小児神経専門医

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子どもの脳や神経のエキスパート!小児神経専門医とは?

小児歯科専門医をご存知でしょうか?

子どもは身体が大きく成長していくとともに、脳や神経も発達していきます。小児神経専門医とは、感覚や認知、運動などを司る脳や神経が正しく成熟していくために、適切な治療を行うことができる医師です。

しかし、小児神経専門医は2017年現在、全国に1000名ほどしか存在していません。そのため、まだまだ認知度も低く、「どのような疾患を対象としているのか」「どんな医師なのか」を詳しく知る方は少ないことでしょう。

今回は、小児神経専門医について詳しく解説していきます。

小児神経専門医とは?どんな医師?

小児神経専門医とは、日本小児神経学会に認定されている医師です。子どもの神経疾患や治療方法について高度な知識や実績を持つ専門医が、小児神経専門医として認定されます。

小児科の対象領域の患者は0歳~15歳であり、いわば成長が著しい年齢です。人生のなかで最も脳や神経が成長・発達する時期とされています。

そのため、小児神経医は、子どもに起こり得る神経疾患への知識や治療だけでなく、子どもの今後の成長を含めた対応をしなければなりません。小児神経専門医は、成人後に起こると考えられるような症状を含めた、総合的な診断・治療を行うことができるスキルを持っています。

日本小児神経学会では、小児神経専門医のスキルを高く保つために、以下の条件を達成した医師のみを専門医として認定しています。

  • 1.小児科専門医などの基本領域の専門医資格を持っていること
  • 2.日本小児神経学会に5年以上在籍していること
  • 3.小児神経科専門医研修施設などでの研修カリキュラムを修了していること
  • 4.30例の症例要約を提出すること
  • 5.日本小児神経学会への参加、論文発表の実績があること

これらの条件を達成し、認定試験を合格することで初めて小児神経専門医になることができます。つまり、もともと小児科などの専門医レベルであり、小児神経疾患についての研修や治療実績を積み上げ、高水準の治療レベルであることが認定されている医師が、小児神経専門医なのです。

小児神経専門医が対象とする疾患とは?

小児神経疾患と効いても、具体的にどのような病気なのかイメージしづらいのではないでしょうか。小児神経疾患にはどのようなものがあるのでしょうか。

小児神経専門医が対応するのは、「けいれん、運動、感覚、行動、知能、言葉、こころ」です。これらは、脳や神経系が司っています。

そのため、脳・神経が何らかの原因によって障害されることで、「言葉が上手く話せない」「ひきつけを起こす」「歩き方がおかしい」「頭を痛がる」「首がなかなか座らない」「他の子と違った行動をとる」などの症状が出ます。

上記のような症状を引き起こす小児神経疾患は以下のとおりです。

  • ・けいれん:てんかん、ひきつけ、熱性けいれんなど
  • ・筋:筋ジストロフィーなど
  • ・免疫系:重症筋無力症、手足口病など
  • ・睡眠:ナルコレプシー、不眠症など
  • ・脳炎・脳症:インフルエンザ脳炎、ラムスッセン脳炎・脳症など
  • ・頭痛:頭痛、片頭痛など
  • ・発達障害:自閉症、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)、学習障害など
  • ・その他:水頭症、脊髄髄膜瘤、指定難病など

神経系のさまざまな異常が原因となるため、小児神経疾患の種類は多岐に渡ります。小児神経専門医は、脳や神経(末梢神経を含む)だけでなく、神経系が原因となる筋疾患にも対応しています。

小児神経専門医が行う診断・治療について

先ほどご説明したとおり、小児神経専門医の対応できる領域は、「子どもの神経疾患」を中心に多岐に渡ります。ここでは、小児神経専門医が診断・治療できる疾患のなかから、代表的なものを例に挙げてご説明したいと思います。

・てんかん

てんかんは、小児神経疾患のなかでも小児神経専門医が携わることが最も多い疾患です。てんかんは、発作の種類によって薬物療法で効果が見込めるものや、外科的な治療を施せるものがあります。

小児神経専門医は、てんかんに対して的確な治療を行うために、MRIやPETなどの画像診断や長時間脳波記録、ビデオ脳波同時記録などの検査を行います。その結果から、てんかん発作のタイプを正確に診断し、薬物療法および外科的治療を実施します。

・発達障害

近年、発達障害の認知度が高くなってきています。認知度に比例して受診者数が増えてきていますが、発達障害を正しく診断することはとても難しいのです。

小児神経専門医は、数多くの診断・治療実績によって発達障害を的確に診断・治療します。

例えば自閉症の場合では、認知機能評価スケールや画像診断によって、発症までの機序を突き止め、正確な診断を行います。そして、薬物療法やソーシャルスキルトレーニングなど、行動異常に対しての治療を実施していきます。

また、子どもへのコミュニケーションのとり方や対応方法など、親御さんへの教育面でのサポートも行うことになります。

・筋ジストロフィー

筋ジストロフィーは発症件数がとても少ない疾患ですが、小児神経専門医が治療することの多い疾患の一つです。

遺伝子診断や筋生検などで正確に診断を行った後、生活の質(QOL)を考慮しながら治療を行っていきます。現状では根本的な治療法は確立されていないものの、呼吸リハビリテーションやステロイド療法など、経過を追いながら的確な治療を行います。

小児神経専門医は、神経内科・外科や、リハビリテーション科など他診療科と連携しながら、総合的に日常生活をサポートします。

小児神経専門医を受診するためには

小児神経専門医は、大半が大学病院や公立病院、総合病院などの小児科に在籍しています。また、クリニックや診療所、療育センターに勤める小児神経専門医もいます。

小児神経専門医は全国に1000名しか存在しないことから、受診が困難なケースがあります。受診を希望される方は早めに予約するようにしてください。

小児神経専門医を探す場合は、日本小児科学会のサイトで専門医のいる施設を見ることができます。また、当サイトでは小児神経専門医を検索できるので、ぜひ活用してください。

子どもの発育・発達段階で「他の子と少し違う」と感じた場合は、神経系の異常が疑われます。いちど小児神経専門医を受診することをおすすめします。