呼吸器専門医

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呼吸器のスペシャリスト!呼吸器専門医とは?

呼吸器疾患と言えば肺炎や肺がんなど、肺の病気をイメージするのではないでしょうか。しかし、呼吸器とは肺だけではなく、肺と気道をつなぐ気管支や、呼吸のための器官である鼻・口など、さまざまな器官を指します。

また、呼吸の器官それぞれで引き起こされる疾患にもたくさんの種類があります。そのため、呼吸器全般や発症する疾患について、横断的に診療できる医師は、意外と多くいません。

呼吸器専門医とは、呼吸器疾患の病態や治療についての高度かつ専門的な知識を持つ、呼吸器のスペシャリストです。今回は、呼吸器専門医についての理解を深めていきましょう。

呼吸器専門医とは?

呼吸器専門医とは、日本呼吸器学会に認定されている医師です。鼻や口などの耳鼻咽喉科領域から、気道、気管支、肺などを総合的に診断・治療できる知識や経験を持っています。またそれだけでなく、呼吸器を取り囲む胸膜や、呼吸器の近くにあるリンパ脈まで、幅広い対象領域をカバーしています。

一般的な医師には難しいとされるレントゲンやCTなどの読影技術や、急性・慢性呼吸不全への処置技術、薬剤療法、外科的手術など、呼吸器の診断や治療について高度なスキルを習得しています。

そして、栄養サポートで必要不可欠な誤嚥防止のための管理や、呼吸器リハビリテーションへの介入など、看護師や理学療法士、管理栄養士などで構成される医療チームの中心としても活躍しているのが、呼吸器専門医です。

呼吸器疾患の診断や治療には、投薬治療などの内科を基礎としたアプローチと、開胸手術を主とする外科的なアプローチといった2つの側面が必要です。そのため、日本呼吸器学会では、呼吸器専門医を内科系と外科系に分けて教育しています。

  • ・呼吸器専門医(内科系):内科的なアプローチが必要となる呼吸器疾患のスペシャリスト
  • ・呼吸器専門医(外科系):外科系の診療が必要な呼吸器疾患のスペシャリスト

呼吸器専門医(内科系)と呼吸器専門医(外科系)の違い

呼吸器専門医(内科系)と呼吸器専門医(外科系)は、どちらも日本呼吸器学会が認定する専門医です。認定後は内科系・外科系に区別されず、呼吸器専門医として扱われます。しかし、双方には少し違いがあります。

その違いとは、「基本領域が内科と外科のどちらか」ということです。呼吸器専門医(内科系)に認定されるためには日本内科学会認定内科医を取得しておく必要があります。一方で、呼吸器専門医(外科系)は日本外科学会が認定する登録医もしくは外科専門医を取得しておく必要があります。

また、呼吸器専門医に認定されるために修了するべき「カリキュラムの研修レベル」にもやや違いがあります。内科系と外科系のどちらも同じ研修カリキュラムの内容ですが、内科系は感染症や薬剤による肺疾患、比較的珍しい呼吸器疾患など全般的に高い習得度が求められます。一方で、外科系は呼吸器疾患での開胸手術や切除など、外科的な施術に対して深い知識や経験を得ることが必要です。

ただし、呼吸器専門医は内科系であっても、外科領域について一定水準以上の知識習得のためのカリキュラムを修了しています。外科系も当然ながら、内科系呼吸器疾患について一般的な内科医師よりも幅広く学んでいます。

呼吸器専門医は内科系もしくは外科系など、どちらかの専門医・認定医レベルの診療技術を持っています。その上でさらに、呼吸器疾患に対して内科・外科どちらの視点からでも診療できるということが、呼吸器専門医の強みだと言えるでしょう。

呼吸器専門医が治療できる疾患とは

呼吸器疾患は、咳などのいわゆる風邪症状から、肺の悪性新生物(がん)まで多岐に渡ります。呼吸器専門医は呼吸器にまつわる疾患について、3年以上の研修カリキュラムのなかで一通り学んでいるため、基本的にはすべての疾患を治療できるスキルを持っています。

呼吸器疾患をすべて挙げると膨大な量となるため、ここでは代表的な疾患と症状について記載していきます。

  • ・感染性呼吸器疾患:風邪症状、インフルエンザ、急性気管支炎、肺結核など
  • ・気道閉塞性疾患:慢性閉塞性肺疾患(COPD)、びまん性汎細気管支炎など
  • ・アレルギー性肺疾患:気管支喘息、過敏性肺炎、好酸球性肺炎など
  • ・間質性肺炎:特発性間質性肺炎、放射線肺臓炎など
  • ・腫瘍性肺疾患:肺がん、転移性肺腫瘍、肺の良性腫瘍、縦隔腫瘍など
  • ・肺血管性病変:肺血栓塞栓症、肺動脈性肺高血圧症、肺水腫など
  • ・胸膜疾患:胸膜炎、膿胸、胸膜腫瘍、気胸など
  • ・呼吸不全:急性呼吸不全、慢性呼吸不全
  • ・その他の肺疾患:気管支拡張症、職業性肺疾患、過換気症候群、睡眠時無呼吸症候群など

呼吸器専門医はどこにいるの?呼吸器専門医を受診するためには

呼吸専門医の多くは、高度な呼吸器治療を行っている大学病院や国公立病院、総合病院に在籍しています。また、少数ですがクリニックに在籍する呼吸器専門医もいます。

呼吸器専門医は全国的に数が少なく、平成25年の段階では5149名しかいません。慢性閉塞性肺疾患や睡眠時無呼吸症候群で悩む方は多く、受診を待たなければならないこともしばしばあります。したがって、確実に受診をするためには呼吸器専門医への事前予約は必須となります。