皮質ステロイドなどを用いて行います。熱による神経遮断は、高周波やパルス高周波法と呼ばれる方法を用います。

いずれも、知覚神経をブロックすることで痛みを取り除き、交感神経をブロックすると血行改善効果があり、痛みの信号が悪循環することを断ち切ることができます。

③リハビリテーション

痛みのある関節の動かせる範囲を少しずつ広げていくことで、痛みを軽減します。リハビリテーション科専門医と協力して治療を行います。

④認知行動療法

慢性痛は、強いストレスや無意識の不安や怒りなどの心理負担が起こしていることも多くあります。これらが自律神経やホルモン分泌、免疫機関の不調を引き起こし、痛みを生じさせるのです。

慢性痛の治療に、精神科的アプローチは効果的です。臨床心理士などと協力して治療を進めていきます。

つらい痛みはペインクリニックへ

痛みは日常生活に大きく影響します。強い痛み、続く痛み、原因がよくわからない痛みなど、患者さんが負担に思う痛みがある場合は、ペインクリニック専門医を受診しましょう。