小児歯科専門医とは？

小児歯科専門医とは、小児の歯科治療について高度な知識や実績を持ち、日本小児歯科学会に認定を受けた専門医です。

小児歯科専門医は以下の条件を満たした歯科医師です。

• ・日本小児歯科学会に5年以上在籍していること
• ・指定された研修期間にて研修を修了していること
• ・臨床・学術・業績の研修単位を満たしていること
• ・日本歯科医師会の会員であること
• ・認定試験に合格する

小児歯科と一般歯科の違いとは？小児歯科の特徴について

お子さんの歯科治療を受ける際に、一般の歯科にかかっている方は少なくないのではないでしょうか。小児歯科と一般歯科が区別されていることを知らない方もいるかもしれません。

小児歯科と一般歯科の違いを知ることで、「小児歯科専門医はどのような医師なのか」という疑問が解決されることでしょう。ここでは、小児歯科と一般歯科の違いについてご説明します。

・治療方法の違い

小児歯科と一般歯科の違いには、歯の治療方法が挙げられます。治療内容については、大人と子どもで大きな違いはありませんが、子どもの場合は乳歯の生え変わりや歯並び、虫歯のなりやすさなど、成長を見越した上での治療が必要です。

例えば、生え変わりや歯並びを考慮せずに治療してしまうと、かみ合わせが悪くなったり顎が正しく成長しなかったりといった不具合が引き起こされます。「乳歯は生え変わるから」と考え、治療が不十分であると、生え変わった後の永久歯にも悪影響があるのです。

小児歯科では、永久歯への生え変わりなどを考慮した治療が行われることが特徴だと言えます。

・子どもの心のケア

大人になっても歯医者への苦手意識を持っている方は決して少なくありません。「歯医者に通いたくない」という気持ちは、多くの場合子どものころの苦手意識が原因です。小児歯科の特徴として、「歯医者さんが嫌い」という子どもの心理面をサポートすることが挙げられます。

例えば、穴が開くような虫歯を治療するためには、歯を削って金属などで埋める治療が基本となります。しかし、このような虫歯治療は、苦痛を伴ったり時間がかかったりするため、子どもの苦手意識を増長してしまうことでしょう。

小児歯科では、治療前の子どもに対してのカウンセリングや、治療中のケアなどを重要視しています。子どもが歯科治療に慣れることを目指し、歯科医や歯科衛生士とお話ししたり、口の中にミラーを入れる練習をしたりするなど、歯医者嫌いにならないような対応をします。

歯医者が嫌いな子どもの気持ちを丁寧にケアすることも、一般歯科にはない小児歯科の特徴です。

・「予防」を重視している

小児歯科は、虫歯や歯周病の予防を重視しています。もちろん、一般歯科でも予防には重点を置いています。しかし、小児歯科では治療と同じか、それ以上に予防が重要だと考えているのです。

予防の基本はブラッシング指導です。小児歯科では、年齢による理解度を考慮した上で、ブラッシングの方法をお子さんに直接指導します。また必要であれば、親御さんへのブラッシングの仕上げの方法を指導することもあります。

また、フッ素塗布や歯並び矯正など、将来の虫歯や歯周病リスクを考慮した上での予防治療を行います。

・定期的な経過観察

定期的な通院は、一般歯科でも推奨されています。しかし、小児歯科では定期通院は特に大切です。

なぜなら、乳歯は永久歯よりも柔らかく、虫歯になりやすいからです。また、一度虫歯になった歯は再発しやすくなっており、こまめな経過観察が欠かせません。小児歯科では、定期的な経過観察のなかで、「虫歯が再発していないか」「ブラッシングは適切に行われているか」「かみ合わせがずれていないか」などをチェックします。

小児歯科では、3ヵ月に1回以上の定期通院が推奨されています。予防や早期治療のために、定期通院をする習慣を身につけましょう。